センバツはタイニー野球大会で/今年の21世紀枠対決小豆島対釜石が爽やかすぎて!


機内からみた小豆島。

春のセンバツってきゅっとした日程で、きゅっとした出場校数で、見ていてハラハラするほどの熱暑でもないし、今年からはバックネットに腹の出たおっさんたちじゃなく、目がキラキラした小さな野球選手たちが箱詰めのチョコレートみたいにきゅきゅっと並んでいて、自分が球場に足を運ぶには花粉症などもあり大変躊躇いたしますが、第一試合から決勝戦まで集中力途切れることなく見続けることができてよいわねぇ。

今年は高松商業を追っていました。高校野球といったら中国四国地方が暗躍しなくてはいけないんですよぅー、それがなんですか、最近は早々に姿を消すことが多く心配! 広島とか愛媛とかもっと強かったじゃないですかー! もっと強いところを見せとくれ! そう思っていたところ、昨年の明治神宮野球大会で優勝した高松商業が決勝まで残ったのは、しっかり実力を発揮できたようでよかったです。

高松商業は、1924年(大正13年!)に開催された第一回選抜高等学校野球大会の優勝校。1960年(昭和35年、前年が伊勢湾台風だ)32回大会でも優勝しています。世代的になんのつながりがなくても伝統校と言われちゃう高校です。対する智弁学園は、「智弁和歌山のジョックロックはいつ聞いても最高だ!」などとツイッターで多くの人に書き込まれ、違う違う、和歌山じゃなくて智弁学園、奈良県のほうー! 出場回数多いけどいつも上位に残らなくて、でも智弁和歌山ほどキャラクターが立ってないほうー! 高松商業も智辯学園もチャンステーマがジョックロックで、昨日の決勝戦はどちらのチャンスかわからないくらいジョックロック演奏しまくりで、聞いてて目頭が何度も熱くなりましたよ。

今年の大会は、くじ引きでうっかり21世紀枠対決になってしまった3月21日に開催された小豆島VS釜石戦が、私にとってはすべてでございました。小豆島のキャプテンが今大会の選手宣誓を行い、「あらっ、平成も28年になると丸坊主じゃない高校球児が登場してくるのね」と監督に興味を持ったら、なんというか早く漫画化したり映画化しちゃったほうがいいですよ、というプロフィールの方でした。

小豆島高校杉吉監督(32歳)とはっ!
香川県丸亀高校出身、監督自身も春夏連続で甲子園に出場しますが、勝ち上がることはできませんでした。その土地が名前になっているシンプルな高校や大学というのは基本的に頭もよくてスポーツもできるものですが、杉吉監督の丸亀高校もそういうタイプの学校で、彼は慶応大学に現役合格し、慶応野球部に入部、大学野球でも活躍しリーグ優勝も経験します。大学卒業後都銀に入行するものの、高校野球への思いが断ち切れず地元の高校教師にジョブチェンジ! えぇー都銀のっ、年収一千万コースをっ、断ち切ってっ、ジョブチェンジっ! 香川県の教諭となった彼は小豆島高校に着任し、野球部監督に。2012年に県大会で優勝するという快挙を成し遂げ、チームを強化し、このセンバツに出場したのです。

この快挙に沸いた島中の人たちがピストン輸送で甲子園にやってきて、スタンドを真っ赤に埋め尽くし爽やかで大音量の応援をし、小豆島高校は大会の応援団賞最優秀校に選ばれました。おろろーん。もう早く映画化してください! ちなみに応援優秀校には釜石(岩手)も選ばれています。んもう、こんなところまで似ちゃって仲いいんだからー! 

そして岩手の釜石高校佐々木監督(31歳)とはっ!
釜石高校は、2008年に釜石南と釜石北が統合してできた高校。そういう意味では小豆島のちょっと先行く展開の学校。こちらも学校名がシンプル=優秀な学校ということでスーパーサイエンスハイスクールに指定されている岩手県内の進学校。釜石高校は東日本大震災で甚大な被害を受け、自宅が全半壊になってしまった生徒、親族が行方不明なままの生徒、いまも仮設住宅から学校に通う生徒もいます。
佐々木監督は釜石高校・東北大学出身で2015年から監督に就任。監督のご自宅も津波で流されてしまったそうです。今回は「釜石高校の歴史を変えたい」と意気込み、甲子園までやってきました。

なんというか、同じ21世紀枠、同じ年代の監督、統廃合する学校・した学校、釜石高校の生徒たちのほうが身体が大きいようでしたが、なんとなく似たもの同士に見えたこの試合、こんなスコアになりました。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
小 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
釜 0 0 1 0 0 0 0 1 X 2

あぁー、あの9回表・・・・あの9回表・・・・。1点取れてよかったけど、あぁあの9回表! 近い将来にこの監督二人の姿をまた見たいものですじゃ。

今大会は組み合わせの際の力のバランスがよかったのか1点差で終わった試合が非常に多ございました。「おねがい、早くこの公開処刑、やめてあげて」という試合は少のうございましたね。でも決勝戦ともなると、カーリングと一緒で、後攻のが断然有利だし、とはいえミスしたほうが負けなのよね。同点で進んだ延長戦、ハラハラとラジオ聞いていましたが、高松商業の危機にラジオを消し、仕事部屋を出てリビングのテレビのスイッチを入れた瞬間、後攻の智弁の子がホームインした姿が映し出され、私は床にがくりと膝をつきましたよ、がくりと。そしてそのあと猫になんでか太ももを噛まれました。なぜ君は、自分の顎で噛みきれないものに噛みつくのかね? ん? んん?

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
高 0 0 0 0 0 0 0 1 0  0  0  1
智 0 1 0 0 0 0 0 0 0  0 1X  2

さて、その小豆島、過疎と高齢化が進み、Uターン・Iターンを歓迎しています昭和5年築のこのおうち賃貸で月5万ですって!!! トイレを簡易水洗にするだけでも居住者が増えそうな気がするんだけど、どうかな、大変だけどね。小豆島の観光サイトかわいいです。 むかし美術のなんとかを見にいったことあるな、小豆島。二十四の瞳の舞台でだよな、小豆島。そうめんとオリーブオイルの小豆島! センバツ高校をきっかけに急激に盛り上がる小豆島への興味! まぁでも私の実家のまわりも高齢化が進んでるので、他の府県に移住することはないんですけれども。

これ読んだら絶対泣くな・・・。
二十四の瞳 (角川文庫)

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