「人生を詰んでる」基準ってありますか?


社会を拒絶したくなる日もある、と語る背中。
久しぶりに密度の濃い作業をしてたら頭が冴えてしまい、布団の中で眠れなくてiPadでTumblr 眺めてたらこんな文章が流れこんできた。
Q16:「詰む」の基準ってありますか?
A16:大体、何もしないまま30歳を過ぎると、まともな仕事の受け入れ先が消滅するので、9割方詰みます。20代の間にどれだけ行動したかで、大体が決まります。

「これって自営業とかフリーランス向けの啓発情報なのかな、二十代の頃、あまり努力しなかったから私もこの部類にはいるのかも」と思い、原文を辿りに行ったら、不登校・ひきこもりを教育支援する団体のFAQの一文でした。
責任を 逃れた親から 手遅れに ~哲学無き親達の現実~
http://www.carpefidem.com/column018.html
このページを最後まで読むと、不登校・ひきこもりの人間が親の確固たる決意もないままずるずると時間が過ぎゆくままに身を任せると、ネットで隣国や政治・芸能人をたたいて溜飲を下げるようになり、最後には「こうなったのは政治のせいだ!親はもう年金暮らしだ、息子はもう中年だ、補助金でもなんでもいいからクレクレタコラ!」と叫ぶ人間になる、という流れで、ぎゃぁぁぁーこわいぃぃー平成のシャイニングー!!!!
不登校 気付いたときには 30代 ~手遅れ引きこもりの実情~
http://www.carpefidem.com/column002a.html#top
これもなかなかすごいですよ、「不登校のまま三十代になっちゃいました、実際ぼくってどうなんでしょう?」の回答が「1:基本的に邪魔者扱いです。」「2:将来性の見込める仕事は事実上存在しません。」「3:年間所得は平均で50万円程度です。」、うぅ、数字にするとなんたるちあ。
社会批判 過激になったら 赤信号 ~社会を知らない社会評論家~
http://www.carpefidem.com/column008.html#top
これもまぁネット見てると、あいたたた、と思わされる内容です。
Q34:社会情勢が引きこもりを生んでいる気もしますが?
A34:社会情勢が動かない時代などあるのでしょうか? 常時動くから、動いたなりの対策を考えなくてはいけない、というのが普通の発想ではないでしょうか。社会情勢の変化など、誰にとっても同じなのですから、社会情勢のせいにするのは「自分は社会の流れについていけなかった落ちこぼれ」と主張しているのと同じことです。

正論すぎて・・・。個人的にはこれを壁に貼っておきたいものです。ニヤニヤしながら「おばちゃんって年収いくらなの?」と聞いてくる甥っ子に、将来なにかあったらこのページをプリントアウトして読ませようと思いました。ごめん、子供相手にムキになって。
※シャイニングっていうのは、壊れかけの板塀に顔がはさまっちゃったお父さんを家族みんなで助けるというハートウォーミングストーリーじゃないよ!

スタンリー・キューブリック,スティーヴン・キング
ワーナー・ホーム・ビデオ

¥ 1,600

(2001-08-23)

生きよ生きよ粛々と生きよ/高村薫「太陽を曳く馬」読了


福澤彰之の息子・秋道は画家になり、赤い色面一つに行き着いて人を殺した。一方、一人の僧侶が謎の死を遂げ、合田雄一郎は21世紀の理由なき生死の淵に立つ。―人はなぜ描き、なぜ殺すのか。9.11の夜、合田雄一郎の彷徨が始まる。
紹介文はamazonから。
今回読んでた福沢彰之三部作の主人公・福沢彰之は禅僧です。新リア王でも宗教のウェイトが決して少なくはなかったのですが、今回の「太陽を・・」はもうみっしりずっしり、現代アートとポップカルチャー、オウム真理教からてんかん患者までゼロ年代に咀嚼しきれなかったものがわんさか登場してきます。勢いで読み進めたけれど、小説そのものが禅問答のようで、読み終わったそばから、何年かおいてからまた読みなおさなくてはと思わされる小説でした。
この三部作を読み始めてから今日ここに読了するまでの途中、いくつかの本に浮気していまして、その間に読んだ本、陰謀論大好きおじさん・副島隆彦の「隠された歴史-そもそも仏教とは何ものか」を偶然読んでいたのですが、読んでおいてよかった。

