ヨコハマメリー

彼女のことが懐かしい
一澤帆布・その後
麻布十番に住む前は横浜の桜木町に住んでいたのだけど(といっても12年以上前なんだけど)、顔を白く塗り、いつもロングスカートを履いていたメリーさんを、馬車道や伊勢佐木町でよく見かけた。なんとなく「時代」のようなものを感じた。永瀬正敏の黄金町を舞台にした映画『濱マイクシリーズ』にも、メリーさんらしい役柄の人が出ていたと思う。
その彼女が95年頃から姿が見えなくなったんだそうだ。
あの界隈で暮らす人でも、彼女がいなくなったことに気がつくのには、ずいぶん時間がかかったのではないと思う。人がいなくなるというのは、そういうことだ。
このノスタルジーは、現地で彼女を見たことのある人にしかわからないと思う。私が横浜に住みはじめたころは、ランドマークタワーの建設が始まったところだった。私がメリーさんを見たのは、その時分の話です。
あの頃に比べるといろいろなことが変わった。近未来が突然やってきたような気がする。高層ビルも増えた(田町方向の赤いビルが邪魔! すっげー邪魔! あれがツインタワーになると聞いておぞましく思った)。
そして彼女はいなくなった。
時間を見つけてこの映画「ヨコハマメリー」を見に行こうかなと一瞬考えたのだけど、甘酸っぱい時代を思い出しそうなのでやっぱりやめとこうかなと考えたり。でもラストシーンが見てみたいし。むーん。

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