より惨めなお伽の國へ/映画「スノーホワイト」


ジェネオン・ユニバーサル

¥ 1,527

(2012-10-17)

 
白雪姫のお母さんは、白雪姫を産み落としたあと、病気で若死してしまいます。お伽話では、後妻に入る過程は省略されますが、映画ではそのシーンをこってりと描いてます。シャーリーズ・セロン演じる「ヴェロンナ」は、王妃に収まるやいなや王を殺し(ジュリア・ロバーツ版では、殺したけど実は生きてたという設定)、この国を自分のものにします。女王ヴェロンナの忠実なる下僕は、彼女の弟フィン。民衆には重い税を課し、国民は疲弊し、国土は荒廃してゆきます。街の中心部はぬかるみだらけで、民衆はみじめったらしい汚い色の服を着て、毎日の食べるものにも困る有様です(そのあたりの描写は、ジュリア版と同じ。ただし、ジュリア版の重税は、自身の開催するパーティの費用を捻出するため。シャーリーズ・セロン版では、軍隊維持のためのよう)。
成人したある日、塔に幽閉された白雪姫は、隙を見て城を抜け出し、決死の逃亡をはかります。冷たい海へ飛び込み、命からがら、ある村へたどり着くものの、女王軍の追手に村は焼き討ちされ、助けてくれた人々が殺されてゆきます。「女王、逃げて!」、親切な村人たちが業火に焼かれているのを目にしながらも白雪姫は、森の奥へ奥へと逃げていくのです・・・・。
 ひぃぃぃぃー。暗い!!!!
 そして、シャーリーズ・セロン、完璧すぎる美人で怖い!!!!
その白雪姫を助けるナイトは、村ののんだくれの漁師エリック、マイティ・ソーを演じたクリス・ヘムズワースが努めます。ジョニー・デップ、ヴィゴ・モーテンセン、ヒュー・ジャックマンにオファーを送ったものの3人にはひらりと断れたようです。ヴィゴのエリックは正直、見てみたい気マックスではありますが、マイティ・ソーくらいの若い男性のほうがよいんじゃぁないかしら。白雪姫のクリステン・スチュワート、美人なんだけど、ウィレム・デフォー並に彫りが深いので、可憐な白雪姫という印象ではないです。どっちかというとジャンヌ・ダルクとか、そういうガチで戦う女。映画の世界観は、ロード・オブ・ザ・リングのような画面の質感暗めのファンタジーです。
シャーリーズ・セロンのまったき美人っぷりに、見てるこっちが怖くなるお話です。これだけ美人だと執着するのも無理はないのかもしれませんが、そんなときは、愛別離苦と唱えれば心も休まることでしょう。あぁ美人も大変ね!!
グリムの「白雪姫」の初版本では、「邪悪な女王は、継母じゃなく生母」「口づけで姫の目をさます王子は、実は死体愛好家」だそうです。このご時世、継母よりも生母だと思って読んだほうが、確かにすんなりするようなことが多いような気がしないもでないですな。あぁ、美人って大変なのね!

2 COMMENTS

たかとり

こんにちは~。
何とタイムリー、先日行ってきた旅行の機内で見ましたよ。
(見ている最中にうっかり機内食タイム突入で何度か「ぬぉぉ…」となりましたが…)
シャーリーズ・セロンさん、お美しかったです…。
でも何かが切れて一瞬で老けさせるメイクを見ながら
欧米系の一般女性が実際こうやって変わっていくわよねぇ…としみじみ…
(ホント、何の瞬間にどこのピンが外れてしまうのでしょう…)。
そしてクリス・ヘムズワースさん、わたしの脳内では照英さん認定…
(地下鉄車内でワクチン接種の広告を見て以降)。

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