凌霄花朝日に咲きて絽の喪服/葬儀直前にしたことリスト身だしなみ編

【白髪染め】
葬儀までまだ日があるとわかったとき、姉が「美容室行っといで!」と私のケツを叩く。「えぇー、あたいには東京のあべちゃんがぁー」「白髪染めてこいっつってんの。この2日の心労ですごく増えてるよ!」というわけで地元の美容院へ。「えぇー、あたいには東京のあべちゃんがいるんだけどぉ」と思ったんですが、「じゃ、カットもしますね」、えぇー、あたいには東京のあべちゃんが・・・。

結果は、カットはともかく、白髪染はしておいてよかったです。告別式の日は一日中弔問客に頭をさげ続けることになり、多くの方がわたしたちの頭頂部を見ることになるんですもの。さらに、家にやって来る方々は、田舎特有のついつい土下座モードになってしまうあの膝をついての挨拶をされるものですから、やはり頭頂部が目に入る。こうなってくると「白髪染めておくことは、社会人としてのマナー」なんですな。ファンデーションだけでも薄化粧も社会人としてのマナー、見る人を不快にさせないことはマナー。気をつけよう、そして私にはあべちゃんがいるんだけれども。。。

【父の喪服】
父親の夏の喪服を引っ張りだしたら、虫食い三箇所発見。オーノー。。。「このくらいの虫食い、目立たないのでは」と一瞬思いはしましたが、喪主の喪服ですよ? お母さん、こういうだらしないの大っ嫌いだったし、ほんとうに大っ嫌いだったし、と居合わせた葬祭サービス屋さんに相談。「弊社提携の貸し衣装屋さんに相談されてみては?」とのこと、その虫食いスーツをひっつかんだ姉がばびゅーんと車飛ばして借りてきました。

実は私たちの和装にもいくつか問題があり、3人とも衿芯を持ってなかったのです。ぐっ、私としたことが! これに関しても同じ貸し衣装屋さんで購入しようとしたら「あら!○○さんとこのお嬢さん? いいわよ、いいわよ、衿芯くらい貸すわよ、お母さんにはお世話になったのよ、お父さんのと一緒に返してね」と貸してくださったのです。なんたること、母の人望をこんなところでも知る。
地元資本の独立系貸衣装屋さんって商売どうなんだろうと思ってたんだけど、案外こんな需要があるのかもしれないですなー、と気付かされました。

【姉の喪服】
母は姉たちの結婚にあわせ喪服をもたせていたのですが、そのうちのひとりの姉がやらかしてました。「夏の喪服ってこの透けてるやつだと思うんだけど、カビ出てる・・・・」、パードン!? 姉ちゃん、どういう保管してたのよ! 「ふえええん、楽天で借りる、今借りると間に合うみたい」で、借りて翌日間に合いました。大阪の貸衣装屋さん、すばらしい、そしてクロネコヤマト、頼もしい。

あけてみたら、腰紐4本、コーリンベルト、帯枕、足袋、衿芯、帯揚げ、肌着に襦袢、帯締め、草履にバッグなどなど、布のスーツケースになんでも一式入ってる。この一式さえあれば確かにその場で、たとえ富士山山頂でも着物が着られるという素晴らしパック。「ほほぅ、和装の通販貸し衣装ってこんなんなってるのかー」と感心していたら、ば、今度は私の喪服の絽の帯揚げ・帯締めがないことが発覚。わわわわわわー母さん、いったいどこに!!

などとやっているうちに、実は姉、松本市内の呉服屋さんにカビだらけの着物一式持ち込んで相談しておりました。「一年に一回くらいいらっしゃるんですよねー、明日の葬儀に間に合うんでしょうかという方」と半分苦笑いしながら受けてくださり、一晩でカビ落とししてくださいました。わわわーなんという悉皆屋さんなの? みなさま、松本に男気あふれる悉皆屋あり、ですわよ! 覚えておいて!(店名聞くの忘れちゃったんだけど)

それを通夜の日の朝に姉の旦那氏が受け取り、翌日の告別式にはきちっと間に合いました。感謝の気持ちで三人姉妹分の喪服は、ここでまとめてクリーニングしてもらうことにしました。ありがとうございました、男気悉皆屋さん!

さて、そこで浮いたレンタル喪服一式。これで私の帯揚げ・帯締めが一組できましたやん! 姉が「わー足袋忘れたー」といえばレンタルセットの中からさっと。着付け師が「コーリンベルト余ってません?」といえば、はい、こちらにございます! これがケガの功名というものなのかしら。おかげさまで当日は三人揃いの家紋が入った喪服で参列することができました。

おかあさん、やるなー。これ、冬用のもあるんでしょ、ほんっとすごいわ。母親、喪服のすぐちかくに、葬儀用のバッグと草履も揃えておいてくれたんやで、やるなー。しかも平成一桁年代の品物で、なんでもすごく生地がよい。保管もよい。どんな思いで箪笥の中の私の喪服を手入れしてくれてたんだろうね。

というわけで、みなさまも復唱してください。

・葬儀の前には白髪染め
 ポリシーで自然のままにされている方は其の限りではありません。爪も手入れしておいたほうがいいですな。キラキラネイルとかは控えたほうがよいでしょうし。

・いざとなったら貸衣装屋を頼る
 案外安くてサイズも豊富! 

・姉妹複数人いたら予備のためにレンタル和装一式借りておくのもあり
 腰紐も汗ばんだまま返しちゃったんだけど、あれでいいんだよね。いいのかな。

2 COMMENTS

いち

ご母堂、なんて行き届いた方……。
そしてやはり3人姉妹って心強いね。
うらやましいよ。

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ukasuga

ほんっとだよね!「これ、一人っ子の人どうするんだろう」と思いながらアワアワと過ごしましたもの。詳細はまた別途! 

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