あらすじはWikipedia から。
19世紀末のフランス、アルルのラコンブラード学院の寄宿舎で繰り広げられる、思春期の多感な少年達を中心とする物語。愛欲、嫉妬、友情など、さまざまな人々の想いが交錯するなか、運命に翻弄される2人の主人公、華麗なジルベールと誠実なセルジュの切ない愛が描かれる。
でですね、わたくし、この作品を今まで一度も読んだことがなかったのです。1976年(昭和51年)から1984年(昭和59年)まで、週刊少女コミックとプチフラワーにまたがって連載されたこの作品を読んだことがなかったのです。1976年って、ピンクレディーデビューとかApple創業とか武者小路実篤死去とか王貞治がベーブ・ルースを抜いたとかそういう時代なんですが(というか、ピンクレディーと武者小路実篤が同じ時代の空気吸っていたことに驚きなんですが)、全然読むことがなくここまできちゃったのです。
今年になって竹宮恵子さんが自伝「少年の名はジルベール」が出版され、それで初めて作品概要を知りましたが、ほほぅと思い、これは読まねば読まねばと思っていたところです。
もっというとジルベールという名前を知ったのは、よしながふみさんの「きのう何食べた?」で小日向さんが恋人の井上航くんを「ジルベール」と称している場面で、ジルベールってなに????と思ったくらい。
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この物語を、竹宮恵子さんは26歳の若さで描かれたのですか? 26歳の若さで、「娼婦たちのが生活のかかっているぶん 自分をみがいているのを知らないな」「ステッキ・・・帽子 羽根扇・・・ はでなショール 片方だけの手袋 娼婦の持ち物はどれも なんだかたよりない 日びの不安と 破れかぶれの明るさと」「欲しいものを 買わないなら 金なんて クソ食らえさ!」「女なんてみんな・・・・・・・・・ 自分のからっぽな部分を埋めてくれるものなら 何だっていいんだから」「女たちはきっと自由になっていくわ きゅうくつな服からも きゅうくつな家からも 開放されていくのよ」なんていうセリフを生み出すことができたのですか。凄まじい!
この作品を多感な時期に読んだほうがよかったのか、いろいろな他人の事情を思いやり持って見られるこの年代になって読んだのがよかったのか、さぁわかりませんが、ジルベールがかわいそうすぎる。西原理恵子さんのいう「田舎で美人に生まれると不幸になる」みたいな話の典型で、ほんとうにかわいそうすぎる。最終回のとき、2ちゃんねるやツイッターがあったら大変なことになったんでしょうけれども、当時は当時なりに当時のコミュニケーション手段で大変なことになったんでしょうね。
これからは井上航くんのことを、この人はジルベールだったんだ、うむと思って見つめることといたします。
私は小学生の時に「地球へ」を読んでいたので、自然と「風と木の詩」に流れたのですが、当時「パタリロ」等で同性愛の事も知り始めた矢先だったので、ショックというよりもこんなに苛烈な人生を歩む二人の少年の話しに夢中になりましたね。。一時期イギリスの美少年ブーム(モーリスとかあの辺り)とかこういう話が盛り上がる時期があるけど、今ではBLとして定着した感じですね。ただこれを越えるものは無いでしょうし、ほぼ同時期の萩尾望都の作品と並んで、日本の少年文学の金字塔かなと思いますわ。
私は萩尾望都から竹宮恵子への流れでした。
「地球へ」は親の見てるところでも
まあ読めますが、こっちはダメですね。
芸術作品ですよ、これは!
竹宮恵子と萩尾望都は古典として後世に残ると思う。