あらすじはギンレイホールのサイトから。
怒りに任せた危険な闘い方が持ち味の無敗の王者ビリー・‘ザ・グレート’・ホープ。しかし、その怒りが引き金となって最愛の妻の死を招き、ランセンスも娘までも手放すことに… 伝説のチャンピオンが愛する娘のためにプライドを捨て再起をかけて奮闘する人間ドラマ!
養護施設で育ちながらもボクシングで人生の成功をつかんだ(そのあと豪快に手放すことになる)王者ビリーを「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、同じ施設で出会い、子供の頃から彼をずっと支えてきた妻モーリーンを「スポットライト 世紀のスクープ」や「ミッドナイト・イン・パリ」のレイチェル・マクアダムスが(超かわいい、とてもかわいい)、ビリーの復活まで導くトレーナー・ウィルを「ラストキング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィテカーを演じます。
『こんな皮膚がたゆんたゆんとした薄く太ったカルヴィン・ハリスみたいな男性がボクシングの王者ぁ?』って感じがしないでもないですが、そうでないと映画が成立しないので致し方ありません。
ダメおやじとなったパパを娘に会わせてくれない養護施設のケースワーカーがナオミ・ハリスなんですが、ナオミ・ハリスがすごくいい! 日本映画で言ったら市川実日子!ってくらいすごくいい!
それでもっというと、子役のOona Laurence ちゃんがすごくいい!!! アメリカ映画で言ったら「ナイスガイズ」のAngourie Riceくらい良い!!
しかし、子役がもってったー! 全部子役がいいところをもってったー! ブラピ並に持ってったー! ちょっと前歯の足りない子役がぜーんぶもってったー! その子役のおかげで、映画を見始めた瞬間にどんな結末を迎えるかわかってしまっていたけど、それでもハラハラしながら最後まで見通せて、要所要所でくすんとなって、ラストシーンでぽろりと涙が出ちゃったもの。やるなー天才子役め!
さて、失意のどん底となり、金も友だちも娘も失ったビリーが、古いつきあいであるウィルのボクシングジムを訪ねます。「なんでもするよ、仕事ないか」「おまえにできる仕事はない」「仕事がないと娘と面会もできないんだ」「・・・実は夜間清掃の人間が倒れちまったんだ、おまえ、やるか?」、夜間清掃の人間なんてもともといないのにね! キッキッ! こういうやり取りが見たくて、こういうシーンがちゃんと練り込まれていたので、それだけで満足です。
こういう「いくら親友のお前の頼みでもあの資料庫の鍵は渡せないよ、すまんな・・・(ちょっと時間を空けた後)・・・ま、俺はこれからランチに行くから、その間にあの書庫のドアが空いたところで知ったこっちゃないけどな(ウィンク☆)」みたいなシーンだけ集めた映画祭はないのでしょうか! そういう激渋シーンだけ集めた映画をまとめた映画をみたい! 誰か! 誰かそんな映画祭を!
昔は企業へ取材に行った際に、資料庫のカギのようなエピソード、時々あったなぁ。「いやいや、そのデータは開示できないよ…(メモ書き書き)このメモも渡せないな。あ、でもこれ俺も要らないや。捨てるか(ポイ~)。捨ててあるメモを誰が拾っても俺は知らんよ(ウインク)」みたいな。コンプライアンスとかがさほどうるさくなかった頃の体験談です。最近、そういう人居ないわ。
あぁよかった!こういうのってうまく伝わるかどうか自信がなかったのですが、ふなやんには伝わった! こういうおじさんたちの「ウィンク」を得て人は成長しますよね!しますよね!わたしもそういう優しいおとなになっているかちら、どうかちら!