今週の本と映画を見るのに忙しい／「ダム・マネー」「ゴールデンカムイ4DX」「落下の解剖学」など

概況

2/19-2/25　四ヶ月くらい悩んでいたお買い物を「えぇーい」っとポチッとしたら、売り手の人に「さーせん！この話なかったことに！」とキャンセルされてしまい、たいそう落ち込む。哀しみの木曜日。。

「人生の一大事はデータ科学にまかせろ！」

「人生だってマネー・ボールにできる！」から始まるアメリカ発の自己啓発本。「モテるには？　稼ぐには？　それなら幸せに過ごすということは？」と人生というものについて段階を追って解像度をあげていく。たとえば「子育ては親の遺伝に強く影響を受けているって思うんでしょ？　でも実は家庭の中の影響じゃないんだよな、それが」とか「若いうちに起業して成功するのは華々しくてみんなも憧れるけど、実際、起業して企業を存続させてるのは40過ぎのおっさんのほうが多いからね」とか。そして読者は、最後に、筆者が提示する幸せのかたちに驚くことでしょう、ギャフン！　あたい、海辺の街に引っ越すわ！！

「難しいことはわかりませんが、『がん』にならない方法を教えてください！」

人生百年というわりに、50代、60代の人がボコボコ死んでません？　山崎元さんも闘病されていたけど食道がんで６５歳で亡くなってしまった。山崎元さんはウイスキーをストレートで飲むのが好きな方だった。私もお酒を飲むし、女性の大腸がんも増えているというので、気になって読んでみた。

「がん」というものがどんな病気なのか、体にとってなぜ好ましくない状況なのかよくわかった。この書籍は2016年に出版されたもので「タバコはダメ、副流煙なんて有害物質の塊、タバコに近づくな、でも酒は百薬の長だから少しなら大丈夫だよ」理論。しかし、先週、「ビールロング缶1日1本で大腸がんの危険、厚生労働省がガイドライン公表」と報道され、Twitterのタイムラインがたいそうざわついた。本著のアップデート版を切に願います。

大腸がんは「男女とも１日２０グラム以上」、脳梗塞（こうそく）は「男性は１日４０グラム以上、女性は１１グラム以上」、高血圧は少量でも発症リスクが高まるとした。２０グラムはビール５００ミリ・リットル（ロング缶１本）、日本酒１合に相当する。

純アルコール（g）は飲んだ容量（ml）とアルコール度数とアルコールの比重0.8を掛け合わせて算出するとのこと。アサヒビールのサイトで計算式が用意されているので、気になる方はご利用ください。がん検診はこまめにしないとね、ね。

「ダム・マネー　ウォール街を狙え！」

2021年に個人投資家たちがコンピュータゲーム小売店GameStopの株価をつり上げた「ゲームストップ株騒動」を、ベン・メズリックのノンフィクション書籍を原作にクレイグ・ギレスピー監督で映画化。

テスラ vs ホンダ・アコード　ファイッツ！！　ヘッジファンドが空売りを仕掛けている弱小銘柄を個人投資家たちが買い集め、彼らに大損害を与えた2021年1月に起きた「GameStop short squeeze」をポール・ダノ主演で映画化したもの。
コロナ禍のアメリカの市井の暮らしが垣間見え、ポール・ダノ演じる「ローリングキャット（ハンドル名）」の呼びかけに応えるエッセンシャルワーカー、小売店販売員、大学生活ギリギリの女子大生たちなど、ブレイディみかこさんの言葉を使わせてもらうなら「地べたのひとたち」の姿がリアル。2016年の映画「マネー・ショート」（リーマン・ショックを見越して空売りをしかけ巨額の利益を得た人たちのお話）を見て「？？？」となった人は、あの答え合わせができます。俺たちのポール・ダノ、最高だぜ！！　ゼア・ウィル・ビー・株価ボカーン！！

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しかしここで、山崎元さんのご本から一文引用しなくてはなりません。

「資本主義経済は、リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている。」

株か不動産やらないと凡人にはまとまった金作れないって、人生のもっと早い段階で自覚すべきでした。あと程々のタイミングで利確もしておこうね、と。

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「連休だけど特にどこかに行くわけでもないし、なんだか寒いし、100分足らずの映画だし、よくわからないがウォール街ってでてくるくらいだから経済映画みたいだし、帰りに銀座でメシでも食えばいいか」という感じで特にポール・ダノに思い入れがある風でもなく劇場に足を運んだ中高年のご夫婦が非常に多かったのですが、あの旦那様たち、ネットミームの猫ちゃん画像とかポール・ダノがライブ配信のときに着ていたペラッペラの安っぽい猫Ｔシャツとかネット独特あの空気感とか伝わっているかしらどうかちら。まぁいいのか、たまにはご夫婦でデートしたという思い出ができたんだし、うむうむ。

