氷点下七度の寺の寒牡丹

週末は父親の一周忌でした。

父親が旅立つその瞬間まで、私達家族で集まれる人は孫も家族も全員集まり、父親のベッドを囲みしっかりと見送ることができたのだけど、それはつまり、一人の男が、田舎にうまれ田舎に育ち、激変する時代にのんびりと立ち向かい、3人の娘を育てあげたひとりの老人が半日かけてゆっくりとゆっくりと死に向かっていく様子をまざまざと目にすることでもあり。目は虚ろで光をとらえておらず、耳は聞こえているというけれど、体の末端からどんどん体温が奪われていき、冷たいというわけではないけれども、血が巡ろうとしてない様子が素人目にもわかり、こうやって人は死ぬのか、と。肉親の死だというのに、いま、私は穏やかにゆっくりと死出の旅を行く人を見守っているのだという事実に心が囚われてしまいました。

それは金曜日の夜のことで、月が出ていて、田舎の冬の夜はしんしんと寒く、手際よくやってきた葬儀社の人がテキパキものごとを進めていくのを見守ったり、でもそれも半年前に体験したこととさほど変わらず、どこかで要領よく対応している自分の姿を見下ろしている誰かの視線を感じ、しかしその間も夜はしんしんと冷えていき、月は煌々と輝き、夜なのに山々は白く輝き、本当に寒い夜だった。寒い夜だった。そして一周忌。

 和尚さんー! ストーブの配置が違うーー! 
 待合室に巨大ストーブ3基はありがたいー!
 だけれども、三十畳式の部屋にファンヒーターひとつでは寒いー!!

法要のあと「ふふふ、ここはいま、氷点下七度ですからね」とおっしゃる和尚様、わかる、和尚様が履いてらっしゃるのはあったかふわふわな中がネルの足袋ですよね、わかります、わかりますとも、その皺のまったく入らない足袋姿。和尚様の息子さんは鶴見の大きなお寺で修行されてきたとのことで、打楽器系がお得意でダンサブルでハートを撃つ太鼓をたたき、なかなかよい読経でございました。そしてこの夏は母親の三回忌です。あぁ。

 

昨日はわたしの誕生日でしたが、朝の5時からガツガツ仕事してて夜までガツガツ仕事してて、夜遅くなってからスーパーに行った。ムラムラして黒毛和牛のランプと、花といちごを買ってきた。肉を焼くのだけはうまいのだよ。ふふふふ。

いちご食べながらニュース番組を見ていたら、国内いちご生産高ナンバーワンの栃木県が「いちご王国」として立国したという話題を。ノリノリの県知事が王様の装束で会見をしている。すばらしい、こういう知事、嫌いじゃない。買ってきたいちごはあまおうととちおとめでしたが、昨日はとちおとめに軍配があがりました。あまおうより三割も安いのに、やるねぇ。

 

北斗の拳 イチゴ味 1巻

 

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