鬱を得て鬱を散じて消費社会/町田康「バイ貝」

バイ貝

あらすじはAmazonから抜粋。
物を買い、使う。買い、使う。今を生きるには、飽くなき消費を続けるしかないのだろうか。溜まりゆく鬱を散ずるため私はホームセンターに向かった。超言語激烈文芸作品。

自分の中に貯金されていく鬱を散じるためホームセンターに行き草刈鎌を買う、使う、それでも鬱は散じることがない、では中華鍋ではどうだろう、これでもダメだ、それではスポーツという趣味を持ってみたら、いや、なんか違う、あ、じゃぁ写真はどうだろう、写真!、などと、消費に消費を重ねてみるものの一向に鬱は散じてくれない、うがぁぁぁぁー、消費社会っていやぁぁぁぁ! 

後半、ずーっと、ニヤニヤニヤニヤしながら読んでおりまして、このニヤニヤニヤニヤしたくなる文体と、ふんわりしたソフトカバーの装丁が非常に相性がよく大変愉快なニヤニヤタイムを数時間味わうことができました。ニヤニヤ。

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