何年か前に「トルコの出張土産ですよー」と彼の国で日常使いで愛飲されていると思われるティーバッグ100個入りの大きな箱をふたついただきました。あまり頑丈でなさそうな黄色い箱に入ったその紅茶は、封筒状のティーバッグではなく丸いティーバッグで、紅茶というよりは台湾茶みたいな見た目。それをハリオのティーポットに入れてガブガブと飲むようにし、今年の初夏に飲み終わりました。
ハリオのティーポットも、ティファールの電気ケトルも、ネッスルのネスプレッソマシンも2006年頃導入してまだ現役。素晴らしいよ、君たち!! すばらしい! ソニーの経営陣に教えてあげたいくらい素晴らしい頑丈さですよ!
それはさておき、トルコのひとたちが普段ガブガブ飲んでいると思われるレベルの紅茶があれだけ美味しいのですから、紅茶という飲み物は、飲み物としての基本的なレベルが高いのでないか、ハズレが少ない飲み物なのではないかと思ったわたくし、ドラッグストアの紅茶売り場にある20袋300円前後の日本の紅茶メーカーの紅茶を買ってみました、飲んでみました。あれ、香りがない、味が薄い? 私がいま飲んでいるものはちょっと苦味のある赤いお湯ではないでしょうか? あれ、紅茶ってこういうものでしたっけ? いやいやいや、たまたまこのブランドのブレンドがよろしくないだけでは? こちらのメーカーはどうでしょう? あれーーーこちらも日常使いと思われますが、さらにうっすら苦いだけの赤いお湯! あれ? 紅茶ってこういうものだったの!?
そして思い至ったのは、トルコの紅茶が、現地の普段使いと思われるレベルの紅茶が、こちらの認識を超えるレベルの高さだったということではないのでしょうか!! どうでしょうか! というか、ドラッグストアの日常使いコーナー(1ティーバッグ5円)のレベルの紅茶があまりにもあのそのあのそのなモノなだけかもしれません!!
隣の駅の有名スーパーまでてくてく歩き、評判の高い紅茶を買い求め(1ティーバッグ40円)、入れてみたら「うぉぉー香りがある、味がある、赤いだけのお湯じゃなくなった!」と発見の月曜日。冷めたらシュリンクフレーションの申し子みたいな「おいしい牛乳」にいれると、常温ミルクティーにもなる、すばらしい、紅茶に香りは超大事!
あぁわかった、紅茶はケチっちゃいけない、トルコの紅茶は普段使いでも大変にレベルが高い(単に私好みなだけかもしれないけど)。
あのお土産をもらったとき、「わーおおきいものを二箱もありがとうー運ぶの大変だったでしょー(棒読み)」「うん、すっごく安かったよ、それ! スーツケースのスペースが余っちゃったからたくさん買ってきた」(おまえのそういうところだぞ)などとやり取りしたことを思い出した。本当にごめんなさい。私ははからずもおいしい紅茶を長い期間、楽しく飲ませていただいていたのですよ。しかし振り返るといろいろ失礼だな、わたし! どのくらい失礼かというと、エールで北村有起哉さんが演じる池田さんくらいに失礼だよ! とかいいつつ探したら楽天にあった。うっかりバイヤーの舌だけは無駄に確かな近場のスーパーに並んだら買うことにしよう。
あ、でもあくまでこの普段使いレベルの紅茶の話です、高級紅茶の世界はまた別で奥深いんでしょうなぁ。以上、紅茶はケチるな、というお話でございました。