雛市やロシアの皿を僕は買う／モスクワからクラウドワークスまで

ロモノーソフ陶磁器ってありますやん。ロシア皇帝のために作られたロシアの大倉陶園みたいなところ。

綺麗なブルーと金の組み合わせが素敵な品々。日本で出回っているのはティーセットが多く、ですがわたくし、紅茶にはそんなに造詣深くないですし、収納に困る大きなティーポットも正直いりません。ティーポットなぞなくても、有田焼の急須で緑茶も紅茶も十分おいしくいただけます。でもあの華やかな器はほしい、白に藍色でさらにグォージャスな誂えだというならなおさらです。ティーセット以外でなにか使いやすいサイズがあったら、ぜひとも我が家に導入したいものですじゃ、と思っておりました、ある日、某所でこれらを取り扱っているのを知り、見てきました。そしてケーキ皿を２枚買ってきました。

これまでは柳宗理のケーキ皿を使っておりましたが、なんというか、こう、えぇ、いいんですよ、シンプル・イズ・ベスト、どんなケーキとも相性の良い薄くて平べったい優しい白磁のお皿、えぇ、シンプルでいいんです、いいんですけど、このお皿で食しているときいつも思うのです、「あのぅ、このチョコレートのケーキをもうちょっと華やかに彩ってくれないものでしょうか」「毎度毎度おなじ顔で、無印良品だけで仕立てた家で暮らす人みたいだねぇ、わるかないんだけど。スタバでマック広げて仕事してそうだねぇ、君は」「もうちょっと君に別の要素を足すことはできないのかしら」「あ、イケアとか、そっちの方向を求めてるわけじゃないんです。ノリタケとか大倉陶園のような新婚さんいらっしゃーいな引き出物みたいな感じでも困るのよ」「ほんのちょっとテンションあげる方向に振れてほしいのよ」などと。で、２枚、買ってきました。うふふふふふふ。

友達に見せたら「鯉のぼりみたいで勇壮だね！」とか「ニョロニョロのお花畑みたい！」という褒め言葉をいただきました。えーと、そうだっけ、そういうコンセプトで買い求めたんだっけ？　まぁよい、他人の評価など気にすまい。私の実家にはそろそろ５０年になろうという器がゴロゴロしてますもん、このお皿も私が死ぬまで使うんだろうなー。そのときには姪っ子がもらってくれるかしらね。もらってくれると嬉しいわね。

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商品を包んでもらっている際、売り場の方とちょっと話をしてみました。
「インターネットの人たちが怖いんです、写真寄越せ、綺麗な写真をね、背景白抜きでね、俺らがネットで売ってやる、売れたらそっちで梱包して配送してねって、あがりは振り込んでやるからさ、って勝手にルールを決めてメールしてくるんです。なんであんなに勝手なんでしょうか。自分で輸入してみなさいよって社長がよく言ってるんですぅー」
ほんとうですよね・・・。他にもっと友好的なやり方はあるのにね。

写真の無断転載って、本当にどうにかならないのかしら。私も同じ経験があります。ある商品の画像を検索していたら、某ショップの写真と文章とCSSがまるごとコピペされているサイトにぶちあたって暗澹たる思いになりました。しかも某ショップの値段より２割安い、お金と個人情報だけいただくけど、商品は送ってこないんじゃねぇの？　でも「あらっ、楽天で見たのより２割も安ーい。こっちで買おう！」ってユーザーがいてもおかしくないよね。ぜったい商品届かねえっつの。そのお店の住所は渋谷になってたけど、渋谷にその番地ないっつの、グーグルマップに出てくるのはそこに近いラーメン屋さんだっつの。

クラウドワークスも、ちらっと覗いたけど搾取事案だらけ。発注側は主婦が在宅でお小遣い稼げてラッキーでしょと思っているのかもしれないけど、結構こういう案件が転がってますよ？　

『eBay輸出やってます、こちらが指定した商品のホームページから文章と写真を丸パクリしてください、パクった写真には自社のロゴを入れてください、丸パクリした日本語を英語に翻訳してください、CSVで登録してください、初回１００件から、単価は１件２０円です、がんばってください』

算数ができないのかな・・・。これやる人、１日何時間持ってるのかしら？　この仕事をこなすには、１秒が15分ほどに感じられるブラックホールみたいな時空でやらないとまったく折り合わないんじゃないかしら。20万払って自動化ツール作ったほうが早いんじゃないの。
他には「クックパッドみたいなアプリ作ってください、３万円で！」「ランディングページ１枚作ってください。デザインの素案あります、一万円で！」とか、えぇーまじー君らの経済感覚すごいな。ネイルに一ヶ月２万円出せるのに、仕事してくれる人にきちんと対価払わないのかな、などと姿の見えぬ発注主のことをつい考えてしまいます。クラウドワークスの導入事業社のリスト見て『伊藤忠さんってこういう経費ケチるほど大変なの？』って思っちゃったよ。

いやぁ世知辛い、世知辛いったら世知辛い。そんな世の中ですが、ロシアのお皿で楽しいティータイムを★