連休の本と映画と美術展/東福寺展・シン仮面ライダー・ロング・ナイト など

東福寺展

会期終了間際の上野の平成館で。「東福寺の全部見せちゃう★」特別展。素晴らしかった。書も絵も立体物もお庭の再現も惜しみなく見せてくれた。京都に通い詰めても全部見られるものではなかろう、こういう機会は大切にしたいものです。

吉山明兆の超大作にして室町時代に斬新すぎる構図の「白衣観音図」、情報量多めの「五百羅漢図」も素晴らしかったのですが、中でも一番記憶に残ったのは、「日本で一番最初に猫の絵を書いたのって明兆さんだっていうじゃないすか(明兆は涅槃図に猫ちゃんの絵を紛れ込ませていました)、それならその場面を絵にしてしまいましょう」と江戸の絵師が描いた作品でした(タイトル失念)。

音声ガイドは木村多江さんと子安武人さん。音声ガイドのおかげで理解が進んで良かったです。見るだけで一時間かかりそうな展示量で、ガイドを聞きながらでは2時間かかりました。素晴らしかったですよ、東福寺はお庭も素晴らしいと聞きますので、青もみじの季節に一度伺いたいものです。

シン・仮面ライダー

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー(シン・仮面ライダー) 約145mm PVC&ABS&布製 塗装済み可動フィギュア

原作はよく知らないのですが行ってきた。ゴジラもウルトラマンの仮面ライダーも全然知らないのに、庵野監督作品になったら見に行く不思議。

さすがの庵野監督も現代社会に虫の格好の男がコートにまたがってるのは彼の美意識に反するのか、みんなロングコートを着ていました。いいと思う! 戦闘後の柄本佑の「イッチッチッチ」という令和ではなかなか聞くことのできないセリフに震えました。森山未來がラスボスだったのですが、彼が倒れたあとに田中泯が出てくるのかと思ったけど出てこなかった。残念。本郷奏多の顔を拝みたかったなー。市川実日子さんのチャーミング炸裂っぷりにハートを撃ち抜かれた。贅沢な配役でした。みなさん抑揚のない話し方をするのは、庵野映画メソッドなのでしょうか。元気ハツラツな言葉遣いだったのは長澤まさみさんと柄本佑さんと手塚とおるさんだけでした。

悪役が出ては倒されてまた出てのアクション活劇、さらっとした描写にもざくざくCGが使われていそうな楽しい映画でした。Wikipedia には「それはさすがに効率悪いのでは・・」という制作風景が紹介されています。贅沢! 映画「キングダム」とかささっと撮影済ませてそうだもんね、見たことないけど。

有吉佐和子「女二人のニューギニア」

女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4)

「こういう名家のお嬢さんが中年になってから描いたその人本人のことを描いたものを読みたいのですが、誰かいい作家さん知りませんか?」と句会でマダムにお尋ねしたら、「有吉佐和子とか読んでみたらいいんじゃない?」とのことで手にとってみた。

このときの佐和子は36歳、前年には「華岡青洲の妻」を世に送り大ヒット、舞台を手がければそっちもあたり、向かうところ敵なしの彼女が飛んだのは友人の文化人類学者がいるニューギニア!! 

大爆笑熱帯生活物語。あっさりとした熱帯生活の終わり、東京に戻ってからのオチ、全てがすべて最高だった。みなさまもぜひ! 表紙のイラストと元気のいい黄色がとても素敵、ラッキーアイテムにもなりそうです。

読後に曽祖父が池田屋事件で命を落とした有吉熊次郎と知り、その後子孫は政治家の道を歩む。ほんとうに名家のお嬢様だった! 私がヒグマのカレンダーとかつくっててキャキャッとしてた年齢であのひとは「華岡青洲の妻」書いてたんか、負けた、負けたわ・・・。

韓国映画「最後まで行く」

最後まで行く [DVD]

近頃映画館に行くと必ず岡田准一の「最後まで行く」という映画の予告が入り、なんだかすっごく押してくる。なにかに追い詰められた刑事が切羽詰まって悪事を働くことになってしまうのだけれども、それを知る男が現れ・・・というお話らしい。アマプラのラインナップを眺めていたら同じタイトルの韓国映画があることを知る。あ、なんだリメイクなんだー、どれどれ見てみるか。

ちょっと暴力描写がやりすぎなんですが、えーとつまり、岡田准一がある男にギッタンギッタンにされるわけです。え、あの織田・岡田准一・信長を、ギッタンギッタンギッタンギッタンにできる俳優なんて日本にいたか大変心配になり、出演者情報をちらっと調べてみました。そこに刻まれし名は 綾野剛 、おぉ、日本には素晴らし筋肉を持つキ●ガ●刑事をやらせたらナンバーワンの綾野剛がいた!! 完全にネタバレをくらった状態ではありますが、公開されたら見に行こうっと。ぐへへ。

中国ドラマ「ロング・ナイト」

中国ドラマ【ロング・ナイト 沈黙的真相 】全話収録 Blu-ray〈日本語字幕対応〉

連休中に3話ずつまとめて放送してくれてた、全12話。WOWOWでも放映されていたのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。ある事件から浮かび上がる過去の別の事件、そこに隠されていた陰謀とは・・・。

2003年、2007年の過去の事件を追う2010年の刑事たち(声は堀内賢雄さんと沢城みゆきさん)の物語。時間軸が行ったりきたりするのにくわえ、こちらが俳優の顔に馴染みがないためか、善人役2人が見分けがつかない、悪人美女と善人美女の顔も似ている、善人眼鏡と悪人眼鏡も顔が似ている、俳優の顔の多様性がまだまだなのかもしれない。名前はカタカナ表記でパッと区別がつかない、簡体字でもいいから漢字のほうがわかりやすそうなのだが、とにかく完走してみた。見応えありました。

2003年の中国は、舞台が農村部ということもあってか貧しく女性の地位が低い。いまはよくなってるのかなぁ? 中国の報道官の華春瑩さんなどは、あんな社会であの地位まで上り詰めるなんてどれだけ優秀なんだろう(調べたら共産党幹部のお嬢さんだそうです、なそっかー)などとも。

以上、見ごたえのあるものに出会えた楽しい一週間でした。刺繍も進んでます。

 

TOVE/トーベ(字幕版)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください