珠玉なる百分映画をふたつみつ／ポール・ダノすげえ #100分映画

この猫の写真、警戒心がすごいにじみ出ている。

全部、Amazon Prime Videoです。

スイス・アーミーマン

孤島に取り残された孤独な青年ハンク（ポール・ダノ）、海岸の岩場で自殺を試みようとすると彼の目にふと入ったのは若い男の水死体（ダニエル・ラドクリフ）。その死体が波にさらわれ流されていくのを見た瞬間、彼は自殺をやめ、死体を助けることにするのだが・・・

このジャケットのシーンは、体内に残ったガスを使い海を走る死体クリフの上にまたがったハンクが楽しげに陸地を目指す場面。何を言っているのかわからねーと思うが、月島軍曹ばりに「これは一体なんなのだ」と目をゴシゴシとしながら見続けました。

凄まじきポール・ダノの才能とあふれる映画愛。死体の演技がうますぎるダニエル・ラドクリフ、いろいろと見どころ満載映画です。ご興味ありましたらぜひ。

余談ですが、ゴールデンカムイの野田先生、この作品を絶対見ていらっしゃると思います。二階堂がダニエル・ラドクリフと同じ動きをしているシーンがございました。うふふ。

ザ・ピーナッツ・バター・ファルコン

アメリカ南部を舞台にしたロードムービーが観たいんじゃよと探したら見つかったので見始めた。まったく期待していなかったのですが、素晴らしい映画でした。

施設を脱走してきたダウン症の青年ザック、その施設で働く看護師エレノアと、孤独で貧しい漁師の男タイラーの三人の物語。ザリガニが鳴きそうなところを舞台にしたロードムービー。音楽がとてもよい。ジョージア州サバンナを舞台に繰り広げられる静かなるナチョ・リブレ、力強いヒーローの物語。

パーティといえば誕生日パーティしか知らないザックが、タイラーに向かってこういうのです。

タイラー、ゆずるよ。
おれのたんじょうびのねがいごと、ぜんぶ。

彼のこの台詞を聞くために、これから先の人生で何度かこの映画を見ることになるのだろうなと思いました。

グレートウォール

壮大な舞台装置の映画が観たいんじゃと探して見始めたらあたりでした。

舞台は中世中国、黒色火薬を求め西欧からやってきたマット・ディモンとそのバディ、万里の長城近辺で見たこともない生物に襲われ、長城を守る中国軍に助けを求めるが・・・・

チャン・イーモウ監督×レジェンダリー・ピクチャーズ。マット・ディモンが主演、うむ、わかる。ウィレム・デフォーも出演、うむ、レジェンダリー・ピクチャーズに登場するウィレム・デフォーってだいたい非業の死を遂げるちょい悪役親父のことが多いのよね、でも見る。見始めていくと、なぜかアンディ・ラウも出てる。美人剣士も出てくる、なんというか、チャン・イーモウの総力戦めいたものを感じる力作。こんな大規模な予算を使っているのに100分で終わるのもチャン・イーモウらしい。お時間ありましたらぜひ。美人剣士が「吸血鬼すぐ死ぬ」のヒナイチくんにしか見えないんだけど、そこらへんも含めてどうぞ！

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中年になったいまも、一年のうち一ヶ月だけ盛大な鬼ごっこをする幼なじみ五人の物語。主演はジェレミー・レナー。ハングオーバー的「男の友情イエ－！！」な作品に見えてしまい、またジェレミー・レナーがひとりだけ華やかすぎて浮いているようにさえ感じられ、見続けるかここで見終えるかぐずぐず悩んでいるうちに最後まで見通してしまった。

エンディングに突然、スマホ撮影の映像が差し込まれてくる。なんと！　ここがオチだったのか。このシーンのためにこの映画はあったのか、むしろ本編９０分弱がこの映像の前座だったのかとほろりときた。悪くないですわね。

あたいの珠玉の100分映画を探す旅はこれからも続くぜ！

『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデューサー陣がピーナッツバター・・・を制作。リトル・ミス・サンシャインはポール・ダノも出てた。

でもポール・ダノといえば、やっぱりゼア・ウィル・ビー・石油ボカーンなんだよな。