世田谷文学館 漫画家・森薫と入江亜季 展 ―ペン先が描く緻密なる世界―

入江亜季ファンの友人と、森薫ファンの私とで行ってきた。最寄り駅の芦花公園駅の周りにはなにもないらしいので、千歳烏山駅から行くのがおすすめ。少し歩くけど、気持ちの良い緑道と、鑑賞後に立ち寄るカフェもたくさんあってオススメです。

・一人で行くと流し見してしまうので友人と行くのが吉。
・お互いのファンとしての知識を補完しあえるので、できたら上↑の組み合わせで。
・すべて鑑賞し終えるのに2時間かかった。
・百回くらい「絵がうまい」と唸った。
・お二人のカラー原稿に修正の跡を見つけることができない。
・ほんとうに絵がうまい!

森薫さんは洞察力にも優れていて文章もとてもうまい。こういうことを考えているからこういう作品になるのかという彼女の意図が立体的にわかってくる。他の仕事をしても成功しただろうし、どの時代に生まれても腕一本で名を成すことができる方だと思う。入江亜季さんはさらさらさらりと描いているようで、しかし大変にドラマチックでセクシーでとにかくキラキラしている。透明度が高い。

森薫「乙嫁語り」の婿殿カルルクが、冬の間狩を学びに義兄の家に住み込みするエピソードがある。腕に鷹を乗せ、雪原を馬で走るシーンがとても好きで、雪原なので描き込みなんてまったくないのに。まったくないからこそ雪の白さと輝きが際立ってくる。そのエピソードの扉絵のカラー原稿を拝むことができ、しばらく見入ってしまった。絵がうまい。私だったら一日かけて模写してもここまで絶対描き込むことができない。これからも連載を長く健康に続けてほしい。

入江亜季「北北西に曇と往け」は三巻まで読んでいたんだけど、そこで止まっていた。この展覧会を見終わった日に続きを最新刊まで買った。こういう話になっていくのか! 未知高こわいんだけど? 突然山岸凉子の話になっちゃってない?! とりあえずアイスランド旅行貯金を始めることにしましたよ。

みなさまもぜひ~。大変に密度の濃い展覧会でございました。絵がうまいし、お話はもっとうまい。

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