ブラッド・ピットが日本を舞台に車両内アクションをするというので、先月からずいぶん楽しみにしていた本作、さっそく映画館で見てきた。吹替版もよいらしいので(ツダケンと関さんが兄弟の殺し屋役を担当してる)、いずれそちらも見てみたい。
日本の新幹線によく似た高速鉄道を舞台にしたファンタジーです。それでも細部の作り込みが素晴らしく、グリーン車のシートのふかふかさが足りないのではとか、あんなカフェ車両があればすばらしいのにとか、新幹線の名前は「ひかり」をもじって「ゆかり」だし(停車駅がだいたいあってる)、まさか夜行列車で京都に着くとは思わなかったけど(新幹線そんなに時間かからない)、鉄道線路がどうみても高速道路とかいろいろ突っ込みたいところがあるけれど、でもファンタジーだから! リドリー・スコットが生み出してしまったサイバーパンク東京の系譜をしっかり継いだ、邪悪なソメイティとしか見えない着ぐるみキャラ「モモもん」も活躍するKAWAII日本が炸裂の愉快なアクション映画ですから! でも舞台はきっと現実の日本なのでしょう、だって問題の弾丸鉄道が1秒だって遅れないんですから!
老眼であることを隠さないブラッド・ピットが素晴らしい。和装洋装ミックスの出で立ちで狭い車内で和泉守兼定(適当)をぶん回す真田広之は土方歳三にしか見えないし、そのブラッド・ピットはほとんど門倉としか思えない運命を辿る。もうこれでいい、わたしのゴールデンカムイの実写版「暴走列車地獄行き」エピソードはこれでいい、これで満足しました。
福原かれんちゃんが手刀を切ってブラッド・ピットにどいてもらうシーンがあるんだけど、あれって本当に外国の人から見たら不思議な仕草なんでしょうな。ふふ。監督のそういう観察眼がちらちらと見えるのも興味深かったです。
作中重要な役どころを演じるFIJIのミネラルウォーター、あれは日本ビール株式会社さんが輸入しているものなのですね。韓国映画でセレブが部屋で飲んでいるシーンがありましたし、アジアのちょっとよいホテルの部屋においてあるミネラルウォーターがだいたいこれですよね。「でも、そこは『いろはす』にしておこうよー」と思ったのは内緒です。
豪華俳優満載のど派手な鉄道アクション映画です、みなさまもぜひ!