特別公開の概要はこちらから。ここで紹介されている「なぜ幻の名作?」の下りが興味深い。サントリー美術館で一体なにがあったのかしら。
サントリー美術館で行方をくらました築地明石町は、後に個人が銀座の画廊で個人が購入し44年間行方不明に。それを東京国立近代美術館が《新富町》《浜町河岸》と3本合わせて、ごおくよんせんまんえんで買い求めたそうです。「幻の三本セットが見つかったでえええ!」のニュースを見た記憶、私もありますわ。
しかし、5億!!!!!!! ごおく!? 都税? いやいいんですけど、いいんですけど!!! そのあたりの話はさらっと美術手帖のこちらの記事でお読みいただけます。廃棄するはずのハードディスクをヤフオクに売っちゃうような、警備に入ったビルで窃盗しちゃうガードマンというか、そういう頭の黒い鼠がいたということかしらん、ちゅぅちゅぅ。
築地明石町って、この作品です。注意深く見ると背景にヨットのマストが見え手前の柵は洋館の前で立っていることを示し、秋の始まりの朝顔が弱々しく咲き、寒そうに羽織を掴む明石町ガール(大きな絵はこちからご覧ください)。右側にちらっと見えている赤い羽裏がすごく効いててズキュゥゥゥンと胸を突かれる。控えめな新橋色も実に微妙な明度の水色でうほぅとため息が出る。加賀古代型染友禅の坂口先生の小紋でこういう色のを見たことがあるぞ!(リンク先は浴衣だけど) みんな坂口先生の小紋を着て明石町ごっことか新富町ごっことかすればいいのよ! そうよそうよそうに決まったわ!
着物忘年会でKさんと「築地明石町、よかったよねぇーーー」という話をした。「新橋色ってああいう色なんですねぇ。もっと鮮やかな色かと思ってました」「浅葱色に近い色でしたねぇ」などという話をした。
愛用のグラフィック社の「和の色手帖」によると、新橋色はCMYKで 62/5/25/0 、RGB で 97/182/169 、Webカラーでは #61B6A9 、■■■■■■■■ この色です。本の中では、浅葱色・水浅葱などとあわせて紹介されていました。これはお肌が白くないと似合わない着物だわ・・・などと恐ろしい事実に気が付きふるふるしているところです。色白Kさんなら、似合うんじゃないかしらーうふふふ。その際は坂口先生の小紋をぜひ。
羽織全体に小紋の柄がみっしりと正確に描き込まれていた三遊亭円朝像もよかったわー。今回は駆け足の限定公開でしたが、3年後か4年後に大鏑木清方展をまたやるそうなので、見逃した方はそちらをお待ち下さい。そのときは東京五輪はもちろん、カタールでやるサッカーワールドカップも終わっている頃合いでしょうー。どんな近未来になっているのかしら!