光と闇とレンブランと。というのを狙ったのよね、そうだよね?

上野の西洋美術館でレンブラントの展示を観てきた。
タイトルは「光と闇とレンブラント。」、うん、狙っているよね、そうだよね?
エッチングの展示が多く、私はしらなかったのですが、そのエッチングの刷りに日本の和紙が使われいてる作品があるのです。彼は、光と闇の表現に力を注いでおり、黒の階調をじわりと表現できる和紙を好んで使ったようです。エッチングは、大量生産できるものですが、初回に試しに刷るのは和紙、普及版は洋紙と使い分け、和紙で刷ったものは初回限定版としてコレクターに人気が高かったそうな。経済活動と作家としての営為をうまく両立させていたんですな。
彼が画家として充実していたときは1650年代、日本ではすでに鎖国システムが確立されたのちの時代、出島から輸出されていた日本の和紙が、経済的に隆盛していたオランダの人気画家に見初められ、採用されていたなんて、なんだか素敵な話じゃござんせんか? ただのオリエンタリズムではなく、表現力で選ばれたってのがすごい。
和紙で刷ったものと、洋紙で刷ったものは、光と闇の表現が大きく異なり、それが350年以上の時代を経て、現代人の目にもはっきりとわかるというのもまたすごい。また素描のようなエッチングは、漫画のような軽やかさがあり、そういうところも楽しい。日本で人気がある理由がなんとなくわかる、いや、そんなことが人気なのではないと思うのですが。
あ、あとね、レンブラントって、「画家ってベレー帽だよな?そうだよな!」と世界で最初に実現した人かも。お土産物売り場にレプリカの黒いベレー帽が並んでいてちょっと微笑ましかったわ。
今回の展示は、エッチングが多く、作品自体も小さく、細かい作品が多いので、用意できる方は美術館商用ルーペをお持ちになるといいかも。会場の照明も落としてあるので、ちょっと目が疲れちゃった。午前中に行ったけど結構な人出でした。会期は6月12日まで。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/rembrandt201103.html
↓ 見ようと思って見そこねた作品。今度ちゃんと見よう。


ジェネオン エンタテインメント

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(2008-07-25)

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