秋の夜黙って肉を焼いて喰へ

神楽坂本 (エイムック 3017)

これは美学の話なのですが。

先日、「近所の体育会系なお仕事の方たちの胃袋を十分にコスパよく満たしてくれる」近隣の焼肉屋さんにてささっと夕飯を済ませに行ったときのこと。隣の席にいい年したおっさんと呼ぶとちょっと語弊があるかなという年齢の男性と、二十代の女性が二人で向い合って食事をしておりました。数分に一度、お互いにちょっと話しかけたり、オーダーの相談をしながら、ふたりとも左手でiPhone握りしめてのお食事。

いや、いい。まぁよいでしょう、えぇ、SNSしながらお食事を続けるのは、まぁ、えぇ、そういうことはあるでしょう。お二人の微妙な年齢差と会話のずれを見ていると、そんなに親しくない間柄なのかもしれません。その距離感を埋めるのがお互いのスマートフォンの画面であっても致し方無いでしょう。それは構わないのですが、そのダラダラした抑揚のないオーダーは一体なんなのでしょう。鉄板の上に二種類のお肉が焼かれている最中なのにまた次のお肉を頼む、手元には食べ散らかしたキムチやナムル、そして「あ、これ食べてみたい」とまたもや別のオーダーを。お店からしたらおいしいお客かもしれませんが、焼き肉喰いとしてはいただけませんな! もっとこう潔く! バランスよく! 着席後1時間で食事を済ませ、席を立ち、次の方へ譲る! そのくらいのですな、気配りをしたいものですな。きっとお二人はだらしない肉体関係なんでしょう、そうでなかったらあんなにダラダラとしたオーダーをするわけがありません、男子が到達したかしてないかわからない、そんなゆるゆるとした行為をなさっているのでしょう、そうでなかったら(以下略)。

デフレにあまりにも慣らされすぎて、お手頃な飲食屋さんを居酒屋がわりにすることが増えてきております。神楽坂の小さい広島焼き屋さんを居酒屋代わりに使ってるサラリーマンを見てると、うぉぉいと横からパシッとツッコミを入れたくなります。「ダラダラ酒が飲みたかったら居酒屋へ行けー、カウンターしかないせっまい店で広島ファンってだけで長居するなー、通りから恨めしそうに店内を覗く人々に席を譲れー、粛々と食べ粛々と席を立ち、女房子供が待ってる家へ早く帰れ帰れー、おや、それともご家庭に居場所がない? それはそれは大変なご不幸でございますな、だがそれとこれは別の問題ぃぃぃー」とジョッキを握りしめながら仁王立ちしたいのを我慢しているのです、わたくしは。

書いてて思ったけど、私は席数が少ない小さい店ばかりがお気に入りなんだな、と気付かされました。そういう店がまた多い。市ヶ谷よいとこ一度はおいで。

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