香港版iPhone5でえらい目に/SIMフリー端末がキャリア情報アップデートでモバイル通信機能が起動しなくなった話

話せば長くなるんですが、一応歴史の流れをお伝えしておきます。

遡ること2000年代後半、わたくしは日本通信の格安データ通信カードを使っておりました。いまほど通信制限量などにうるさい時代ではなく、規約には「動画は見られません、FTPなども使えません」と記載されておりましたが、実際は通信プロトコルによって制限されている様子はなく、自宅のPCと同じように自由に使えておりました。そこに2011年の3月の大地震です。日本全体で通信量が増大したからでしょうか、突然FTPが使えなくなったのです。おぅこれは困る、仕事に支障が! というわけで、docomoのxiのデータ通信カードを使い始めたのです。USBでPCに挿して使うやつですね。

docomo L-03D ホワイト

とかいっているうちにiPhoneが出現。テザリングで携帯電話みたいなものがルータとして使える時代に。しかし日本国内ではまだSIMフリー端末は売られておらず、香港で買ってきたSIMロックフリーのiPhone4を購入してきて、docomoのxiカードを入れて使うように。そう、わたしのiPhoneは、ルータとして使われているのです!
まだSIMカードがマイクロでない時代の話です。そして2013年1月、円高の正月に香港でiPhone5を買ってきて、3月にxiカードをお引っ越し。それから3年(ずっと4年だと勘違いしてました)使ってきました。円高とはいえ、当時香港で89000円くらいした記憶があるでよ、消費税のない国なのに! ちなみに今では35000円前後。ここまでが本編の前フリです。

一昨日の夜中、iPhoneのホーム画面に見慣れぬ「新しいキャリア情報が使えます」などといった文面が表示されました。「iOsがアップデートできますよ」と同じデザインのダイアログです。「こんなの初めて見たわー」と思いながら何の気なしに「OK」ボタンを押してしまい悲劇はそこから始まった。その瞬間は気が付かなかったのですが、翌朝、Wi-Fiのない環境からiPhoneを使おうとすると「モバイル通信機能が起動しません」のメッセージが。パードン? docomoの電波はバッチリ掴んでいるのに、これは一体なに? 海外から帰ってきて現地のSIMカードを入れっぱなしだったりするときにこんな目にあったりしたような記憶があるなーと不審に思いながらも、会議後、赤坂見附のドコモショップに。客先を出たらちょっとした豪雨でコンビニで傘を書い、10分ほど歩くうちに雨脚が弱まってきて、早くも買った傘が無駄になりそうになり、「なんだか冴えない一日になりそうねー」と予感してしまったのですが、ここからがロード・オブ・ザ・ドコモの物語のお話です。

赤坂見附のdocomo ショップで

午後2時。「昨夜、キャリア情報アップデートしてというダイアログが出て、それをオンにしてから繋がらなくなってしまったんですが」と相談する。担当は同世代の女性。「電源を入れ直してよいですか?」「SIMカードを挿入し直してよいですか?」というAppleのFAQにある対応を一通り済ませたがつながらない。「新しいSIMカードにしてみましょう」と無料で入れ直してくれた。それでもつながらない。「ネットワーク設定をリセットしましょう」。これでもやっぱりつながらない。そこで出た結論は、「どうもiOSに問題があるような。Apple Store に行かれてみてはいかがでしょう」。うーんそうなのかなー、キャリア情報の件はどうなってますのん。「隣のビッグカメラのApple修理センターもあるのでそこを覗いてみてもよいかも」、というわけで次はビッグカメラへ。

ビッグカメラで

午後3時。カウンターで男性店員さんが「修理のご相談ですか?ここで番号札をお取り下さいー」「あうあう、わたし、iPhone5なんでs」「こちらでお待ちくださーい」。待つこと30分、ようやく呼ばれて端末を見せた瞬間、「あ、iPhone5ですかー。iPhone5はうちは代替機とか用意できないこともあってサポートしてないんですよー。銀座のアップルストアに行かれたらどうですか?」

 がっでむ!!!!
 
