今日届いたJMMから

日本の東北地方でも地震が発生しましたが、中国の四川省で起こった大地震から、約1ヶ月が経過しています。この間、日本の大手既成メディアは、さまざまな報道をしてきましたが、おもに「ミクロ」の視点によるものが多かったと思います。つまり、日本の救急援助隊や医療チームの活動、一人っ子である子どもを失くした親の悲しみ、自衛隊機の派遣の是非、堰止め湖の決壊のリスクなどさまざまですが、四川省だけで避難民の数が800万を超える、という「マクロ」の問題がほとんど報道されていないという印象を持ちました。
 800万人は異様な数です。ちなみにオーストリアの人口がだいたい800万人で、デンマークが500万強、スイスが700万強、というところです。帰還が始まる前、ほぼピーク時のアフガニスタン難民の総数がだいたい370万人と言われていました。ヨーロッパの中規模の国とほぼ同じくらいの避難民が発生している、という現状をまず把握する必要があると思われます。仮設住宅が足りないとか、テントが不足しているという報道はうんざりするほど流れていますが、そもそも100万人単位に必要な仮設住宅やテントなど、どうすれば確保できるのでしょうか。
 地震発生直後、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)がとりあえず1万1000張のテントを被災地に支給することになったというニュースがありました。これらのテントは最も急を要する被災者約6万人の仮設住居となるということでした。元UNHCRのカブール所長だった山本芳幸氏に聞いた話ですが、数千人規模の難民キャンプを準備する場合、まず簡易便所の設置が重要になるそうです。数千人が1日にどのくらいの量の糞便を排泄するかイメージできますか、と山本氏に言われて絶句した記憶があります。800万人の避難民の1日の排泄量と感染症リスクを考えるだけでも気が遠くなりますが、大手既成メディアはそんなことはまったく報じません。

以上、村上龍さんのコメントです。
昨夜、特急電車の中で座席ポケットに挟み込まれているJR東日本のカタログ通販誌をぱらぱらとめくりましたが、この夏こそは簡易トイレを買っておかないともしかして本当にやばいのではないかと思いました。
買おう!簡易トイレ!
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社会福祉法人東京コロニー

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