神様はウズベキスタンに帰ります/映画「神様メール(原題:LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT)」

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神様メール [DVD]

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Le Tout Nouveau Testament

「神様メール」、英語のタイトルは「The Brand New Testament」。このゆるふわ邦題がー! 「新・新約聖書」ってのがほんとうのタイトルです。ベルギーの「聖☆おにいさん」みたいな物語だと思ってください。神は意外と近くにいる!

聖☆おにいさん 通常版(12) (モーニング KC)

あららすじはギンレイホールのサイトから。
ベルギーのアパートに家族と暮らしている“神様“は自分の部屋のパソコンで面白おかしく人間の運命を弄んで世界を支配していた。娘のエアは、人間が運命に縛られないようにと余命宣告メールを送り、家出してしまう… 奇想天外なストーリー展開で、ひとりの少女が巻き起こす騒動と奇跡を描いたファンタジックコメディ!

余命を宣告された人類たちが取った道は・・・・!!!!  少女が起こした奇跡とは!!!! っていう感じでもなくて、ベルギーを舞台にした愉快でちょっとだけブラックな話。奇跡おきっぱなし。カトリーヌ・ドヌーヴみたいなえらいすてきなマダムがお金持ち経営者の妻の役として登場するんですけどね、マダムのバッグはデルボーでした。デルヴォー、この10年で倍近い値段になったデルヴォー! さすがブリュッセルのケリーバッグ、デルボー。ベルギーを舞台にした映画でしたらそりゃーデルボーをもたせるのが正解ですよ! だけどこのフタ部分のベロンとした部分が絶対しわしわになるのが買う前から見えているので手が出ない、それがデルボー!!! ネイビーのデルボーとか品がよくって素敵よね。でも王室バッグだから現実世界だと持つハードルが高いわねぇ(世界の国のアイコンバッグを知ってると映画も数倍楽しめるのね!)。

まぁそのカトリーヌ・ドヌーヴみたいな素敵なマダムが、やっぱりカトリーヌ・ドヌーヴだと途中で気がついて椅子からずり落ちそうになったんですけれども。

映画のふしぎさ加減というかトンチキっぷりでいったらミシェル・ゴンドリーの「うたかたの日々」やちょっと苦手な「さよなら、人類」と同じくらいで、こういう摩訶不思議な映画ってあまり得意じゃないと思ったんだけど、今回はツボにはまった! とにかく神様の造形が最低すぎてブラックユーモアたっぷり、主役の少女はかわいらしく、鳥おじさんはすてきな土地にたどり着き(この土地をわたしも追いかけていきたい)、運命の恋というものが物語のなかにいくつも散らばっていて、この数年みたことのないレベルの愛らしいエンドロール、「この映画のサウンドトラックは買ってみようかしらん」と思ったり、ガールズバンドの歌うニルヴァーナみたいな主題歌はとてもキュートで、要所要所でハートを鷲掴みにされました。十歳の男の子と女の子がふたりの秘密基地でロックにあわせて踊り狂うとか、もうなにこの可愛らしさ、ティーン・エイジャーとしての正しさ! 機会がありましたらぜひ!

 

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2 COMMENTS

いち

あ、これ見逃した映画!
そして私の好きな「さよなら人類」は
ウカスガさんには「無理!」だったのですね。
まあの映画は不条理映画っつーより、
今見てる私が不条理な目にあってるわ!って
そんな映画だったしね。

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ukasuga

「さよなら、人類」よい映画でしたけど、あの奴隷を鉄鍋でホニャララするシーンが強烈過ぎてダメでした。神様メール、邦題ひどい。映画は面白かったですよ!見たことない感じの場面がすごく多かった。わたしの前に座っていた姿勢の良い殿方は明らかに困惑してましたけど。

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