衣替て居て見てもひとりかな 小林一茶/鈴木智彦「ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記」

尾崎放哉より侘しさ倍増! さすがの一茶、そこに痺れる憧れるぅ!


冬物を片付けた。ブーツとかダウンコートとかかさばるものがたくさん。
コートというものは買ったときの金額が高いものだから、古い形になってもなかなか手放す踏ん切りがつかない。今シーズンもクローゼットの中に吊るして「次のシーズンで最後にしよう」とココロに決めたりする。決めたりするけど、実際に袖を通すことは少ない。手放したい、心の中では手放したいと思っている。しかしこんな軽やかな良い素材のカシミヤのコートを、今後の人生で買う機会がくるようにも思えない。でもカシミヤ、着るのか? このあとの人生で着るのか? 軽くて温かい素材のものがこれだけ流通した世の中で、カシミヤって着るのか?

 

お洋服に関しては現在、大変な迷走中。筋腫でお腹がせり出していたときに買ったデニムがサイズが合わなくなっていたり(当たり前だ)、形が合わなくなったブラウスやスカートが多数。

最近では「ウカやん、そのジャケットにそのスカートは短すぎるよ」というセリフを二度聞いた。一人は「短すぎる、純粋に短すぎる」、もう一人は「短すぎて就活生に見える」とより踏み込んだアドバイスを。長いスカート持っていたかしらんと、黒いスカートが何枚も重なっているあたりを探ってみたら、香港のアウトレットで買ったちょうどよい長さのスカートが出てきた。忘れてた。この存在を忘れてた。これも筋腫がせり出していてウェストがきつくて履くのを控えていたスカートだったのだ。おぅ、衣替え、素晴らしい。やってみるものです。しかし、自分の実際の体と、記憶のサイズ感に2年ほど時差があるのにおのろいた。若い頃の2年間は筋肉もしっかりとあるし大した誤差ではないけれど、ここからさきの「2年間」というものはライク・ア・ローリング・ストーンなのでは? そう考えると、一年中半裸おじさんでいられる御年70歳のイギー・ポップとか、ベジタリアンで健康に気を使ってる御年73歳のミック・ジャガーってほんとに偉大だわ。女性だとそういうモデルってどこにいるのかしららん。なにを目標にすればよいのか、誰か私の灯台になってください。

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ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記

金曜の夜、お酒飲みながらつるっと読んだ。ヤクザの話も原発の話も面白かったんだけど「出会い系で出会った200人くらいの女を抱いた」「ねちっこいのをするのなら四十代が一番」などという赤裸々な記述に「のひー」とのけぞった。出会い系アプリってそんなに普通に使っているものなのか。そして200人をハンティングに行くガッツに脱帽。それって多い方なのかしら、少ないほうなのかしら、よくわからない。

最近の鈴木智彦さん、土井善晴さんと梶本レイカさんの伝道師となりつつある。「ヤクザBL」というジャンルが確立されていることも初めて知った。世界は私の知らないものでこんなに満ちていたのに、私ときたらぼんやりと猫を抱いたまま、特に新しい世界に触れることもなく、この数年を過ごしてきてしまったのだわ。まぁ、それはそういう時期だったのだ。

読みました。
悪魔を憐れむ歌 1巻 (バンチコミックス)

どうでもいいですけど、上の「ヤクザBL」に関連して「はっ!ゴールデンカムイのBLはあるのか!?」と検索してみたら、本編自体が変態すぎるためか、あまり見つかりませんでした。さみしいな☆ なにしろラッコ・・・いや、なに、ゲフンゲフン。

ゴールデンカムイ 1-9巻セット (ヤングジャンプコミックス)

斗比主閲子『私って、甘えてますか?』

私って、甘えてますか?

以前、Kindle unlimited で「ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30 Kindle版」を読み、機会があれば紙の本でお布施をお送りしたいと思っていたので。

人生のもっと早い段階で、この本に出会っていればよかった。最近だとこちらの↓記事がぐさりと突き刺さりました。本当に今になって自分がいかに未熟者かと気付かされることが多々あり、取り消せるものなら取り消したいあのセリフ、あのメール、あの言動・・と頭をかきむしっているところに、ぐさりと。
「私は感情の起伏が激しく、怒りっぽい自分が嫌になります。怒りに関して心がけていることを教えてください」

内容はお金のこと、結婚のこと、人間関係のことなど多岐にわたり、どのくらい早い段階で読めばよかったかというと大学進学時あたりで読んでも全然よかった。地方出身者ならそのタイミングで読むのがベストだと思う。こういう地頭の人が東京にはうようよいるんやでと知っておくためにも。あぁほんとうに、23歳くらいのときから人生やり直したい。

本のご紹介はこちらから。

女子を悩ます様々な“もやもや”を理論派人気ブロガーがズバッとお答え! !
(中略)
そんな著者が、「身近な人に聞いてもどうすればいいのか分からないお悩み」「周囲に聞くのはためらわれるお悩み」「こじらせ気味なお悩み」など、悩める女子の“もやもや”にお答えします!
出口の見えない“もやもや”の解決パターンをシンプルに学び、ツッコミに笑い、心の澱を溶かす指南に涙するQ&Aで「私の悩みもこんなふうに考えれば解決できるのかも❤」と、もやっと女子が元気になれる1冊です。

