琵琶湖より愛を込めつつ首を取る/北野武「首」

首 (角川文庫)

「戦国アウトレイジが見られる、うひゃっほー! 日本橋のお上品なTOHOシネマで見た時、大杉漣が大変な目にあうところで私一人が爆笑してしまい大変に気まずかったあのアウトレイジにまた会えるぅー」と小躍りしていってきた。前情報は「北野武が本能寺の変を撮った」だけ、予告編の動画も見ずに、劇場に行った。この行動、正解! 自分で自分を褒めてあげたい。

以下、ネタバレしてます。なにも情報を入れたくない方はここで引き換えしてください。

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以下ネタバレ

首に始まり、首に終わる、映画「首」。中村獅童が中村獅童すぎて涙したし、津田寛治が津田寛治すぎてニヤニヤした。

初っ端から小さな生き物と戦場の無惨さを描く。わー、グッローい! 「グロいとは確かに聞いておりましたが」と見進めていくと、お国言葉丸出しのおしゃれお館様が登場★ 癇性強いお館様・織田信長を演じるのは加瀬亮。「だだくさ(無駄なほど多い)」だの「とろっくせーのぅー(とろいにもほどがある)」など、同じ沿線?で生まれ育った私には懐かしい方言ばかり。他の地域の方には通じたのでしょうかどうでしょうか。ゴールデンカムイの鯉登少尉のセリフのときみたいに、あそこだけ字幕があってもよかったのかもしれません。それにしても加瀬亮のあのキレキレっぷり、過去にバッティングセンターでえらい目にあった復讐を遂げていたのでしょう。最高でした。

禿頭の明智光秀は西島秀俊。明智光秀の二面性とか変態性をもっと踏み込んで描いてもらってもよかったです。秀吉は北野武、秀長は大森南朋、黒田官兵衛が浅野忠信。このトリオの息のあったわるーい感じが最高で、北野武も滑舌に大変気を使って明朗にセリフを回していらっしゃいました。「どうする家康」ではひどい扱いだった服部半蔵は桐谷健太、彼もアウトレイジで大変な死に方したボーイ、よかったね、この晴れ姿! 弥助を演じた副島淳さんがすごくよかった。素のままの演技だったのかもしれないけど、堂々としていて立派な体躯をよく活かしていた。お館様に飼われてはいたけど、結局は◯◯と思っていたのがわかる◯◯◯の◯のシーンとか最高!! ファンになっちゃった。

その他キョロキョロしっぱなしの堀部圭亮、シン・ゴジラの「想定外だ!」おじさん、そのものすぎる岸部一徳の千利休、ぼそぼそ喋るどこかでみたことある白髪のおじさん(大竹まことさんだった!)、物語の狂言回しとなった木村拓一、みんなよかったですーーー。みんな死んじゃうんだけどね!

ロケ地も素晴らしく、山中の古寺を使ったシーンは戦国時代そのものの佇まいをしていたように見えたし、日本にこんな美しい田園がまだ残っていたのかと驚いた。水攻め・籠城攻めのソーンはCGも使われているのだろうけど、うまくまとまっていました。武家物には欠かせない能楽のシーンも緊張感があってとてもよかった。

ともかく北野武が周囲の俳優たちに役の上とはいえ「殿」と呼ばれているのが一番よかった。こんな重厚な俳優たちで構成される第二のたけし軍団を彼はいつの間にか手にしていたのです。なんと頼もしいことでしょう!

いまあらためて予告編の動画を見たけれど、この「威風堂々」はギャグとして使っているのが、鑑賞後にはよくわかる。北野武の映画はアウトレイジ以外きちんと見たことないんだけど、わたしはこの映画が好きです。面白かった。でも血しぶきは今年見た映画の中で一番多いです。お気をつけて。

 

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