アメリカのしてきたことを映画にし/クリント・イーストウッド監督作品「アメリカン・スナイパー」

アメリカン・スナイパー(字幕版)

AmazonPrimeVideoで。

あらすじは映画.comから。
「ミリオンダラー・ベイビー」「許されざる者」の名匠クリント・イーストウッドが、米軍史上最強とうたわれた狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝を映画化。
米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員クリス・カイルは、イラク戦争の際、その狙撃の腕前で多くの仲間を救い、「レジェンド」の異名をとる。しかし、同時にその存在は敵にも広く知られることとなり、クリスの首には懸賞金がかけられ、命を狙われる。数多くの敵兵の命を奪いながらも、遠く離れたアメリカにいる妻子に対して、良き夫であり良き父でありたいと願うクリスは、そのジレンマに苦しみながら、2003年から09年の間に4度にわたるイラク遠征を経験。過酷な戦場を生き延び妻子のもとへ帰還した後も、ぬぐえない心の傷に苦しむことになる。
イーストウッド監督とは初タッグのブラッドリー・クーパーが、主演兼プロデューサーを務めた。

制作費60億、興行収入550億(ざっくり計算)、イーストウッド監督にしてはお金かかってるぅ! でもあの戦場のロケを思うとご予算の編成がお上手な気もする。これはこれは、イーストウッド監督作品しては大変なお稼ぎ事案ではないですか。これを見てマイケル・ムーアは「射撃手なんて所詮後ろから狙うずるいやつじゃん(意訳)(というような人をヒーロー扱いしていいものか?)」とツイートしたり、ペイリンさんが「これが本物の国防よ!クリス・カイルのもとにみなひざまずくがいいわ!(意訳)(だから彼はヒーローなのよ)」とツイートしたりといろいろな物議を醸した本作品、いやいやいやみなさん、落ち着いて、この映画をちゃんと見てー、そういうお話じゃないですやん、落ち着いて-。

アメリカ軍がイラクの埃っぽい街の道路に面した民家のドアを蹴破れば、中は鮮やかな水色の壁紙と美しい織物のソファーが配された民間人が暮らす居心地良さそうなリビング。その部屋を無造作に突っ切り、精緻なデザインのタイルで飾られた階段を上り、屋上から変な動きをする通りのイラク人を片っ端から射殺していくわけです。
米軍と関わった家族は、みなイラク軍に殺され、アメリカ軍に殺されます。あんなに美しいインテリアのお部屋から一歩踏み出し米軍と関わったばかりに、ついさきほどまで厳しい食糧事情ながらもぎりぎり人がましく暮らせていた家を出て米軍と関わったばかりに、みな殺されてしまうのです。積極的に戦争に加担したおじさんも、その奥さんも、できることなら穏便に済ませたかったおじさんもその息子も、みな殺されてしまうのです。
アメリカ軍だって死んでいきます。出会い頭に砲弾のかけらがあたり大怪我を負い本国に送り返され、防御壁を作っているさなかにスナイパーに射殺され、さっきまで一緒に移動していた同僚があっさり射抜かれて即死したりします。

「そういう戦争をアメリカはしてきたんじゃよー、そしてその戦争から帰ってきた男たちはみな平和な人生を過ごせているわけじゃないんだよ、さて、君はこれを見てどう思う?」という映画でした。

 

この映画の見どころは、シールズを演じるために84kgから102kgまで体重を増やしたブラッドリー・クーパーの体作りっぷりです。これも大変な苦労だったと思います。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのお兄ちゃんだよねぇ、ねぇー、まぁー立派な軍人さんだこと・・・・と感心してしまいました。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(字幕版)

クリス・カイルの奥さん役を演じるシエナ・ローズ・ミラーが格好良かった。「ハリウッド系ど美人」と「もしかしたら一般人でも奇跡が起きたらこのくらいの美人はいるのかな」のあわいにいるような美しさだった。かっこいい。

Sienna Miller - An Audience With 2019 Wall Calendar/壁掛けカレンダー

来週には1930年生まれ・御年88歳のクリント・イーストウッドがなせる「監督・主演、オレ!」作品の「運び屋」が公開されます。待ち遠しいー。去年の今頃は「パリ行き・・・」を見たんだよな。あれもよい枯山水映画だった。

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