パーソナルベストを更新宝塚/宝塚花組好演 ミュージカル・ゴシック 『ポーの一族』 原作/萩尾望都 脚本・演出/小池 修一郎

今月のお楽しみはこの宝塚でしたが、本日おともだちと見てきました。なんて素晴らしくきらびやかな舞台装置、漫画独特の目まぐるしく変わる場面を鮮やかに切り替えていく回り舞台! 今回大活躍していた回り舞台は時間や空間の流れをも演出しており、巧みな演出の照明とともに、ちょっと目を見張る演出でした。漫画独特の間を、舞台設計で再現しきっちゃうなんて!

物語の最後には飛び道具も出てぎゃーん。あの空気はARな点描で描かれていたのではないでしょうかという舞台、時空を超えた長い物語をしっかりと表現する衣装、明日海りおさんの少年らしい動きの役作りっぷり、一分の乱れもない群舞、音楽も大げさでよござんした。あぁ、わたくし、すっかりよろめき婦人になってしまいました。

お話の筋はともかく(いえ、お話も素晴らしいんですよ)子供の頃から何度も目にしてみたあの美麗な世界が実写化されていることに目が奪われてしまい、たとえば自然な発色のカラーコンタクトやメイクの技術、自然なボリュームのエドガーのウィッグ、様々なメイクアップ技術が今回のエドガー像を支えているような気がしました。演者たちのわざとらしくない少年らしい仕草など、大変勉強されていたことと思います。本当に少女漫画から抜け出してきたようなスラッとした長身と長い脚、そして華奢な体! 
この器を持った人間と様々な技術が出会うことにより、30年待ってエドガーが立体化されるお膳立てができたのです。映画化の話が何度も持ち上がりつつも主演男優が見つからず頓挫し続けていたのが、エディ・レッドメインと出会うことにより素晴らしい作品となった「リリーのすべて」と同じではないでしょうか。どうでしょうか! ハフハフ! 

リリーのすべて (字幕版)

 

「ポーの一族」が終わった直後に、短いレビューの時間が挟み込まれます。男役の方々の年々巨大化するスワロフスキーをしっかり収めんと双眼鏡で凝視しておりましたら、柚香 光さんが「ズキューン☆」と拳銃撃つ真似をして、その姿をばっちりしっかりと捉えてしまい、私の心臓は止まりそうになり、またもやよろめき婦人に。あぁ私だけの007オープニングのような視界がそこにあったんですよ。バチコーン!!

 

早くユーリオンアイスも宝塚化してほしいと切に願いながらの三時間、こんな実写化がこの世にあったなんてと眼福ダダ漏れの夜となりました。楽しかった。この三時間のおかげで、ツヤッツヤですよ、いまのあたくし。うふふ。下手な色恋より効きますわね、宝塚ってば。

ポーの一族 復刻版 限定BOX: フラワーコミックススペシャル

1 COMMENT

ふなき

良い舞台だったようですね!!私も観劇の日を指折り数えております。
演出の小池先生が宝塚に入団された時から「いつかポーの一族を舞台化したい」と思い続け、萩尾先生に直談判を行い30年越しで上演を実現した作品なので、歌劇団挙げての力の入れようです。
今の花組の中では、ポーツネル男爵を演じる瀬戸かずや君を贔屓にしているのですが、彼の活躍も楽しみです。また語りましょう!!

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