けふ京都すさまじき雪けふ京都/冬の京都限定公開/長谷川等伯祭


今年の富士山、雪少なくない!?

 

「京都冬の旅 スタンプラリー」という素晴らしイベントをやっていましたので行ってきました。この時期の米原・関ヶ原あたりは、雪やらなにやらでアレしたりこれしたりするとわかっていましたが、行きの車内からは新幹線がばっちり見え幸先もよく、午後1時に到着した京都も快晴、素晴らしい旅の幕開け! などとホクホクしていたら、お寺三ヶ所まわり終わった午後3時頃からベッショベショの雪がざんざん降ってきて、なかなかハードコアな展開に。でも冬の京都なら、雪のひとつやふたつ降ってくれないとねぇ、うふふふ。

京都・冬の旅 限定公開とは

新幹線車内では、上記「冬の限定公開」ウェブサイトのスタンプラリーページで行きたい場所を調べて、google map にマークつけて、また場所を調べて・・・などということをメモ帳に繰り返し書き写しなんとなくルートを作り、自分なりに万全の体制で降りた京都駅。

観光案内所にスタンプラリーのシートがあるということで立ち寄ってみましたが、そのシートは拝観すべきルートがひと目でわかる大変によくできた印刷物。「そうか、短い滞在でも効率的に回れるよう拝観できる場所を設定してくれてあるのね。たとえば今日は、智積院-建仁寺の塔頭3箇所がひとかたまりになっていて近いし、ここで三ヶ所回るとスタンプが満杯に。その紙を持ってカフェに行けば珈琲いっぱいいただけると」ということが即座に理解できました。紙便利! 電源なくても読めるし、一覧性があるし、地図を見る時なんて最高じゃないですか!? ていうか、なんでこれをPDFにしてウェブサイトに載せておかなかったの? 私の新幹線のgoogle map 首っ引きタイムは一体なんだったの? 載せておこうよ!(どこかに載ってたのかな?) これ一枚あればサクサクと旅程組めましたやん!!!! 組めますやーーーん!

智積院 ~長谷川等伯生誕480年記念 桃山時代の絵師と京都画壇の巨匠 華麗なる障壁画~

長谷川等伯生誕480年なんですかー。今年はレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年の展覧会があるそうですが、そういう時間の流れがあるわけなのですね。
長谷川等伯の楓図、若くして亡くなった久蔵の「桜図」など圧巻でした。同時公開の京都画壇の巨匠とは昭和30年代に活躍した堂本印象画伯の襖絵で、こういうのを見るとあと50年くらいしたら、このお寺じゃないけど「寺田克也画伯襖絵限定公開」なんかのイベントもあったりするんでしょうね、そんで子供に連れてこられた初老の甥っ子が「この寺田っちゅうひとはなぁ、死んだ東京のおばさんと知り合いだったそうじゃー」なんて話したりするんですかね、どうですかね、京都の未来よ!

建仁寺両足院 ~長谷川等伯生誕480年記念 道釈画家の方丈障壁画と若冲&等伯」

智積院からバスで3停留所進んで下車。建仁寺は京都に移住したお友達に「塔頭とはなんぞや」ということを教えてもらった想い出深いお寺。こぢんまりした門の奥にこんな大きな建物があるとは。完成したばかりの七類堂天谿による『方丈襖絵36面』と、国立博物館から一時帰宅中の長谷川等伯「竹林七賢図屏風」をガラスケース越しでなく間近に見られる貴重な機会。展示替えで2月からは伊藤若冲の「雪梅雄鶏図」がかかるそうです。あらー2月も行かなくっちゃ。

建仁寺正伝永源院 ~狩野山楽生誕460年記念 山楽の障壁画で飾られた大名茶人の寺~

織田有楽斎の菩提寺、なので拝観客がくちぐちに「井上順のお寺」などと時空の歪んだことをおっしゃる。肥後の殿様細川家の菩提寺でもあります。靴を脱いで最初に目にするのが細川護煕氏によるみごな障壁画で、ほんとうにいろいろな才能のある人なのだと改めて。
イギリス人が「普通にお茶を飲めばいいのに、日本人はお茶に宇宙を見るとかいうからクレイジーなんだ!」と言ったとか言わないとかそんなネット小咄を耳にしたことがありますが、アレだ、そういう利休の存在感がしないでもないお茶大好き文化圏の建物のようで、そういうのも見ていて楽しかったです。狩野山楽筆の金碧障壁画「蓮鷺(れんろ)図」、「織田有楽斎画像」など。庭園もよござんした。そしてここでベシャベシャと雪が降り始めた、大変☆

大徳寺本坊 ~洛北の禅刹 国宝方丈を飾る探幽の代表作~

昨年秋にも行った大徳寺。ここの国宝方丈を見にいったんですが、玄関で沓を脱いだら以降一切写真禁止ということで、庭園の縁側でありがたい説明を聞いた記憶しか残っておりません。残念! 方丈(国宝)の狩野探幽筆障壁が(重文)、方丈庭園(特別名勝・史跡)、唐門(国宝)。建築の国宝揃い!

本法寺 ~長谷川等伯生誕480年記念 芸術家たちの美の競演~

大徳寺からテレテレと15分ほど歩いくとそこは本法寺、茶道会館の裏手。コンクリの保管庫併設の本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の菩提寺。「日堯(にちぎょう)上人像」(重文)、「波龍図(はりゅうず)屏風」、狩野山楽筆の「唐獅子図(からじしず)屏風」などが公開。唐獅子図の唐獅子ちゃん、ARで立体化させて自分家に住まわせたい。
巨大さと見事な描写から「京都三大涅槃図」の一つに数えられる長谷川等伯筆「佛涅槃図(ぶつねはんず)」(重文・複製)なども。これは本物が春に公開されるそうな。光悦作庭の「巴の庭」も。

相国寺慈照院 ~足利義政と桂宮の菩提所 朝鮮通信使ゆかりの寺~

本法寺から歩いて5分ほどの位置に。足利義政と桂宮の菩提所で、桂宮は桂離宮の人。「陸船松(りくせんしょう)」という大きな松がある石組が見事な枯山水庭園が印象的でした。

 

建仁寺方面のスタンプラリーでは京洋菓子司ジュヴァンセル祇園店で珈琲を、相国寺方面では俵屋吉富「京菓子資料館」でお抹茶とあんこたっぷりの雲龍という和菓子を頂戴しました。環境庁管理の新宿御苑の茶室でお抹茶と和菓子いただくと700円なことを考えると、どのお店もその金額相当の無料サービスをしてくれているように感じましたが、このイベント、とてもオトク!!! 京都市観光協会、意外と太っ腹!!! まとまったエリアで3個所公開してくれて → 見終わったらそのエリア内で一服できるよう接待個所を用意してくれてて → 甘い物食べて元気が出たらまた次のところへ移動するなんて、京都市観光協会、優しい!!! ただ一度にたくさんいろいろ見すぎちゃって既に記憶が混濁しているのが難点☆ 

地下鉄で京都駅に戻り駅構内のハーベスでシャンパンのハーフボトルとチーズのお菓子買って新幹線に乗り込み、記憶が新しいうちに安部龍太郎の「等伯」を早く読まないと、と心に誓って東京に戻りましたとさ。雪の京都も満喫できて楽しかった。

等伯 上 (文春文庫)

2 COMMENTS

ラミー

冬の京都はいいですよね。
もし機会があれば、寺院ではないのですが木嶋櫻谷の旧宅「櫻谷文庫」へ行ってみてください。
作品もさることながら、凝りに凝った螺旋階段のある和風住宅が大変よろしいです。

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ukasuga

ありがとうございます。google map に保存しました。
今回、鴨川近くのがんこ寿司にうっかり行ってみましたら、山県有朋の無鄰菴2号館の跡地を店舗用に改築したものと知りたいそうギャフンとなりました。京都って懐が広い! 

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