あらすじはギンレイホールのサイトから。監督は「氷の微笑」と「ロボコップ」のポール・バーホーベン。
自宅で覆面の男に襲われたゲーム会社の女社長ミシェルは警察にも通報せずに、いつも通りの生活を送ろうとする。しかし犯人が身近にいると感じたミシェルは自ら犯人探しを始めるが… ハリウッドの女優たちに出演を断られるほど衝撃の主人公をフランスの名女優イザベル・ユペールからの逆オファーで実現した異色のエロティック・サスペンス!
見た直後の感想をお伝えしますが、ブラックジョークで凝り固めたような映画でしたよ。えぇ、まったくほんとに胸くそ悪い描写が多々あるのですが、主人公たちのファッションが素敵だったり、インテリアが素敵だったり、パリの町並みが素敵だったり、主要人物たちがそこそこ社会で成功している人も多く舞台は高級アパートメントだったりで見目麗しかったりして、うっかり「これはおしゃれフレンチ・ミステリーね、ふふっ」ってまとめたくなっちゃうときもあるのですけれども、131分の作品の中に、消化しきれないほど複雑な事情があったり、ミルフィーユ状にたっぷりと重ねこまれた人間関係もあったりでお腹いっぱい。
主演のイザベル・ユペールさん、撮影時はおそらくカンレキーヌ。すごい、きれいな、おみ足!!! さらに、あのストッキングっ! あの大きく開かれた脚の間にいったいなにが隠されているのかしらと女でも気になってしまう美しさっ! ちょっと! なんですか、このエロティックな映画はっ! いやしかし、この役をよく引き受けられましたね。ハリウッドだったらシャーリーズ・セロンあたりがやると良さそうです。でもシャーリーズ・セロンがやると、途中から大アクション映画になっちゃいそうなので、やっぱりフランス映画であるのがちょうどよいのかもしれません。
あの主人公が淡々と事後処理していく感じとか、自分なりに武装していくところとか、そんな目にあってるのに部下の仕事に「私たちが作ってるのは、クッコロ系のエロゲーなのよ?! 全然エロくない!」と突っ返したりするとか(クッコロ→お姫様が敵に捕まって大変な目にあう直前に、「くっ・・・殺せ!」と言うようなエッチなゲーム)、最後もつまりはほんとはあれをああしてこうするつもりだったのにブラックジョークみたいな出来事が起きちゃってわーってなったりで、そこは多分笑っていいところなんだろうけど笑っちゃうとギンレイホールという牧歌的な環境の中でさえ「人でなし!」と言われちゃいそうで、女とは男とは! あぁ、女とは、男とは! ふふふ、女とは、男とは!
あと、あれだね、女もきちんと仕事して自立してないと生きていけない世の中だよねってのは深く理解させられましたね。あ、あと、かわいいシャルトリュー系の猫ちゃんが出ていてよかったよ。こういう映画があって、「#MeToo」の流れになってかもしれませんしね、2017年のすごく意味のある映画だったのかもしれません。
いやはや・・もう、ほんと、ブラックジョークであってほしいですわ・・・という映画でした。ギンレイホールにて。これから各種批評とWikipedia読みに行きますっ!!!!
会社の共同経営者の女性との関係や、馬鹿息子夫婦、それに実は何もかも知っていたかのような奥さんとか、事件以外にも多くの事がいくつもあって、それはタイトル通り彼女の生き方や人生そのものなのねーとか納得する、ちょっと変った映画でしたね。イザベル・ユペールはこの映画と同時期に「未来よ こんにちは」という学校の先生の人生の節目を描いた映画にも出ていて、なんでも演じる事が出来て凄いなと思いましたよ。若い頃から有名だったけど、ここでまた株を上げましたね。カトリーヌ・ドヌーブが50過ぎても脱いでたのに驚いたけど、こちらも凄い。脱げばいいとは思わないけど、日本にこれくらいの気合入った女優居ない気がするわ。
「白黒つけるのって色々無理がありますやん、わかるな? わかるよな?」という映画でしたね。イザベルさんのグレージュのコートがとても素敵で、でもお話はブラックで骨太でよかったですね。