露人ワシコフ叫びて石榴打ち落とす　西東三鬼

『日本ナンダコリャこれくしょん　今度は俳句だ！』
http://www3.nhk.or.jp/hensei/program/p/20090123/001/21-0010.html
折り目正しい正統派が存在する一方で、思わず「ナンダコリャ！？」と叫びたくなる作品世界があり、それらを作り出す奇才たちがいる。季語を入れて五七五の十七音で詠む「有季定型」を決まりとし、日本の伝統文学の代表のようにいわれる俳句。しかし、評価の定まった名句にも“ナンダコリャ”なものがたくさんある。型破りな、あるいは奇想天外な古今の作品を各界著名人が持ち寄って句会を開き、俳句の魅力を再発見していく。
いとうせいこうさんが司会をやっているので、どうしてもテレ朝の番組『虎ノ門』っぽい感じではございますが、俳句って面白いなーと思わせる番組です。そろり会のみなさま、ごらんになってる？　昨年秋にやった番組の再放送みたいですね。自らの句を持ち寄るのではなく、俳人の句を持ち寄り、プレゼンするという催し。ゲスト陣も多彩でなかなか愉快。
私も俳句を習っているので、大変勉強になりました。私の俳句って、なんだか生真面目だなぁ。あまり先生に「川柳っぽいところや、キャッチコピーぽいところを除くように」とよく言われるんだけど、その真髄がちょっとわかった気分。
露人ワシコフっ！　吉田戦車さんにイラストを描いていただきたい。
今回持ち寄られた句の一部（最初のほうはタモリ倶楽部の空耳アワーを見るために見逃しました）
じゃんけんで負けて蛍に生まれたの　池田澄子（なぎら健壱選）
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落とす　西東三鬼（高橋源一郎選）
性格が八百屋お七でシクラメン 京極紀陽（假屋崎省吾選）
粉屋が哭く山を駈けおりてきた俺に　金子兜太（富士真奈美選）
法医学・桜・暗黒・父・自涜　寺山修司（箭内道彦選）
夜のダ・カボ ダ・カポのダ・カポ 噴火のダ・カポ　高柳重信（いとうせいこう選）
足の裏洗へば白くなる　尾崎放哉（大宮エリー）
ととととととととと脈アマリリス　中岡毅雄（箭内道彦選）
ワタナベのジュースの素です雲の峰　三宅やよい（高橋源一郎選）
噴水や戦後の男指やさし　寺田京子（富士真奈美選）
戦争が廊下の奥に立っていた　渡辺白泉（なぎら健壱選）
春は曙そろそろ帰ってくれないか　 櫂未知子（いとうせいこう選）
まっすぐな道でさみしい　種田山頭火（假屋崎省吾選）
鞦韆(しうせん)は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女（吉行和子選）
栃木にいろいろ雨のたましいもいたり　阿部完市（大宮エリー選）
魔がさして糸瓜となりぬどうもどうも　正木ゆう子（明川哲也選）
夏みかん酢っぱしいまさら純潔など　鈴木しづ子（南海キャンディーズ選）
今日の一句。

黒い服がうれしい瞬間の短さといったら。
白い長毛種と暮らすのは大変じゃよ。