シャツの汗ざわわざわわと風の音/映画「ハクソー・リッジ」メル・ギブソン、アンドリュー・ガーフィールド、ヒューゴ・ウィーヴィング

Digital Booklet: Hacksaw Ridge

あらすじと作品概要はeiga.comから。
今年のアカデミー賞で2部門(編集賞、録音賞)を受賞した「ハクソー・リッジ」が、6月24日より全国公開。第2次世界大戦の激戦地で、武器も持たずに75人の命を救った実在の衛生兵を、「沈黙 サイレンス」のアンドリュー・ガーフィールドが熱演。「アポカリプト」以来10年ぶりの監督作となったオスカー監督メル・ギブソンが、壮絶な戦闘シーンと珠玉のドラマを融合させた話題作だ。

うん、でね、「ハクソーリッジ」とは浦添市の前田高地のことなんです。ヴァージニア州の緑豊かなのどかな土地で育った信心深い青年が故あって衛生兵として激戦地OKINAWAに赴き、武器も持たず体ひとつで75人の味方を、命は助からなかったけど日本兵を2人を救出した話なんです。

わたくし、こういう重火器使用肉弾戦リアル戦争映画ってあんまり見たことがなく、度肝を抜かれました。当時最先端の装備と潤沢な兵糧をもった米軍が、焼け野原となってしまった沖縄の海岸線から意気揚々と上陸してくるシーンなんてそれだけで涙が出た。しかし、いざ戦闘が始まると日本軍の描写が怖い。「日本兵は死を恐れていない」と先発隊の米軍兵士が死んだような目でつぶやくシーンがあるんだけど、あの日本兵を見たら本当にそらそうだわ、米軍兵士にも同情するわという得体の知れない恐ろしさ。

日本軍があそこまで縦横無尽に戦えたのも地元市民の大きな犠牲があったからで、その資料を事前に読んでからいくとよいと思います。そして火炎放射器が怖い。あれが一般市民にも向けられたのかと思うと恐ろしい。米軍はこの「死を恐れてない日本兵」が心底恐ろしかったのだろうけど、日本側の民間人10万人も犠牲になっている。沖縄戦のWikipediaの項目をこの映画を見た世界中の人が目にすることを願う。

映画としては、監督のメル・ギブソンが相変わらずメル・ギブソンで安心しました。ヒューゴ・ウィーヴィングやメル・ギブソンの息子がちゃっかり本作品に関わっていたりして、そういうあたりも面白い。しかしどんなイケのメンも、戦闘服を着ちゃうと見分けがつかなくて苦労しました。初見でみたときのシンゴジラ並に息を詰めて見ました。

それにしても劇場でこの作品の予告編をみたとき、沖縄戦の映画だとはひとっことも言ってなかったような記憶が。配給会社もいろいろ事情があるんでしょうな。まずは映画館に足を運んでいただくためにどういう方向で広告を打つかは、そこらへんはいくらトンチンカンな方向になったとしても配給会社に任せておきましょうよ、大人なんだから・・・いくらトンチンカンな方向だとしてもだとしてもだとしても、「ナポレオン・ダイナマイト」に「バス男」と邦題をつけたことも許すので、ブラッド・ピットの壮大なゾンビ映画「ワールド・ウォーZ」をほっこりファミリーラブロマンス映画のように宣伝したことも忘れてあげるので。

次はプライベート・ライアンを見ます、まだ見たことがないので。

 

[関連情報]
ヤフー:メル・ギブソン、10年ぶり監督復帰を決心させた銃を持たない兵士の勇気
沖縄タイムス:映画「ハクソー・リッジ」の舞台 浦添市の前田高地に注目
浦添市:『ハクソー・リッジ』の公開によせて
Twitter:ハクソーリッジ日本兵や米兵、脇を固めた俳優、エキストラ、裏を支えたスタッフ

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