お山納め/みんな幸せに!


富士山

この細かい枝のひとつひとつの先にまで、緑の葉が繁っていたんだよな。

時計の中が寒くて曇った。軽装でした、反省してます。

つるべ落としじゃ、急げ急げ。
帰りに温泉に寄ってきた。塩山・勝沼の夜景を眺められることで有名な露天風呂。弓張り月は西の空へ傾き、地球照がうっすらと見える。星空と、稜線の影でくっきり区切られた暗闇と、盆地の夜景、それはそれは素晴らしい眺めで、ぼーっと眺めながら、露天風呂の湯船の中でいあわせた女の子4人組の話をなんとはなしに耳を傾ける。
同じ会社に勤める男の子と結婚する前提でつきあっていたが、同じ会社にいる限り、どちらかが退職しなければならない、このご時勢になんて古臭いしきたりだと思いはするが、私は仕事をとることにした、なので彼とは別れた、と。
「仕事しててもいいって彼が言わなかったの?」「いや、もうそれ以前にうちの会社がそういうのがダメだから」「でも・・・本当に好きだったら、そんなこと大きな問題にならないんじゃないの?」、彼女は一瞬黙る。私は、なんてもったいないことを・・・と思い、天を仰ぐ。
仰いだ瞬間、極太の流れ星が天頂を横切った。
ちょっと大きな声で「あっ」と声をあげてしまい、彼女達の視線が私に注がれた。なりゆき上、「見ました? すごい流れ星でしたよ」と彼女達に話しかけると、元気な返事が四人から一斉に。「えっ」「ほんとですか?」「どこらへんで?」「今はこの上で、真上に出ましたよ」「わー、もしかしてあれも流れ星かなー」「飛行機じゃない?すごく遅いし」「人工衛星でしょ」「・・・流れ星にしては遅いと思ったんだ!」。
来年は、彼女にも、みんなにも幸福が降り注がれますように。

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