 それは先に言えよ!!!!

銀座アップルストアで

午後4時半。折しもiPhone7の発売日。ここは一体どこの国なんでしょうという多国籍&大混雑の店頭の人混みをかきわけてジーニアスバーへ。予約してないと無理だとは理解していたけれどダメ元で「あのぅ予約してないんですけど」とスタッフの方に声をかけると「予約してないんだったらどんな理由でも無理です。出直してください(原文ママ)」とピシャリと返された。わたし、店員さんにこんなに冷たい言葉を言われたこともないし、こんなに悲しい思いをしたことはないよぅ。

べそべそしながら2階の売り場へ移動。店員さんを捕まえて、SIMフリーの端末を見させてもらう。「実はこういうことがありまして、でも画面の感じを見ているとどう見てもなにかの設定ミスっぽい、しかしジーニアスバーは激混みで調べようがない。Appleが提供してる通信ができない場合の対策も全部試したがだめ。新端末買うしかないかと考えているところなんです」と話してみる。販売員さん若干親身になってくれたんだけど、「これはもう新しいの買っちゃいましょうよ」とグイグイ攻めてくる。iPhone7の発売により、今年の春出たiPhoneSEが税抜5万円以下に値下がりしてると知り、ぐらっと気持ちが傾く。一旦店を出て、これ買って入れ直してみようかしらとドトールで休憩しながら考える。ついでに銀座のWi-Fiつかまえてちょこっと仕事もする。

銀座アップルストア再び

午後5時50分。「新端末買って入れ直してみよう、そして快適な三連休を送るのだ!」と心に決めて再びアップルストアへ。さきほど接客してくれた店員さんを捕まえ、「購入するからあとで相手してください」と声をかける。さっきだって10分くらい話してくれたしねー成績上げたげたいじゃないですかー。

そしてその40分後、新端末をが手に入り「じゃ、僕がSIMカード入れ直しますね」とセットしてもらう。いくつか設定した後に「さっ、じゃ、接続しますねー」とWi-Fiを切断して、モバイル通信機能を起動させた。

 起動しなかった!

あのときの店員さんのお顔面白かった。ちょっと間が空いたのちアウアウしながら「お客さま、大丈夫です! うち正規店ですから! 2週間以内でしたら返品可能です! もちろん全額返金します! 銀座にドコモショップが2軒、有楽町に一軒所あります! 早くそちらに行ったほうがいいです! 8時までやってますよ!」とさささっと送り出してくれた。「ドコモショップの場所が思い出せーん!有楽町のしかわからーん!」と心の中で叫びながら、わたしは新端末が入った白いAppleの袋を下げて小走りにJR有楽町駅まで急ぐ。

docomo ショップ再び

午後6時50分。ドコモショップの受付で「この相談が修理か契約の見直しがわからないんですけど」とかんたんに事情を説明しようとしたが、女性スタッフさんが途中で遮り「修理ですね、90分待ちです」と待ち札を寄越した。90分経ったら営業時間終了してますやん、大丈夫かいな。

ルノアールで待つ

急ぎの仕事があったので、Wi-Fiが使える場所を探すと同じフロアに「1日1回3時間まで無料Wi-Fi使えます」という看板を出してあるルノアールが。素晴らしい!ルノアール!!地獄に仏とはこのことよ! カウンター席に着席してPC出して「Wi-Fiの使い方教えてくださいなっ」と店員さんにお願いすると、設定ガイドの用紙を渡してくれた。そこにはこのように書いてある。

 「QRコードで取得したメールアドレス宛に空メールを送ってゲストコードを取得してください」

だからデータ通信できないんだってばよーーーーーー! 
空メール送れないんだよぅぅぅぅーーーーーー! 

