花桔梗着物着らるる喜びを/「きものサローネ」/生前は母がお世話になりまして

七緒 vol.47―着物からはじまる暮らし 特集: 着物おしゃれ診断 (プレジデントムック)

月曜日は日本橋できものサローネを見てきました。今年は浴衣を着る機会もなかったし、着物なんて着る気分じゃないけど、やっぱり目にするとワクワクしてきますねー。きものも大事なんだけど、こんな(どんな?)状況が続き足が遠のいてた着物屋さんがこのイベントに出展されていると聞き、「実は母親が七月に亡くなりまして」とご挨拶に伺った。そこでは「わたしも早くに父を亡くしまして」とスタッフの女性が慰めてくれました。

「でもその頃はわたしも若く、友人たちに父が亡くなったことをなかなかいえませんでした。わかってくれないと思っていたし、実際そうなんです、わかってもらえないんです」

そうなんです、わたしも亡くなった母の年齢を口にしたとき「若いねぇ」と残念そうな顔で返されるのが本当に辛いんです。確かに若いかもしれないけど、女性の平均寿命に達してなかったけれど、別に悪いことしたわけでもないし、母は立派に最後まで病と闘っていたもの、最後まできちんと生ききったもの、といつも心のなかで反論しているのです。心から慰めている言葉なのかもしれないけれど、この言葉を耳にすると、本人や家族になにか至らなかったことがあったのかと感じられてしまい本当に辛い。

「でもね、わかってもらえないのって仕方ないんです。やっぱり自分が経験しないと気がつかないことだし、自分自身もそういう反応してたかもって思い返せるだけで上出来だと思うんです。わたしはあのとき、着物が着られる日常ってありがたいんだなー大事なんだなーってすごく思いました。気持ちや時間に余裕がないと着物って着られないんですよ。着物が着られる日常って実は得難いものだったんだなーって」

そうね、ほんとにそうね。そういうお話ができて嬉しかったわ。わたしもそろそろ着られるのかしらね。三連休に東京の自宅にいたのってひさしぶりなんです。まるまる一ヶ月東京にいるっていうのも数年ぶりなんです、震災前から遡れるくらいのことだと思うんです。日常生活も粛々と進んでいますが、そういう日もまた遠からずくるとよいなと思っています。

2 COMMENTS

はな

お久しぶりです。両親を続けて亡くしました。今年。」1か月違いの命日。私が違和感をもっていたけども、反論しない言葉は「ご両親は仲が良かったんですね」。今も涙がわいてきます。家族のことは家族だけがわかればいいいんですよね。

返信する
ukasuga

はなさん、それは大変でしたね。お悔やみ申し上げます。ほんとうにいろいろあったことと思います。お疲れ様でした。
結婚っていいものか悪いものかとピンとくるようなものが一切感じられない両親のように見えましたが、それでも二人は、それなりに愛し合っていたんだよなーと思うと。娘の目にはまったくそういう場面が映らなかったのですが。家族のことは、家族の中だけで、で十分だと思います。わたしもそう思うようにしています。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください