春の風邪よしながふみでお祭りを/「大奥」「西洋骨董洋菓子店」

大奥 9 (ジェッツコミックス)

えっらい風邪ひいて週末から寝込んでおりました。風邪ひいても食欲が無くならない人間なのに、珍しくなにも食べる気がせず。寝汗、頭痛、高熱、胃痛、吐き気、あぁ私はこうやって社会の片隅で死んでしまうのだ、お腹の上にやってきた猫が「ぶふーぶふー」と鼻息あらくしているのを聴きながらこの世とそっとおさらばするのだ、手を付けてない貯金山、二回しか着てない買ったばかりのブラウス、野菜庫で冷やしてあるお高いワイン、冷凍庫の中のハーゲンダッツ6個入りパック、そういったものともひっそりとお別れしていくのだ・・・・・・・・・・
・・・・・・するわけにいかねぇっつーのーーーーー(It’s JJ Style!) というわけでようやく元気になりました。健康って素晴らしいわね。

寝込んでいる最中、よしながふみの「大奥」を読みはじめました。名作です、映画化もされています、有名な作品です、私も途中までは読んでいるのです、既刊全14巻のうち9巻まではしっかりと読んでいるのです! 赤面疱瘡の感染力抑止の手がかりが出来、さぁこれからだと希望に満ちたところで、田沼意次の権勢に陰りが見え始め、平賀源内が暴漢に襲われてしまう・・そんな絶望的なシーンで終わる9巻までは読んでいたのです。発売当時に読んでいたのです。ですが、続く10巻の表紙を見たとき、あぁこの登場人物たちは全員この世を去ってしまうのだと読む前からわかってしまい、そんなのあんまりじゃないですか、とそこから先を読むのを止めていたのです。10巻の表紙はこちら。

みなさん影が薄い!!!! あの世感が強すぎる! 強すぎるよ、よしながせんせい!

大奥 10 (ジェッツコミックス)

そしてその10巻から読み直しまして、史実通りにことは運んでおり、もう幕末編が始まっておりました。物語は20巻くらいで終わるのでしょうか。水戸斉昭みたいなおっさんがいまの職場にいたら日経WOMANで槍玉に上がりそうですし、この男女逆転大奥物語、ジェンダー的にもいろいろなメッセージがありますわね。

でそのままよしながふみの世界に没頭していたくて、「西洋骨董洋菓子店」を初めて読む。1999-2002年に連載された作品、うっかり20年前! よしながさん、このときから絵柄が安定していて、今読んでも全然違和感がない、ダンダンダン! 世の中の気の利いた漫画読みのみなさんはこの作品でボーイズラブ文化というかゲイ漫画文化というかホモ漫画文化を知っていたのですね、ダンダンダン!  私が「世界一周ホモの旅」で2016年という21世紀もだいぶこなれた時期にホモカルチャー(?)に初めて接触したのに比べ、なんと洗練された出会いだったのでしょう、羨ましい限りですわ! ダンダンダン!  

というわけで、よしながふみさんに風邪を慰められた週末でございました。ありがとうございます。

2 COMMENTS

ふなき

アラフィフ漫画読みの場合、ボーイズラブ文化というかゲイ文化に初めて触れたのは、おそらく子供のころ(1970年代)の萩尾望都先生(トーマの心臓、11月のギムナジウム)、竹宮恵子先生(風と木の詩)、思春期(1980年代)の山岸涼子先生(日出処の天子)、森川久美先生(南京ロードシリーズ)あたりでしょうね。さらにコミケやJUNEなど、少しディープな部分に触れて、その後真っ逆さまというところでしょうか。
1990年代のボーイズラブ界隈はどうなっていたのかしら?その時期、ちょっと外れてたからよくわからない。

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ukasuga

「ゲイってつまり、ハートは乙女なんだ!」などといった卑近な例を紐解いてる作品の出現年度などが知りたいのです。コミケまで足を運ばずともある時期には十分流通してたんですよね。調べます。

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