これの逆アンサーソングがさるころちゃんの「結婚さえできれば」なのかもしれないですね。実際よく一緒に買われているようですし。
結婚さえできればいいと思っていたけど (幻冬舎単行本)

花ミモザバカにもわかる地政学/佐藤優「大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす」

大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)

この猫好きの強面のおじさまはとても頭がよいのだなー。猫と鞄のことしか考えてないわたくしのような人間にも、よく理解できる現代地政学入門でございました。

春の雪純文学を読み終わり/池澤夏樹「星に降る雪/修道院」

星に降る雪/修道院

表紙カバーを取り外した後の本の装丁がとても美しかった。空から降ってくる星か、あるいか雪か。そんなキラキラした小さい粒が純白の表紙に施されている。雪の降る空を見上げたときのような時空の広がり。本の装丁ひとつでこんな世界が表現できるのかと惚れ惚れする凛々しいブックデザイン。

内容は「あれー、池澤夏樹ってこんなんしか書かないんでしたっけぇー、すっごくきれいな風景の中での物語ということはよくわかりますけれども」って感じでした。あれー、まぁいいんですけれども。セックスばっかしてんな、登場人物たち。

冬の星輝けアジアの女子たちよ/「アジア新聞屋台村」高野秀行

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

ワセダの三畳間に沈没するライターのタカノ青年は、台湾の美人社長に見込まれ、なぜか多国籍新聞社の編集顧問に就任。勇み立ったはいいが、アジア各国のツワモノたちに翻弄され、たちまちハチャメチャな屋台的世界に突っ込んで行く。果たして彼と新聞社の未来は? 在日アジア人と日本人の夢と現実を痛快に描く自伝的トーキョー青春物語。『ワセダ三畳青春記』『異国トーキョー漂流記』の姉妹篇。

この多国籍新聞社の女社長が台湾出身の劉さん。「日本では女性の社会的地位が低い!こんなんじゃ息が詰まる!めんどくせえ!そんなら私、社長になるわ!」といきなり新聞社を作る。といっても壁新聞レベルのものだけど、韓国語や中国語ではメジャーな日刊紙がすでにあるので、タイ語・マレーシア語・インドネシア語とニッチなところを攻めていく。ついでに不動産業やったり、怪しげなインターネットビジネスやったり、国際電話業やったり。

お話はインターネットが爆発的に普及する直前の1997年頃から始まるので、新鮮な海外の情報を手にするのがまだまだ困難で、新聞業もそこそこ順調に進む。一緒に働くのは、母国ではちょう有力政治家の孫のタイ人とか、「え、ビジネスしたいの?原油とかどう?」とかいきなり提案してきちゃう財閥出身のインドネシア人、超優秀だけど「韓日」ではなく「日韓」という言葉を耳にした瞬間に暴発する韓国人女性などいろいろ。そんな屋台村的即興ビジネスに身を投じた主人公の運命やいかに!!!

あーアジアってこういう人たちで構成されてるんだーと、随所で納得しながら読み進めましたよ。アジアってこういう人たちで構成されているとともに、そこで浮き彫りになってくる日本人の姿がまた。

「日本人はお金を持っているのに、どうして自分のビジネスをやらないのか?」と彼らは言う。特に、女性は、「日本の専業主婦がいちばん理解できない。時間もあってお金もある。どうして、家で何もしないでじっとしているのか?」と私に訊く。

単に「他人からどう思われているか」が日本人にとって唯一最大の関心事なのだ。日本人の公平感覚や客観性はその上にしか派生しない。

劉さんが言うには、「日本人の男性ほどかわいそうな人はいない」。

だって、そうでしょ? 外で死ぬほど働いたあげく、定年になればゴミ扱い。リストラでもされた奥さんに冷たくされるし、離婚されることだって珍しくない。
だいたい、日本人の夫婦ってほんとうに愛し合っているのかなって思う。

それらのやり取りを経て、作者はある真実に気がつくのです。

日本人の長所は、他人に仕事を教えることだ。(中略-途中入社して社内の経理システムを確立していった人たちをさして)彼らはJICA(国際協力機構)から派遣された技術指導員だったんじゃないかと錯覚するくらいだ。

日本に最も欠けているもの、それは選択肢なのだ。会社でも家庭でも学校でもボランティア活動でも、日本の集団というのは価値観が著しく画一化されている。その価値観から外れると、はじき出される。集団を離れても自力でやれる人は強い。だが(中略)たいていの人は弱いのだ。

そうだー選択肢! そして自由度! 女性の社会的地位ー!!! わたしゃ会社組織に身をおいてないのでよくわかりませんが、女性ってだけでいろいろやりにくいんざましょー? 優秀な人材でも気持ちよく出世しづらいんでしょー? この本を読むと、アジアの女の子・・・というより、日本女子も、自分の中にあるエネルギーをもっと信じて、自由に生きて、もっと稼いで、もっと愛にあふれたゆかいな人生を歩むこともできるんじゃないのーという気分になってくるですよ、そういうことをテーマにしたご本ではないのですけれども。

がんばれ、アジアの女の子! がんばれ日本女子!