先生惜しいです! 諸星大二郎「闇の鶯」

諸星大二郎先生の新刊「闇の鶯」、この重厚などっしりした紙の装丁の諸星先生のご本を読める幸せといったら!!! 稗田礼二郎のフィールドノート的スタンスの、単行本未収録作品を集めたこの本、240p弱で1048円ってお得ですわよねぇ、奥様。
重箱の隅をつっつくというわけではないのですが、あたしゃ、皆さんに着物姿の女性を描くコツというか、正しい着物の着方をご理解いただきたいので、ここでちょっとお話させてください。あぁ面倒くさいやつとはどうぞ思わずに。
この本、表題作の「闇の鶯」という作品で着物を着た「鶯」と呼ばれる女性が出てきます。下は鶯さんの絵の模写。

あぁっ、惜しい! 
先生、この帯締めの位置じゃ帯は締まらないです!
帯のお太鼓とその中の構造がちょっとおかしいですっ!
お太鼓の中に折り込まれる手の部分は、こんなにもっさもさしておらず、ピシィッと折りたたむことができます。そんでその折りたたんだ手の上に、帯締めを通す、と。折り込まれたもっさもさの下に帯締めを通しても、帯は締まりません。

正しくはこちら。
手もまっすぐに折りたたんでください。
帯締めはその手の上に掛けてください。
これなら何時間でも歩くことができますわ。
この本の最後に収録されている「涸れ川」、過去の名作『夢みる機械』に収録されている「遠い国から」を思い起こさせる、不思議な土地での、男と女の物語でした。この発想の源泉が全然枯れないのが不思議。
ずっと新作を読み続けたい作家さんの一人です。一作でも多く!ぜひ!
しかし、諸星先生の描く不思議なひし形の口・・・絶対真似できないわ、これ。

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