日脚伸ぶ良きこともありギックリー／ゆうちょ銀行の送金限度額の落とし穴

腰痛サポーターになぜセクシー女性！！！　

ギックリーになってよいこともありますの。他者への思いやりの泉がこんこんと湧き出したりしてますし、『あぁん、ゆうちょ銀行のロビーの椅子はふかふかすぎて腰痛キラーじゃないですか』とか、『あぁん？　ゆうちょ銀行のＡＴＭからの送金は一日５０万が限度ですって、印鑑なんて持ち合わせてないわよ！』、『あぁん？　印鑑がなくても限度額変えられるの？　じゃ、変えましょうか』、『あぁん？　印鑑がないから訂正印が押せないぃ？　だったら一昨日出直すわよ、バーカバーカバーカ！　ふえええん！』、といった公共の場で気づきを得たりすることもできるのですから、たまには腰痛になるのも悪くないのですよ。

ほぼ４８時間寝たきりだったので、病気で寝たきりだった母親の辛さがいまになって身にしみたりもした。お母さん、辛かったね、寝たきりの間、つまんなかったよね。私にはKindle アンリミテッドがあって、この４８時間で６０冊も漫画やらなにやら読みふけったけど、母親にはそんなのものなかったよね。毎晩毎晩モーラステープを母親の背中に貼ったけど、母の痛みに対してあれが一体なんの役に立ったのでしょうか。私のギックリーにはまったく効いてないように感じられましたが、母には多少は効いていたと信じたい。

わたくし、いま、とても優しいと思います。アガペー・ウカやんと呼んでください。おばあちゃんたちが小股ですり足で歩く理由もわかりました、あれは腰が痛いからだったんですね。おばあちゃんたちが椅子に座ったり立ったりがゆっくりと慎重な動きをする理由もわかりました。あれも腰が痛いからだったんですね。わかりますわかります。

そして腰痛の反動でよいことも。急激な動作ができなくなっているので、ひとつひとつの動作が大変に優雅でおしとやかになっています。擬音が立つほどの勢いで屈むこともないし、風が起きるほどのいきなりな動作が減ります。あぁ私の人生に必要だったのはこのワンクッションだったんだ、と実感するくらい。
公共の乗物で動作が大きいおじさまとか見かけますでしょ？　座るのに「ドサっ」と音を立て、伺うこともせず背もたれを「バコン」と深く倒し、立ち上がるときは前の座席の背もたれ部分を「ぎゅっ」と強い力で引っ張るような人。私のなかで「それは土人動作ですね」と見なしているもののひとつですが、そういういきなりな動作の人って、あまり近寄りたくないわよね。土人動作のもうひとつは、公衆浴場で自分が使った洗い桶にお湯を溜めたまま退出する人、ちゃんとひっくり返していきなさいよ、バーカバーカバーカ！　そういう人たちも腰痛になって、いきなりな動作をしないようになればいいのに！　バーカバーカバーカ！　

転んでもただでは起きない、梵天丸もかくありたい。そうギックリーからでも人は教訓を得ることができるのです！　次に人が「ギックリ腰やっちゃって」といったら、心の底から優しく理解してあげることができると思いますわ。皆様もどうぞお大事に！　私の中では今回のギックリーは大事件でした、日記に太字で書きたくなるくらいの。