葬儀からこっち「早く日常に戻らねば」と少々ハイテンションで過ごしておりましたら、月曜の正午、疲れが出たのかくしゃみをした瞬間にグキっとやった。平たくいうとぎっくり腰、漢字で書くと急性腰痛症。恐ろしい。噂には聞いておりましたが、これほどまでに破壊力があるものだとは! その瞬間には「あれ?」って思っただけでしたが、この「あれ?」は時代劇ですんごい剣豪にざくっと半身を切られているのに、それに気づかずにいるときに出る「あれ?」と同じレベルのものでした。
あれ、あれ、あれ、なんか歩くのが変、屈めない、横たわるのが難しい、寝返りが打てない、猫がきた、いやーなぜお腹にのるー、いやーなぜ顔にお尻をくっつけるのー、おねがい、ウカちゃん、そこにあるiPhone取って・・・、なぜ通じぬー通じぬー! こんなに長い間一緒に暮らしてきたのに、どうして私の気持ちがわからないの!?
椅子に座ることが難しく、起きていても軽い吐き気がするので、ぎったんばったんしながら48時間ほど寝込み、昨日はあまりにも退屈だったのでKindleアンリミテッドで漫画を20冊くらい読み、だんだん体が慣れてきて、医者にも行って「骨と神経異常なし!」と診断され、ようやく机に向かうことができたという次第。ニンニン。
Kindle アンリミテッドは、普段あまり手に取らない実話系四コマとか、渡辺やよい大先生の昔ながらのレディコミ(旧家に嫁いだ若奥様が姑と姑付きの女中頭にねちねちとあの手この手でいじめられる話なんですが、その女中頭の攻撃が毎回毎回大変に効果的で、もしかしてこの漫画の中で若奥様の性癖を一番理解しているのはこの女中頭なのでは、ていうかもしかして愛してない?、というほのぼのストーリー☆)や、「ネットで話題になってたけど買ってまで読まなくても・・・いえ、なんでもないです、なんでもないです!」といったものを手当たり次第に読んでみた。以下はその中で面白かったもの。
バブルの時代の豪勢な海外邦人バディもの。面白かったです。
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清野とおるさんって本当によい路上漫画家。これからもこういう作品描いてほしい。
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すごくヤングサンデーっぽい! 師匠は新井英樹さんなんだろうなーという登場人物たちの歯茎の描き方! そこからうまく自分の絵柄に浄化していったのよね。もうおっさん漫画(具体的に言うとゴルゴ13とブルージャイアント目当てで読んでるビッグコミック)しか購読してないから、こういう皮肉のきいた青春ヒリヒリ漫画になかなか触れる機会がないので新鮮でした。おすすめ。
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福本伸行の「黒沢」。41歳の土木作業員が「人望がほしいっ!」と叫ぶ作品。アジフライのエピソードがあまりに辛くて読み飛ばした。
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無名で売れない漫画家の(愉快な)希望と自虐の日々を綴った日記漫画、作者さんはデフォルメされて丸っこく可愛らしく描かれておりますが、実際はどうなんでしょう。。切ない。笑い飛ばせるだけの勇気を私は持ち合わせてない。こんなに絵がかわいくても売れない漫画家さんなの? えぇー。切ないぃぃ。
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2013年春。廃業の危機に瀕した漫画家・市橋俊介は担当編集者からの進言もあり、田舎への移住を決意。その生活の様子を漫画に綴る事で漫画家としての最後の悪あがきに乗り出した。 SPAで連載されていたものですが、SPAの編集部さんって割りと鬼なのかな・・・。もうちょっとフォローしてあげてよ。
漫画のネタのために意を決して農村に移住したものの「この畑じゃやりにくいから」「やっぱり休耕期長過ぎね?」と気軽に移住を重ねる姿はとても清々しいです。借り物であれば畑にも執着しないといことでしょうか。作者は富士山の近くだけど近すぎて富士山が見えない農村 → 標高1400mの高地(これはさすがに農業素人さんには厳しいのでは?) → 限界集落の空き家へと移転するのですが、「ふっ、坊主やるじゃねぇか」とねぎらってやりたくなるくらいのなかなかの学習能力の高い方です。限界集落で20年放置されていた畑を耕すシーンなんて、これから各地で生まれる限界集落を再構築するときのバイブルになるかも。
作者の市橋さんのこれまでと、ぼっち村の成り立ちについてはこちらからお読みいただけます。峰なゆかさんに足向けて寝られない人なのか。。。
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しかし、最後の2冊、あんなに絵がうまく描けても「売れない漫画家」になってしまうのか。厳しい世界。商業誌で連載できている時点で十分「売れてる漫画家」さんだと認識したいんだけど、厳しいな・・・。それにしても、先週の昨日が葬儀の日だったとは。すごく昔のことみたい・・・。