黄色いおとぎ話の世界へ/映画「ムーンライズ・キングダム」

 
「ダージリン急行」の作家さんなのよねー、ブルース・ウィリスが出るのよねー、という予備知識だけで見てきた。ギンレイホールで。公開当時は見ようと思い立った頃にはすでに日比谷シャンテで1日1回の上映になってて、タイミングあわず見はぐったもの。いや、実際は「そこまでしてみなくていいかな」と思ってました、正直。
で、ギンレイホールでかかってるので、じゃ、見に行ってみるか、と。
で、行ってよかったな、と。この世界に酔いたくて、どっぷりはまりたくて、人はこの監督の映画を見に行くのだなと、エンディングの最後までがきちんとした作品で、それを最後の最後までじっくりと味わうのがこの監督さんへの礼儀なのだな、と。音楽がよかたー。楽しい96分だったー。
12歳のサムとスージーは互いに惹かれ合い、密かに駆け落ちの計画を練る。ボーイスカウトのキャンプから脱走したサムと、両親の目を盗んで家出したスージーは秘密の場所"ムーンライズ・キングダム“を目指す… 2人のひと夏の冒険と、それを追う大人たちの滑稽な姿を描いたコメディ・ドラマ!
小さな島で暮らす人々。その島の駐在さんがブルース・ウィリス。ボーイスカウトの隊長がエドワード・ノートン。ファイト・クラブで石鹸作ってた彼は、「本業は数学の教師だ」「博士号は?」「それはいま関係あるのか」などとやりとりしながらちびっこたちとキャンプ場で暮らしてる。そんな島での物語です。

アメリカ版のポスターはこんな感じ。ほほぅ、ゆるふわ志向じゃないのですね。この作品に限っては、日本版のかあいらしいポスターのがよいような気がするな。黄色が、いいんです。ちょっと濃いひまわりのようなあの黄色がすごくいいんです。あの映画の世界は、日本版のデザインのほうがよくあらわされていると思います。監督的にはアメリカ版の世界のがお好みなのかもしれないけど。
ダメで冴えない薄毛で初老の島の駐在のブルース・ウィリスがいいんです、ダイ・ハード1のブルース・ウィリスと同じくらいかっこいいラストが待ってます。「あぁ、やっぱり、ブルースたん、やっぱり相当深刻な薄毛に・・・」とファンでもない私が心配しちゃうくらい頭頂部をさらけ出すのですが、そこがすごくよい。世界を救わないブルース・ウィリスがあってもよいではないですか、ドーン、と机を拳で打ってもいいくらいによい。
ピンクの石鹸を作ったりしてないエドワード・ノートンもすごくいい。あー、楽しい世界にどっぷりはまったなー。帰りに八百屋で万願寺とうがらしを買って、夜は焼き焼きしたわー、仕事も進んだし、楽しい一日だったわ。
ライフ・オブ・パイを見てる間、ビッグフィッシュみたいな映画だなーと思ってましたのん。あれも巡礼の物語だったのよね、ねぇ、スティーブ・ブシェミー。
http://www.allmovie.com/movie/v538719
これによると、「ムーンライズ・キングダム」は、First Love / Runaways / Small-Town Life / Summer Camp というカテゴリ分けがサれてまして、このカテゴリから遡っていくのがすごく楽しそうなんですが、夜も遅いので今日は我慢します。たったいま、プライスさんご夫妻物語を見終わって、胸がいっぱいだったりしてますし。
あぁ、福島に行きたい、福島に行って若冲の世界にひたってきたい。プライスさん、今回の「若冲がきてくれました」展がご自身が開催する最後の展覧会だって言ってらっしゃるの。お生まれはオクラホマ、ゼア・ウィル・ビー・石油ボカーンな裕福なおうちに生まれたの、奥様は日本人のエツコさん、綺麗な白髪のとても素敵な方でしたわー。あぁ、福島に、福島県立美術館に行きたい!じゅるり・・

2 COMMENTS

さよ

プライス・コレクション、是非行ってくださいまし~。
4月の連休に仙台遠征して観てきましたが、とんでもない至近距離から(保護ガラスも
無し)、「鳥獣花木図屏風」を眺められるという太っ腹な展示でした。
福島でも同じようにするのかな?
お酒好きな方には、若冲ラベルが貼られた、開催三県の純米酒セットという
絶好のお土産もありますね。

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スガ

やっぱ福島行かなくちゃだねー!
見たことがある作品もおそらくあると思うけど、プライスさんご自身の最後の出展ということですので、行ってみたいと思います。

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