真剣にヴィンランド・サガを読んでみた/幸村誠「ヴィンランド・サガ」

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンコミックス)

あらすじはWikipediaから。
11世紀初頭の北ヨーロッパ及びその周辺を舞台に繰り広げられる、当時世界を席巻していたヴァイキングたちの生き様を描いた時代漫画である。タイトルのヴィンランドは北アメリカ大陸にあったとされるヴァイキングの入植地のひとつで、主人公のトルフィンは11世紀に実在したと言われるアイスランド商人ソルフィン・ソルザルソンをモデルにしている。

2005年連載開始でいまも月刊誌で飛び飛びながら連載中の本作品。
略奪行為にふける獰猛で野蛮な北欧のヴァイキングの絵空事のような漫画かと思っていたら「あれ、もしかしてこれって史実だったりするの?」ということに途中で気が付きました。

フィンランドに行ったとき、現地の女性たちが背が高くただそこにいるだけなのに金髪碧眼の美人ぞろいで、それはいい、それはいい、それはいいんですけど、現地の男性も目がくらむようなピカーッとした美男ばかりで「一体どういうこと!!そしてみんな親切!!!」と驚きました。そういった事情を踏まえつつ、いやに美形ばかりが出てくるこの漫画を読み返したら「確かに北欧の人ってば、美形多いもんなー」と妙に納得したり。
さらにこの作品の生みの親の幸村誠さんが立教大学で行ったという「漫画でつなぐ、中世北欧と現代日本」という講演のPDFを読み「この漫画、やはりただならぬ作品なのだわ」と思いを改め、この連休で一巻から読み直してみた。

主人公はアイスランド出身。アイスランド!!! 今年のワールドカップでわかせてくれたアイスランド!!! 
幼児といってもいい年齢のトルフィンは、さる事情でどんぶらこっことデンマークまでやってくる。成長した彼は、デンマークとイングランドを束ねるクヌート王と接触したりすることも。成長するに従い壮絶な経験を積み、青年期を迎える頃には彼自身が人生でなすべきことを決めた。その決心を胸にデンマークを一度離れたトルフィンは、アイスランドの生家に戻り、準備を整え改めて船出することに。次の目的地はギリシャ。しかし、行く先々でまたいろいろございまして、あれしたりこれしたりしてる最中。
多分、これでやっと物語の1/3前後ではないでしょうか。幸村先生は今年40歳、このペースだと私が生きてる間に物語が終わらない気がしてきます。先生、お願い、完結させください。

幸村先生の上の ↑ 講演は中世北欧史をさらっと紹介してくれています。これを読み終えたら、ようやく物語の内容がぐっと体に染み込んできてくれました。なるほど、デンマーク! クヌート王はデンマークの人なのね、デンマーク、デンマーク、デンマークといえば北欧の至宝、マッツ・ミケルセン先生のお國ではないですかあ。あぁーそうかー、クヌート王のモデルはヤング・マッツ・ミケルセンに違いない、そうだそうだそうに決まった。

ヴィンランド・サガ(7) (アフタヌーンコミックス)

偽りなき者 [DVD]

原作ファンの方、立教大学の先生の講演読むと作品の背景がよくわかりとてもおもしろいと思います。以前、ツイッターで「イタリアでも女性に声かけまくるのが苦手な男がいる」「九州で生まれて男尊女卑に馴染めない男はみんな東京に出てデザイナーかバンドやる」という言説を見ました。幸村先生も上の講演で「北欧バイキングに生まれても戦いが苦手な男はいたと思う」といってますが、そうよね、そういうことよね、物語はそういう男の新しい世界を作る話なのですよ、まだ物語の全体の1/3にも達してないような気がするんですけど。未読の方はぜひー。

そうかー、クヌート王の国からはマッツ・ミケルセンが、主人公トルフィンの国かビョークやシガー・ロスが生まれるのかー。
JTBでいま、アイスランド8日間30万っていうツアー出てるのよね、行きたいな、アイスランド、火山とオーロラと雪の国。

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