この本をざっくりまとめると、「そもそもお釈迦様は、『粛々と一人で生きろ、そして死ね』ってこと以外は語ってないんですよ?」という内容で、このフレーズがこの本を読み進める上で杖のような存在になってくれました。
うー。大河ドラマにどっぷりはまったような。「新リア王」なんか、実家に3回、香港にまで連れてってやっと読み終えたんだもんなー。そして今、かみしめるようにして、シガー・ロスの「Festival」を聞いてるわけですよ、きらめく光がこぼれる落ちてくるようなあの曲を。さて、粛々と生きてゆきましょうかのう、明日もあさっても明々後日も。

仕事中 美人レンズで 猫を撮る


「アベノミクス・・・・・」
ノートパソコンが、猫にとっての高額なホットカーペットになっている事実をみなさまにお知らせしたい! お知らせしたいんですよ、ぼかぁ!!!
「合田雄一郎さん、宗教問題に挑む」の巻、「太陽を曳く馬」ですが、今回ひとつの事故・ひとつの事件を追っていくものですから、聞き込みの時間が長うございます。刑事さんも大変ね。
私にもしなにかあったとき、刑事さんが周囲の友人らに聴きこみに行って「鞄のことばっか考えてる女でしたよ」とか「twitter の半分はウカ様の写真でしたね」「映画を見るか猫を愛でるかのつましい生活だったようです」などと吹聴されるのかしら。いやーん。
ところでジバンシィのこの鞄、どうしてこんな形になってしまったのやらら。鞄病の私にも、このバッグの美点が見いだせない。。。ごめん、ジバンシイたん!

寒満月昭和平成読み通す/高村薫「太陽を曳く馬」上巻読了

 
土曜日の夜に「新リア王」を読み終えて、福沢彰之三部作・最終章「太陽を曳く馬」上巻へ。こちらは昨夜読了、つるつる読める、夢中になって読める。新リア王は時間かかったなぁ。司馬遼太郎の「坂の上の雲」とか「翔ぶが如く」と同じくらい時間かかったなぁ。

新リア王、読了



去年の秋に高村薫の「太陽を曳く馬」の冒頭を読んでたら、ともだちに「それって、福沢彰之三部作の最終話だよ」と教えられ、えぇーとそこで本をパタリと閉じ、母と子の魂の対話「晴子情話」を読み、「新リア王」に手を出したのです。新リア王を読むのに一ヶ月以上かかった。「今夜は眠れないなぁ」と思った夜、この本を開くと3ページ進むうちに眠りの彼方へ運ばれることもあった。でも、でもね、やったよ、母さん、やっと読み終わったよ!!!
「新リア王」は、父・青森の代議士・福沢栄と子・福沢彰之の魂の戦いでもあるのだけど、自民党がなにをやってきたか、むつにはなにが運び込まれたのか、という話でもあり、バブル直前の生々しいあまたの政策を追うこともできます。
震災直後、ああいや(←福沢栄のまね☆)、正確には福島第一原発事故直後と申し上げておこう、この時期に松岡正剛さんの千夜千冊の新リア王評を目にした方も多いのではないかと思いますが、ご興味の有る方はリンク先の記事を読んでいただきまして、じっくりと高村薫の声に耳を傾けてはよいのでしょうか、数ヶ月かけてでも。
http://1000ya.isis.ne.jp/1407.html
間隙をおかず「太陽を曳く馬」へ。舞台は2001年911の直後へ。合田雄一郎さんも出てきますよ。今度は、福沢彰之と息子秋道と現代アートの物語。作中にはバーネット・ニューマンの「アンナの光」、表紙はマーク・ロスコ、会田誠、奈良美智の名前や吉田戦車の火星田マチ子など、現代アートの作家の名前がガンガンでてくるので、画像検索しながら読み進めています。早速佐倉市の「川村美術館」に足を運びたくなりました。しかし、駅から遠いな・・・・。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/index.html
鰊漁の情景も鮮やかな「晴子情歌」の表紙が青木繁の「海の幸」、老いた東北の王を描いた「新リア王」の表紙がレンブラントの「金の鎖をつけたあごひげの老人」「瞑想する哲学者」、今回の「太陽を曳く馬」がマーク・ロスコ。うむ、ここにもひとつの地脈がありますね、わぁ、そして高安敢闘賞おめでとう!