瑠璃ちゃんの明日はどっち?花南天/野田彩子「潜熱」

潜熱 2 (ビッグコミックス)

野田彩子さんの「潜熱」。この方は、美しいキャラクターたちが飛び交う不思議な漫画を、繊細なタッチで描く方なんですよ。どえりゃー才能の方と思います。

不思議な巨乳美人「かおちゃん」が、運命の人「こうちゃん」と出会ったりはぐれたりまたであったりするお話。全2巻。

「この世界は、漫画だ!」と看破した主人公たちの葛藤のお話。メタがメタ呼ぶ全2巻。

「いかづち」→「わたしの」は「不思議な世界観」がある文脈でしっかりと引き継がれている漫画なんですが、この「潜熱」はちょっと違って現実社会と地続きのお話。ウブなおじょーさん「瑠璃さん」が好きになっちゃったのが自分の父親と同年代のヤクザ、という物語。

昨年のいまごろ、そう、こんな爽やかな季節に、足をバタつかせながら第一巻を読んで、今月ようやく2巻が出た。やっぱり今回も足をバタつかせて、「ひぃぃぃぃ、なーぜー、瑠璃ちゃーん! こっちに戻ってきてーーーー!!!」と叫びながらKindleを閉じました。

ヤクザの私服、、意外と普通でそこがまたぐっときた。あの年齢で、あの洋服をお召になることができるということは、漫画に描かれていない場所で鍛錬されているということでしょう、などと真剣に考察したりしました。

それにしても、ヤクザもコンテンツとして消費される時代なのかしら・・・昨今、美麗タッチのヤクザ漫画が増えたように思います。ほんとは作画:青木雄二みたいな世界のはずなのに、BLみたいな端正な絵柄のヤクザ漫画が! そんな中、最近ニヤニヤが止まらないヤクザ漫画はくらげバンチの「極主夫道」。オチがいつもきれいに決まっていて立派だと思います。

さて、潜熱、年一回以上のゆったりペースで刊行されているけれど、瑠璃ちゃんの明日はどっちかまたヤキモキして12ヶ月を過ごすことになるのかと思うと! みなさまもご興味ありましたらぜひー。いまはおもしろい漫画が引きも切らずに供給される恐ろしい時代ですね、饅頭こわい的な意味で。

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