地獄に仏じゃなかったのかと落胆していたら、設定ガイドを渡してくれた女性店員さんが「つながりませんでしたか?」と声をかけてくれた。「いまiPhoneが使えなくて向かいのdocomoに行ってて、待ち時間の間に仕事しようかと思ったんだけど、空メールが送れる状態じゃなくって」とべそべそと答えた。「こんないい歳したおばさんがここまで落胆するとは・・・」という表情を明らかに見せた店員さんも一旦下がり、べそべそしながらコーヒー飲んでるとその女性がまた戻ってきた。「あのぅ、これ、ゲストコードです。使ってください」とメモを渡してくれた。

 ルノアールの天使やー。あんたぁルノアールの天使やで!

というわけで、新有楽町ビルのルノアールには天使がいるのでみなさんも覚えていておいてください。とかやってるうちにdocomoショップの閉店時間が近づいてきたので会計してまた移動。ありがとう、天使ちゃん、ルノアールのぷるぷるリップグロスの天使ちゃん、おばちゃん、あなたのこと忘れない。

新有楽町ビル ドコモショップにて

閉店時間後なのにまだ待っている客が数人ほど。ここで働く人達、残業代すごいんだろうなと思いながら待っていると、高良健吾を庶民的にしたような青年店員さんが担当してくれることに。「キャリア情報アップデートした」というところからここまでの一連の流れを、ルノアールの部分は割愛してお話した。

バックヤードに出たり入ったりを2回ほど繰り返して15分、「プロバイダの問題じゃないですかね?」とぼそりと。でしょ!? だよね? わたしとdocomoの間の問題だよね!? 「お客様の契約はmopera使ってるんですけど、おそらく昨夜のキャリア情報アップデートでmoperaが弾かれるようになっちゃったんじゃないでしょうか」、そう、mopera!、古い女でごめんなさい、「SPモードって聞いたことありますよね? 現在mopera単独になっているプロバイダ契約をSPモードを併用するかたちにすれば接続できると思うんですが」、やってやって!たぶん、それ、間違いなくそれ! またバックヤードに入り「いま、お客様の契約変えてきましたので」と戻ってきて「じゃ、やってみますね」と接続テスト。

 つながりました!!!! あんたぁdocomoの守護天使やでぇ!!!

ていうかさ、そのキャリアアップデートで「mopera切り捨てまっせー、頼んだでー」みたいな通知を先にしていてくれてたらね。どこかでそういう告知はあったのかもしれないけど、全然気が付かなかったわ。

「赤坂見附のお姉さんがこれに気がついてくれてたら半日無駄にせず済んだんだけどね」とチクチクネチネチぼやいたら、「うーん、これは・・どうですかねぇー、わかりますかねぇー」、まぁ同じdocomo店員さんとしては、そう言うしかないよねえー。

こんな事情で連休前の貴重な営業日の半日が潰れてしまったんだけど、一番許せないのはビッカメの店員さん。次に反省するのはSIMカード入替えたあとに別の原因究明できるように赤坂見附のドコモショップでもっと粘ってみてもよかったのかも。自分も女なのでこういうことはあまり言いたくないんだけど、赤坂見附で先に対応してくれたのが男性店員だったらもっと時間は節約できたかもしれない。残念、とても残念。

あと、全般的に、各所で感じたのですが・・・・

俺の話をきけえ・・・五分だけでもいい・・・・

ほんとうに・・・最初にちゃんとお話を聞いていてくれれば・・・・・

絵を描いて生きていく方法?

3 COMMENTS

いち

うわー、そんなことになってたんかいな!
それはそれは大変だったねえ……お疲れさまでした。
心から「お疲れさまでした」って肩たたきたい。

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シモムラ

うわあぁ。「出直してください」ですか。AppleStoreは相変わらずですね。
同じ内容でも言葉を選んでくれれば印象も違うのに。
大事なのはハイタッチじゃないよ!

本当にお疲れ様でした。

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ukasuga

うへええええーーんーー、ドコモのお姉さん!!! ドコモのおねえさーーん! 銀座には傷口に塩を塗り込める人がいるんですから、ドコモのおねえさん、しっかりしてくださいぃぃぃー。
新しいiPhoneは快適です☆

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