「ゴールデンカムイ　4DX」

お友達と4DXでみてきた。二週間ぶり４回目のゴールデンカムイ。本作品の4DXはユナイテッドシネマかグランドシネマサンシャインで上映されているが、設備もあるにも関わらず配給元の東宝では上映がないという不思議編成。

昨年トップガンマーヴェリックの4DX上映の際には「全国に２館しかないDXとSCREENXを融合させた次世代体感型アトラクションシアター」のグランドシネマサンシャインが大変話題になった。でもチケットが取れなかったので、そのリベンジも兼ねてグランドシネマサンシャインへ。

私の4DX体験は東宝でのマッド・マックスとトップガンマーヴェリックのみ。前後左右に傾く４人掛けの座席で、水がバシャッとなってきたり、スモークが焚かれたりというものでしたが、グランドシネマサンシャインの椅子は前後左右に傾くだけでなく、シーソーみたいに上下に激しく動く。どのくらい激しいかというと、自分の髪がファッサファッサしちゃうくらい。いいぞ、とても過剰だ！！

二百三高地の戦場シーンは弾丸が飛び交い、山崎賢人の塹壕三角跳びシーンで躍動感を感じ、彼がねじ伏せるロシア兵の衝撃も味わいます。あれ、４ＤＸって主人公以外の動きも演出されるものだっけと見ていくと、他にもこんなシーンが４ＤＸってました。

・冒頭の北海道地図の金塊サラサラシーン
・アシリパさんがタシロを鞘に収める音
・「小樽（バーン！）」の文字の箇所
・牛山さんが女郎部屋であれこれしてるときに開けられる襖
・掘り起こされる竹千代（竹千代すでに死んでるのに！！）

その他、和田大尉のシーンでは冷風が吹いてきて冬の寒さが伝わってきたし、金塊強奪の雨のシーンではミストみたいなものが劇場全体に降ってきたように記憶している。こんなところまで４ＤＸするのか。格闘シーンもかなりやられてる感を味わうことができ大変満足！！　今後も４ＤＸ作品を見るなら、池袋に足を運ぼうと心に決めたのでした。

「感想戦をどこで・・」となったとき、東口はちょっと落ち着けそうにもなく、同行の友人が「知り合いが芸術劇場のカフェがいいっていってたよ」というので１５分歩いて西口に移動した。東京芸術劇場の二階のカフェで感想戦を。ある時間帯から急にお客さんが増え、舞台を見終わったご婦人たちの感想戦がそれぞれのテーブルで静かにしかし楽しそうに始まった。「都の西北のマダムたちはここに来ていたのか！」と発見の土曜日。

「落下の解剖学」

原題「Anatomie d’une chute」、英題「Anatomy of a Fall」。アカデミー賞作品賞にノミネートされているからいっちょみてみますか、といった顔つきの方が多かった。公開が始まったばかりなので、あまり映画の内容に踏み込めないのですが、

・犬が素晴らしい。パルムドッグ賞受賞してます。ほんとうに素晴らしい。
・グルノーブルから車で１～２時間といった感じの舞台となる山荘からの眺めが美しい。
・主演女優のドイツ人女優ザンドラ・ヒュラー（フラー）が凄まじい。
・そのワンちゃんはヒュラーの実際の飼い犬で、女優の家で暮らすと犬も芸達者になるのかと感服。
・主人公サンドラの弁護士を務めるサロン・アローがちょっとかっこいい。毎熊さんに似てる。
・物語が１０分進めば１０分進んだ分、真実が明るみになる展開にゾクゾクする。

異言語の法廷で孤独に戦う主人公の姿は、このグローバル社会で決して他人事ではないのではないだろうか。150分の映画だったけど、全然中だるみしなかった。面白かった。見終わってから、各所で映画評・監督インタビューなどをご覧になることをおすすめします。あとからじわじわくる映画でした。皆様も是非。

今週のほしいもの

本を何冊かと刺繍道具などを入れることができるご近所散歩用の防水のトートバッグがほしいです。形としては任天堂のピクミンミニトートが一番イメージに近いのですが、もうちょっと長く使えそうなデザインに昇華できないでしょうかどうでしょうか。素直にエルベシャプリエなどを買っておくべきでしょうか。