イントゥザワイルド、キンドルどうでしょう/クロサワコウタロウ「珍夜特急」/旅をしながらKDPだけで生きていく話など

珍夜特急 2nd season 1―カナダ・アラスカ―

珍夜特急 2nd season 2―アラスカ・カナダ・アメリカ―

Kindleのラインナップを眺めていると「珍夜特急」という、沢木耕太郎の「深夜特急」を明らかにアレしてアレしたタイトルの御本がたまに浮上してきます。ただのパクリの旅本なのかちらどうなのかちら。海外でうっかり開放的になったコカーンを中心としたただれた女性関係などを綴った淫猥な本かもしれないわ、決して読んだりしないわ、読むもんですか! と思っていたのですが、この御本の続きで「カナダ・アラスカ編」というタイトルを見つけてしまいました。アラスカ・・・! アラスカの旅なんて、行っても行っても平地で、オーロラを見ようとして北上するもののパスタ作るのに時間がかかりすぎて距離を稼げず、目的地に着いたら着いたで猛烈な雨でオーロラどころか星空も見られない、そんなしょぼい旅を描いているに違いないわ、そうよ、そうよ、そうに決まったわ・・・、と思いつつも、わたくしの人差し指はポチッと購入してしまい、うっかり読み進めてしまいました。のほほほほ、ほらーやっぱりー野営したら強烈な蚊の群れに襲われ、野生の熊に襲われ、舗装されていない路面を走らされ、行っても行っても変わらない風景を眺めてる、大変つまらない旅じゃないですかー!! つまらない旅じゃないですか、なのに読み進めちゃうー!!! 

作者のクロサワ氏、2002年にユーコン、アラスカの旅をしてるんですけど、水曜どうでしょうのアラスカ編ロケは1998年、ユーコン編が2001年なので、長い人類の歴史から見ればほぼ同時期にアラスカに行ってるんですな。そんで水曜どうでしょうが目指したコールドフットよりもっと先の、北極海が見えるところまで彼はホンダのバイクで旅をするんです。あのダルトンハイウェイをもっともっと進んで、デッドホースというところまで行くんです。あのエリアまで行くとぬかるみ・沼・ツンドラの繰り返しで、景色なんて変化ありません。道は2016年のいまも舗装されていません。そんな道をホンダのバイクで進んでいくんです! えぇぇ・・・・一人では絶対行きたくない・・・・そんなところ・・・・

そんなアホ旅の顛末を読んでいるところです。もっと「世界一周ホモの旅」的な内容かと期待していていたのに、作者さんは辺境ラブがどうも濃すぎる(素敵!)。ただれた女性関係の描写なんて一切ありません、大変失礼いたしました、なんとも男臭い旅物語なのです。読みながらこの方に対してフツフツと興味が湧き、「旅ライターさんなのかちらどうかちら、ブログとかやってるのかちらどうかちら」と検索してみてもそれらしい情報が見つかりません。で、見つかったのがこちらの記事。

【amazon合同会社 『珍夜特急』の著者 クロサワ コウタロウさんのストーリー】

にゃんと!作者のクロサワさん、キンドルで自費出版して(自費出版?)、その売上で「今はKDPの売上だけで生活しています。といっても、1人で食べていくのに困らないという程度ですけど」な経済状況らしいです。にゃにゃんと!!! 作者さんは旅の密度が濃すぎる旅ブロガー(ブログじゃないけど)だったのですか!! 現在は、Kindle Unlimited で全作品解放中でして、これってどのくらい作者さんに還元されるのかしらと訝しんでいたのですが、鈴木みそさんがまた豪快なデータを出されていたので、これくらい作者さんに還元されるのでしたら、ええもう遠慮なく会費払い続けましょうっと判断した次第。すごいな、文章が不労所得になるのって! あ、小説家さんとかエッセイストさんってそういう暮らしなんですよね、いいな、一度作ったものが何年経ってもチャリンチャリンと音立ててくれるのって、素敵ね、しかも固定資産税とかとられないタイプの不労所得! 

そんな生活スタイルを羨ましく思いながらも、この人の旅の追体験を続けている最中です。ほんっと、アラスカの旅って『だからどうしたこの辺境!』って感じがたまらなく素敵なんですけれども。また行きたい。こちらは北極圏に入ったあたりのお写真です。1ドル120円で決済した遊覧飛行・・・ぐぬぬぬぬぬ・・・・。

水曜どうでしょう 第12弾 香港大観光旅行/門別沖釣りバカ対決/北極圏突入 〜アラスカ半島620マイル〜 [DVD]


とか言ってたら10月になってキンドルアンリミテッドからの出版社の撤退ニュースが相次ぎまして・・・

出版社にはまったくうまみがないサービスですが、自分が版元になってる人にはまだまだ美味しいということでしょうか。鈴木みそさんとか、江口寿史さんもすすめ!パイレーツを自分の会社名義で復刊させているようだし。表紙イラストがオシャレになってて、さすがKING OF POP の江口寿史さんだなーと思います

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