花ミモザバカにもわかる地政学/佐藤優「大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす」

大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)

この猫好きの強面のおじさまはとても頭がよいのだなー。猫と鞄のことしか考えてないわたくしのような人間にも、よく理解できる現代地政学入門でございました。

春なのに若いイケメン死ぬ話/映画「世界一キライなあなたに(原題:ME BEFORE YOU)」

世界一キライなあなたに(字幕版)

なんというか・・・本当にひどい邦題・・・・
そしてタイトルで思いっきりネタバラシしてる私・・・

あらすじはギンレイホールのサイトから。
イギリスの田舎町に暮らすルーはオシャレが大好きな26歳。働いていたカフェが閉店し失業した彼女がようやく見つけた仕事は、バイク事故で車椅子生活を送る元青年実業家の介護と話し相手だった… 生きる希望を失くした青年と平凡な女性の切ない恋を描く感涙のラブストーリー!

元青年実業家は、ご一家で古城を持ってるようなおうちのお坊ちゃんでですね、えぇもう大富豪ですよ、「療養を兼ねてバカンスに行きましょう!」「はい!プライベートジェット!(ドラえもんの声で)」というような富豪っぷりですよ。
主人公のルーちゃん家はパパは失業中、大学復学を目標にしてる妹はシングルマザー、自分の稼ぎが強くアテにされている庶民の家の子。そんな子が、富豪のお家の一人息子の介護のために通っていくうちに・・、というお話ですよ、えぇ、もうあとは「最強の二人」とか「死ぬまでにしたい10のこと」なんですけどね。

このルーちゃん、おしゃれが好きでキッチュなものをうまく取り入れているのですが、産毛濃いめのお嬢ちゃんで、日本で演るならちょっと前なら池脇千鶴よね、でも現代なら堂々と能年玲奈がやるところよね、うふふふふ、などと。ルーちゃんの妹が着てたGAPのTシャツ、はいはいはい、私も持ってますっ、と鑑賞中挙手したり、忙しかったわ。イギリスの田舎町も、バカンスに行った旧フランス領の南の島も、ロケ地がすばらしかったわ。

盛々と飾り付けられたアイシングクッキー並に甘い話だったけれど、社会の実情を鑑みればこんな障害者もなかなかいないのだと思うのだけれど、見てよかったわ。「あ、今日、これから映画一本見られるじゃん」くらいの前情報で、タイトルも確認せずにギンレイホールまで行ったけど、よかったわ、結果オーライね。

見終わった後「時間返せ!」とは言わないんじゃないかしら。重篤な障害者、だけど経済的には何一つ不自由のない富豪という設定にモヤッとする人もいるだろうけれども。上の「最強の二人」も富豪男性が主人公なのよね。だけど、現実には「死ぬまでにしたい10のこと」のが共感を持たれて、残される子どもたちのご飯の心配しながらトレーラーハウスの安っぽいインテリアに目をうるませることになるのよ、がっでーむ!

ラブロマンス的には、環境がヒギンズ教授になる話だったりもして(北島マヤと一緒ね)、ご興味があればぜひ、若いイケメンが死ぬ話だけど(ネタバレの重ね技)。

Me Before You

滞る高慢と偏見花椿/最近読んでる漫画の話

高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

キャラクターが多いのとその外国人の名前とキャラが結びつかず、登場人物紹介のページがあればわかりよいのに助かるのに、とちんたらちんたら読んでます。ダウントンアビーの100年前の話なのかな。まだまだ呑気な時代よね。

佐々大河「ふしぎの国のバード」

[まとめ買い] ふしぎの国のバード(ビームコミックス(ハルタ))
19世紀に実在したイギリスの女性冒険家イザベラ・バードの著書『日本奥地紀行』をベースに描かれた漫画。「逝きし世の面影」を読んだことがある方ならばぜひ。イザベラ・バードは、横浜・東京・日光・会津・新潟と抜けて、蝦夷地を目指します。日光から会津へ抜ける街道は情報が少なく、同伴の日本人通訳伊藤鶴吉も「整備された三国街道もあるのに」とあまり行きたがらない。「でもそっちのルートはもう踏破した(外国)人がいるし」と会津の道を譲らない。彼らは恐る恐る足を踏み入れていくのだが・・・

で、でですね、この日光・会津のルートって、日光鬼怒川線と会津鉄道の路線のあたりのことを指すのでしょうかね。バードたちはそこから会津若松を経由して、阿賀川で船で下っていく。お話は戊辰戦争の10年後あたりですが、当時の彼の地はこんな暮らしだったのかと読んでいて涙が滲みましたよ。
関係ないけど、そろそろ会津鉄道の芦ノ牧温泉に行かねば! らぶ駅長に会わねば! 芦ノ牧温泉は長毛種猫駅長が常駐していますが、あれは駅舎という名のツンデレ猫カフェです。

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

おかざき真里「阿・吽」

[まとめ買い] 阿・吽(ビッグコミックス)
キラキラ平安仏教大戦物語。華やかな絵柄で描かれる最澄と空海の物語。絵がキラッキラで目がまぶしい。なお女性の体がほうまんです。
以前、テレビでおかざき真里さんが宗教美術かなにかの番組に出てらして、「こんなふんわりした美人で、3児の母で、バリバリの人気漫画家で!!なんたるなんたる!」とおののいたものですが、聞けば美大卒・博報堂出身でキラキラ人材ではないですか・・・。
最澄の悲劇というか不運というかは、子供の頃読んだ伝記でうっすらと覚えていて、それが大人になって(というか中年になって)、こんな華やかな絵面で邂逅することになるとは・・・と喜び楽しんでいるところです。おかざき真里さんという作家さんを知ってはいたのですが、読んだのは今回が初めてで、↓続く。

おかざき真里「サプリ」

サプリ全11巻完結セット
その流れで、こちらも一気読み。今月中でしたら、こちらの漫画配信サイトで全話読めます。広告代理店で働く女性の物語。おぉぉぉ。彼女たちのすんげえ体力。。プレゼンプレゼン再プレゼン・・・。徹夜徹夜徹夜・・・。「いくらでも無理言っていいんでしょ?」というクライアントと、バブルのときに好き勝手したおじちゃま世代との軋轢・・・・でもお金はある、お金はあるけど使い所はない。しかし、この泥沼で溺れてなるものかと、なにかにしがみついて生きていく。
みんなこういう漫画を適齢期に読んで、正しい女子力を磨いていたのか・・・私がベルセルクとか読んで「うぉぉぉぉーピピンー、そこで死ぬなあぁぁあ」とか叫んでいる間に・・・・いろいろ失敗した・・・・。

吉田秋生「海街ダイアリー」

海街diary 7 あの日の青空 (フラワーコミックス)
うまいなー。名作だなー。鎌倉住みたくなるなー。
今年の目標のひとつに、鎌倉や千葉のひっそりしたエアビーアンドビーで一週間くらい滞在するというものがあります。Wi-Fiバリバリ&猫連れ込み可だと尚いいな。液晶モニタも持っていきたい。液晶モニタを持ち運べる時代よ、早く来い!

井田ヒロト「おまえはまだグンマを知らない」

お前はまだグンマを知らない 1巻【期間限定 無料お試し版】 (バンチコミックス)
痛快爆笑郷土愛コミック。噂では「群馬ではワンピースよりも売れている」という本作品、熱い絵柄で描かれる暑っ苦しい群馬愛。キャラクターもかわいいよ☆ 上毛かるたの秘密も暴かれていたりします。これを読んだら「元日の実業団駅伝は見どころがない」なんて言えなくなるわ、だって群馬のからっ風の表現が・・。

 

今朝、お洗濯しながら、昔、いいなーと思ってた年上の人のことをふっと思い出し、ちょっと指折り数えてみたら「あぁっ? あの人、もう来年還暦じゃん!!!」とおのろいた次第です・・・いやー、思えば遠くへきたもんです・・・・

お育ちの良き人々と梅の庭/国立劇場近松門左衛門祭り「平家女護島」

人形浄瑠璃文楽名演集 近江源氏先陣館・平家女護島 [DVD]

お友達が「急用できた!代打お願いします!」と譲ってくれたチケットで。文楽見るのなんて何年ぶりかしらー。11時に始まって14時に終わるって、一体どんな演目なのかしらー、と事前知識ゼロで行ってきました。あぁ楽しかった!

現在、国立劇場では「国立劇場開場50周年記念」として『近松名作集』というテーマで興行してるざんす。第一部は平清盛と平氏打倒を企てた俊寛との一連のやり取りを描いた「六波羅の段」「鬼界が島の段」「舟路の道行より敷名の浦の段」の三部作。第二部は「曾根崎心中(そねざきしんじゅう)」、第三部は「冥途の飛脚」。どれもよく知られている名作ぞろいですが、わたくしが観賞したのは第一部の「平清盛祭り」。

「六波羅の段」は着席後15分で、ヒロインであるところの俊寛の奥様が自害して、ぎゃー! その数分後に奥様の首がかっ切られて再びぎゃー! 「清盛様ー、俊寛の嫁はあんたになびくといってますぜ」「ほんとか?でかした?嫁はどこ?」「これだよ」と奥様の首をゴロンと投げつけてぎゃー! そんな清盛邸に遅れてやってきた助っ人有王丸が派手に暴れてぎゃー! 「俺は、俺は、強かですたい!」と啖呵を切るが、能登守教経に「黙れ糞ガキ!」と一蹴されて終了。そこまでで30分。ザ急展開! そして30分の休憩。ザッツ急展開!!!

「鬼界が島の段」はその俊寛の流刑地でのお話。流刑地で寂しく惨めに暮らしている俊寛たちのもとに、都から恩赦を知らせる船がやってくるが・・・というお話。俊寛のお人形は大変にイケメンでした、線の細い関羽のようでとても魅力的。派手な舞台廻りのラストシーンではらはらと涙を。あんな切ない人形浄瑠璃ってなくってよ。

「舟路の道行より敷名の浦の段」はその恩赦の船が瀬戸内海に入ってからどういう運命をたどるかというお話。清盛と一緒の船に乗っていた瀬戸内寂聴似のお顔の後白河法皇がざぶんと海に飛び込みます。えぇ、黒子の方が放り投げるのが見えました。あわわと見ていると、それを救おうと鬼界ヶ島から一緒にやってきた海士の娘が海に飛び込みます。あわわ。法皇、海に流されていきます、どんぶらこっこ。船上の清盛は、邪魔な海士の娘が法皇を助けるのを阻止するため長い獲物で頭を押さえつけます、平たくいうと溺れさせています。あぁなんて極悪非道! なんて生き生きとした人形たちの動きなんでしょう! そんな非情なことをやり続けた清盛も、最後には精神に異常を来し、このあとの彼の運命がろくでもないものを示唆しながら物語は終わるのでした。

「敷名の浦の段」は太夫も三味線もノリノリでよござんした。ゴクリ。なまはげ祭りの生太鼓演奏会ってくらいの迫力でした。堪能しましたわ。3時間も見続けていると、舞台の上で動いているのは人形じゃなく、ああいうサイズの妖精たちではないかと思えてくるから不思議よね。繰り出される日本語がリズミカルで、日本人の言語感覚って近松門左衛門を素地にしてるところが多いんだろうなとうっとりしたり。

 

土曜日の国立劇場はなんというか、良きお召し物の紳士淑女が多ござぁして、平河町のエキゾチックレザー祭り会場でもありました。着物の方も多いんだけど、ダウンとかシルクの軽いコートじゃなくて、カシミヤとかウール、ツイードのしっとりした素材の上着を着ていらっしゃる方が多くてのぅ。「おばあちゃまが買ってくれたロエベのバッグなんです」なんかを提げてる方とかねぇ(鞄病)(私くらいの鞄病になると、ロエベ/アマゾナ/28cm/スエード/ダークブラウンで、その方のことを記憶しちゃうからねぇ)。

チケットありがとうございましたー! 堪能いたしました!