冬温泉女の一生眺めをり/平成で生まれ平成で子をなして

子の無い人生

 

温泉にいきますと、「うっわー若いお嬢さんの裸ってほんとうに光り輝いてる・・・」と拝んでしまいますし、「うっわー幾星霜重ねたおばあちゃんのおっぱいってなんであんなに白くなるのかしら」とやっぱり拝みたくなりますよね。私は常に拝んでます。おばちゃんになると、こんなに周囲のことが目に入らなくなるのかとか、太ってしまうとあんなふうに体に皺が入るのかとか、本当に勉強になりますよ。

さて、夕方の空にあがってきた月を眺めつつ露天風呂に浸かっておりましたら、なんだか若いお嬢さんが大量にやってくる。二十歳から二十五歳ってところなんだけど、学生じゃないのよ、なんとなくそれはわかるのよ。小さいお子さん連れてるしっかりしてそうな若い若いママもいる。「ただでこんなとここれてラッキーだねー」「毎月二千円積み立ててるからただじゃないよー」「でもただっぽい!」「わかるわかる」などとキャッキャウフフと話してる、光り輝く体を夜のお風呂に浮かばせながらそんなお話をしてる。ふむ、社員旅行なのかな、連休の最終日に一泊二日の温泉旅行。温泉施設的には繁忙期をすぎた切り盛りしやすいタイミング、真夏に沖縄に連れて行くよりはかなり安く済む、そして毎月二千円、一年で24,000円、会社の補助金が一人最大20,000円? もしかしたら10,000円で済むかも? 明日は箱根観光して地元に戻って解散? あらー、いまどきほっこりしたホワイト企業なのねぇー、しかし入ってくる女子入ってくる女子、全員若いなー、などと考えながら頭の中で電卓はじいておりました。

お風呂をあがってホテルのエントランスに出てみたらその社員旅行軍団と一緒になった。みんな二十代前半。男の子といってもいいくらいのあどけない子もいる。浴衣がきちんと着られてなくて、でもつやっつやのぷりっぷりの二十歳そこそこの若いママを伴って赤ちゃんと三歳児連れてて、人生の回転が早いひとたち。どこかの建設会社さんの御一行だったようで、もう眩しい、とてもまぶしい。昨日、「平成が来年で終わる」というニュースが流れましたが、彼らは平成で生まれて平成で子を成し平成で住宅ローンを組み始めたりするのだろう。まぶしい! 彼らの光り輝く人生が本当にまぶしい! 

帰り道、昔●●ちゃんと箱根の日帰り温泉きたよねーと記憶を辿ったんだけど、下手するとこの社員旅行の子たちが生まれたときだったりしないかしら! 私はこの20年の間、猫とキャッキャウフフする以外に一体なにをしてきたのか・・・・。そんな思いで呆然とした日帰り温泉紀行でございましたことよ。

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