グーグーだって猫である

グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1)
グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1) 大島 弓子
名作なのに、有名な作品なのに、なんとなく読んでいないものがいくつかある。ビートルズなんていつでも聴けるから、と今までちゃんと聴いてこなかったのと同じように。大島弓子さん作品もそうで、今までそんなに手にしたことがなかった。
昨日、仕事の帰りに本でも読みながらビールでも飲むかと本屋に寄ったところ、この本が目に留まった。この秋、小泉今日子さん主演で映画化されるというのは聞いていたけれど、それに伴い文庫化されたそうでその第一巻が並んでいたのだ。この本を買い、そのまま通り向かいのお店に入り、ビールとおつまみを注文し読んでみた。幸せな時間・・・(幸せのハードルがほんとに低い)。
大島さんが「サバ」という猫を飼っていたこともその猫が亡くなったことも彼女自身が大病を患ってしまったこともなんとなく知っていたけれど、それを漫画で読むと、わぁぁーあぁぁーと。サバがくれた五分間の魔法なんて、ヒトコマで滂沱。中盤、大島さんがサバのことを振り返るエピソードがある。「二度目の猫はトクである」という台詞にこめられた思いを考えるにまた滂沱。
 サバが腎炎で死んだとき
 今までの生活が
 まちがいだらけだったことが
 わかったのだ
 そういう
 後悔とザンゲの中
 グーグーは我が家に
 やってきたのだ
 二度目の猫は
 トクである
 死んだ猫の分まで
 大切にされる
 ということは
 サバがグーグーを
 守っているのだ
 (中略)
 グーグーが
 長生き
 しますように
 病気しません
 ように
 事故にあいません
 ように
 この家の生活が
 たのしめますように
 そして
 天寿を全うしたら
 このわたしがグーグーを
 送ることができますように

すべての猫が幸せでありますように。
野良っこも、おうちの中の子も。
わたしはたぶん週末をかけて、大島弓子本をあさることと思います。
むぅー。でも江ノ島にシラスゴハンを食べにいくのもいいわよね。
なんか突然清原なつのさんの漫画が読みたくなった・・

8 COMMENTS

Jerry

仕事中にここを覗いて、毎度のウカニャンネタとかで
クスリと笑わされるつもりが、
なに泣かれてるんでしょう、私。
大島さんの作品は昔は何故か怖くて読めなかったんですが、
今になって猫片手に読むと、大人(大島さん)と猫の付き合い方がいいなと思います。
サバとの暮らしを書いた2冊(文庫)も良かったです。
「グーグー…」は未読なんですが、私も大島作品あさりに行きそうです。

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サバもグーグーも持ってますよ。
猫を飼ってから以前にくらべて俄然
猫マンガを読むようになりました。
マンガ読みと猫マンガ読みは、かぶってるようで
少しかぶさってない感じがあります。

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スガ

Jerry 様、グーグー文庫版もぜひ! 大島さんの作品がなんとなく怖いというの、わたしも同感です。なんとなく、蓋をあけるのがちょっとこわいような。大人になってから読むと、ぜんぜん違った感慨が得られるのではないかと思います。
ララっこ! なんて耳より情報なの!!! サバグーを借り受けに伺いたいものですわ。あとでメールしますです。

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さよ

清原なつのさんの初期作品を読み返すと、無性に金沢に行きたくなります。いかにも金沢!な背景が描かれているわけでもないのに…。
それにしても「二度目ののネコは」以下、私も滂沱になりそうでした。でも仕事中だったから(こらっ!)耐えました。
「二度目」になって14年のうちのコが、姿を消してから1年が過ぎました・・・。

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スガ

あぁ清原なつののことを考えたら、りぼんの漫画を思い出しました。オレンジ色の服が似合う快活な妹(姉?)とブルーの服が似合う病弱な姉(妹?)の話がでてくる物語、なんだっけ、たちかけひでこ? そうそう、刀掛秀子! あ、違う、Wikipediaで調べたらちょっと違う。いや、でもこの「花ぶらんこゆれて」が怪しい。なんだっけこの話? 2chの漫画板へ行くべきかしら?
二度目の猫・・・ですが、この文章を読んだからには、一度目の猫から二度目の猫だと思って接していきたいものだと思いました。

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れーな

コメント出遅れた…
「グーグー」が出たとき、大島さんが猫をちゃんと
人の姿じゃなくて、猫として描くようになったのに
衝撃を受けました。そしてちゃんと
(あたりまえだけど)猫っぽくてかわいい!
どういう心境の変化だったのかなあ。
でもグーグーたちが人間の子供の姿で描かれてたら
全然違うマンガになるような気がします。
古いですが「シッポがともだち」も好きでした。
桜沢エリカはこれしか持ってないです。

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khaki

清原なつのは「花岡ちゃん」シリーズですね。数子って名前がすごい。蓑島さんヅラだし。いつもキレイな才女、笹川華子さんも好きだった。
太刀掛秀子の「花ぶらんこゆれて・・・」は文庫が出てます。リアルで読んでました。あの頃の「りぼん」はオトナでした。

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スガ

わっ、グーグーがこんなにくいつきいいなんて!!
>(あたりまえだけど)猫っぽくてかわいい!
むー言われてみれば。普通のかわいい猫扱いでしたね。なにがあったのでしょう?
この漫画評論も読んでて切なくなりました。
http://www.asahi.com/culture/manga_henai/TKY200706070346.html
太刀掛秀子、私、途中のコピペしてましたね。失敬失敬。花ぶらんこゆれて、もう一度読んで見たいかも。あぁどうしよう、今はそういったものが全部文庫版だなんだで手に入る時代だからなー困っちゃうわねー。

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