コロナショックに寄せてその4/映画「風が吹くとき」

風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]

いつもは風が強く吹くことばかりをかんがえている私ですが、ここ数日、この作品のことを考えております。

コロナウイルスの検査を受けたいのに渡航歴の有る人か、あるいは重症化するまで検査してもらえない、「高熱が続くようなら自宅で待機、四日経っても改善しないようなら相談窓口にやってきてね」という方式を採った我が国。医療現場のためにも理解できる方針ではあるのですが、先週は「重症化するまで家にいろというので自宅で療養していたが、髄膜炎になってしまった、しかも陽性と判明した」「熱が一向にひかないので検査に来たらやっぱり陽性だった」という事案が続きました。このニュースを聞くたびに、子供のときに見たイギリスのアニメ「風が吹くとき」を思い出してしまいます。

あらすじはアマゾンから。
もの凄い光とともに風が吹いた――世界の終わり。

イギリスの片田舎。年老いたジムとヒルダの夫婦は、子どもも独立し、ゆったりとした平穏な年金生活を送っていました。ラジオから流れるニュースに耳を傾け、新聞記事をネタに、夫婦でああでもない、こうでもないと取るに足らない会話を語り合う日々。ある日、核戦争が近づいていることを知ったジムは政府が配ったガイドに従って、家のドアを取り外し簡単な核シェルターを組み立てました。そして、ラジオが敵国の攻撃を伝えた数分後に訪れた、もの凄い爆風と熱。

ラジオもテレビも壊れた世界でジムとヒルダはきっと助けが来ると信じ、ひっそりと生活を再開します。しかし、いつまでも助けは来ず、食料も尽きかけた頃、2人の体にめまいやダルさ、紫の斑点といった異常があらわれ始めていました‥・。

そのシェルターが段ボール箱みたいなたいそう貧相な作りで、子供心にイギリス国民を心配した。しかし、日本人も太平洋戦争中は、竹槍で戦闘機に立ち向かえとか松脂でガソリン作るってやってたから政府が出す御触なんてこんなものなのかなーとも納得してしまった、子供なりに。結局、国家は国民のことなんてそのくらいにしか思っていないと。そして大人になって自分で納税するようになってからは、「いくらでも税金をむしり取っていい対象」にしか思われてないのではとも。

「風が吹くとき」のジムとヒルダは、我が国で髄膜炎になってしまった青年ではないのか、あるいは自宅で療養していたが陽性と判明した女性なのではないか。そう思うと大変にやるせない。どの国の対応方法が正解かわからないけど、今ある知恵と情報と医療技術で対応していくしかなく、ましてや国同士の競争でもないので、各国で情報を共有しあい、この病で亡くなる人が一人でも減るよう、冷静に賢明に立ち向かっていきたいものですじゃ。

1 COMMENT

いち

これと「茶色の朝」はねー、双璧ですよ。
「大丈夫さ、政府がちゃんとやってくれるから」って
信じてる善良な夫婦が弱ってく姿が、
もう恐ろしいったらありゃしない!
……って言ってる私は、ここ2〜3日、
コロナでもインフルでもない、ただの鼻風邪を引いて、
売れ残ってるお高いティッシュで鼻かんでました。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください