コロナショックによせてその5/ダニー・ボイルはNHSの夢を見る(のか)

28日後... (字幕版)

 

先週から欧州のコロナウイルス情報が日を追うごとに凄まじいものになってきている。イタリアで町ごと封鎖、フランスは飲食店など一斉休業ドイツが国境封鎖などなど。いやーいやいやいやや、国境があるといっても「信濃の国は十州に境連ぬる国にして」的なゆるゆる国境ですよ? しかもシェンゲン協定ですよ? 意味あるのかちらどうかちら?

それはさておき、イギリスのジョンソン首相の「もうね、みんなこれから親友や家族を失うことがはっきりしてますけど、その辺覚悟して、ゆるゆる感染していきましょうね。無駄な旅行とかしないで、病気もってる人はおとなしく過ごして、この危機を乗り越えましょう」の声明に他所の国の人間ながら衝撃が抑えられない。

新型コロナウイルスに関するジョンソン英国首相の声明(在英国日本国大使館)
(5)自分は英国民に対して正直に言わなければならない,より多くの家族が,彼らの愛する人たちを寿命に先立って失うことになる。しかし,過去数週間にわたって言ってきたように,我々は現在実施している明確な計画がある。そして,我々はその計画の次の段階に移る。

うぅぅ、これはまさに、サイモン・ペッグが「ショーン・オブ・ザ・デッド」で提案した「冷えたビールで事態の収束を待つ☆」方針と同じではないですか(ちょっと違うけど)、「KEEP CALM AND DRINK BEER」的な!

で、でもね、ちょっと待って、わたくし、この春、イギリスの左派な方たちの本を何冊か読みましたが(アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した子どもたちの階級闘争 など)、緊縮緊縮で福祉がえらいことになってるイギリスでその方針でやって大丈夫なの? 

2012年のロンドン五輪の開会式で「我が国ではNHS(国民皆保険)という素晴らしい制度があってのぅ、ま、今はないんだけどね、緊縮とやらで!!」とダニー・ボイル先生が演出してたけど、あれから8年、ギグ・エコノミーという考えが定着し「できるだけ安く働いてね、仕事がないときは自宅にいてね? その分お給料はもちろんないよ? あと最低限の保障もしないけどまぁそのへんは勘弁してね」みたいなえげつない就労体制が当たり前のものになり、映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」では社会から取り残されてしまった初老の男が満足な保障も受けられぬまま心臓発作で帰らぬひととなり、「家族を想うとき」では本来ならば働き盛りである中年男がゼロ時間契約でぺしゃんこに潰される姿を描き、そういった作品がバンバン出てくる国でそんなことやって大丈夫なのかい? 大丈夫なのかーいーーーーー? ブレイディみかこさんの本にも「歯医者の予約してから行けるようになるまで二週間かかった」とかあったけれど、そんな調子で肺炎になったらどうするのでしょう・・。

※開会式の演出については冷泉さんのこちらのコラムを。
【ニューズウィーク日本版】五輪開会式に見る「国の自己紹介」の難しさ

どうなることか見守るしかないのでしょうけれど、東アジアの国々は総じて病院へのアクセスがいいのではないのかと感じ始めましたよ。日本にいる皆さんは、医療マンガを読んで、医療の現場で働く人達へ思いを寄せて、粛々と生活していきましょう。今ならKindleで一部無料配信中☆

 

28週後… (吹替版)

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