3月のあれこれ/飴ちゃん買った事件などの巻

3月の概況

3月ずっと仕事していてびっくりするくらいお金を使わなかった。震災後以降、初めての低予算月間ではないですか! と思っていたんだけど、仕事を進めている間に、なにかでっかい飴ちゃんみたいなのがほしくなり、ついポチッとしてしまったので、プラマイゼロというかマイナスすごすご月間になってしまった。

しかし、ゴールドの高騰、長引く円安などを考慮すると、人生でこのあと何回気に入った色味の飴ちゃんに出会えるのかと考えてしまい、やはりこのタイミングで買ってよかった藍色飴ちゃん。夜中に私の顔をじっと見ている猫(そのあと人間の顎などありえない場所に噛みついたりするんだが)の瞳の色に似ている藍色飴ちゃん。ようこそ我が家へ。

映画「ブルータリスト」

「近代建築とアメリカの成り立ち」という映画かと思って見に行ったら、全然違った。物語の進捗87%くらいのところで物語がひっくり返り、「確かにアメリカの成り立ちといえば成り立ちだけどさぁ!!」と突っ込んだりもした。鑑賞したのは映画の日、鑑賞料金をお安くできたので差額でよい席にした。休憩時間にまわりを見回すと、結構な量の飲み物やお菓子を持ち込んでいる人がそこそこいてちょっと驚く。長い映画だから大目に見てあげたい。終わったら終電2本前の時間で、こんな夜中に地下鉄乗るのは久しぶりだった。

映画「アノーラ」

アカデミー賞が近づいていたので、候補作をガツガツと見ていた。そのうちの一作。なんて愛らしい物語だ! あのロシアからきた青年役にアカデミー賞助演男優賞を与えるべきではないでしょうかどうでしょうか! 裸になってがんばった若い女の子には、ついアカデミー賞主演女優賞を与えがちではありますが、さぁ一体どうなることか!

映画「ドリーム・シナリオ」

アリ・アスター監督の描く、中年男性に訪れたこれ以上ない悪夢の物語。SNSの奇妙な現象よりも、ニコラス・ケイジが演じる悲哀がいたたまれなくて辛すぎた。アマプラで。

映画「ハイキュー!!」

バレーボールの試合を見ているみたいだった。ほんとうに。「それタッチネット」とお茶の間で五輪の試合につっこむようにして、映画のバレーボールの試合に突っ込んでいた。客席に若いお嬢さん方があまりにも多く、劇場で見はぐってしまっていた。劇場でもっと集中して見てもよかったな。アマプラで。

映画「イコライザー ファイナル」

男はつらいよ・インターナショナル殺戮版。デンゼル・ワシントンの「イコライザー」。どうせまたうっかり訪れた土地でテロとかギャングの抗争に巻き込まれ、世直しして次の土地に行くんでしょーと思ったらそうだった。それはいい、それはいいんですよ、デンゼル・ワシントンなので。アマプラで。

エリック・ファーユ「長崎」

タイトルに惹かれ手に取ったが、なんと、わー、こんな話だったのかと、物語の進捗98%でガタリと椅子を立つところだった。水声社。まっすぐ突き進む、そして思いがけない扉に達する良作の中編に出会えてよかった。上品な装丁も物語にあっていて素晴らしかったです。

映画「舟を編む」

しみじみとよい物語。アマプラで。

映画「名もなき者」

ボブ・ディランの物語、ティモシー・シャラメで。これは憑依なのかモノマネなのかコスプレなのか、音楽に詳しくないのでわかりかねるのですが、まだご存命の方も多い物語を見やすくまとめてくださいました。そして演者たちが実際に演奏していると知り、ティモシー・シャラメなどは5年間役作りをしていたとも知った。さすがプロ。エドワード・ノートンの誠実なおじさんっぷりがとてもよかった。いいおじさんになっていた。

隣の席の小柄な女の子がものすごく真剣に見ているのが暗闇の中でも伝わってきて、エンドロールで彼女の大きなため息を耳にし、わかるわかる、おばちゃんわかるよぅと王騎将軍の顔で腕組みしたりした。明るくなってどんな子なんだろうと見てみたら、小学生の男の子でびっくりした。ひとりで来てひとりでさっと帰っていった。上級者!!

映画「阿修羅のごとく」

アマプラで。三津五郎がすごくいい。

映画「Flow」

ラトビアの若きアニメ監督ギンツ・ジルバロディスが低予算(といっても €3.5 million、5~6億。侍タイムスリッパーの制作費2600万ってほんとうにどういうことなのか心配になってくる!)で制作した人間のセリフゼロの長編アニメ。

人間のいない近未来はこれほどまでに静かで美しいのかと感動すら覚える。バカ犬がバカ犬でとてもいい。バカ犬軍団には柴犬も登場していて、いつの間にか世界中で愛されている犬種になったんだと思わされる。どの世界で暮らす柴犬もみな幸せでありますように(もちろん柴犬以外も)。音楽も素敵よ!

映画「教皇選挙」

珍しく日本のポスターが群を抜いて秀逸だと思う。本国のほうがダサい!! 

話題になっている作品なので多くは語りませんが、水も漏らさぬ、美しく完璧な映画でした。しかも大ドンデン返し付き! 音楽も素晴らしいですよ! 格調ある弦楽器が奏でる緊張と不穏の旋律!! 素晴らしい。劇伴のフォルカー・ベルテルマンのコンサートがあったらぜひ行ってみたい。ドイツの人なんだよなー。
本作は3月20日から全国107館で公開され初日4日間で128回の満席を記録するという、あまり見ないタイプの大記録を打ち立てました。私も公開二日目に満席の劇場で見ました。見ごたえのある映画でした。また韓国の方たちのファンアートがバンバンあがってきていて、みんな大好きベニテス枢機卿! やっぱり憎めないデデスコ枢機卿! 
まさかこの映画が日本で公開された年に本当にコンクラーベが行われることになるとは思っていなかったけど、いいタイミングで見ることができました。

アカデミー賞総括

・作品賞 ほんとにそれでいいのか? まぁいいけど!!
・監督賞 いいけど!いい映画だったけれども!!
・主演女優賞 若くてかわいい女の子が裸になってがんばったで賞!
・主演男優賞 この人がでたら主演男優賞与えるしかないじゃないですか賞!
・助演男優賞 中堅俳優が体当たりの演技をしたからあげま賞!
・脚色賞 教皇選挙、文句なし
・長編アニメ賞 Flow、他のを見ていないけど文句なし

来月もよい映画を!

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