わたしは如何にしてゴリゴリの自炊派への道を歩むことになったのか/コロナショックに寄せて その28

近所に「小汚いけど、採算度外視に香辛料たっぷり入れたうまい中華を算数苦手な価格帯で出してくれる店」があります。緊急事態宣言下で営業短縮を余儀なくされたのを不憫に思っていましたが、こんな情勢下なのに、いろいろなひとにこの店が発見されてしまった。お客さんが増えることはいいことなんだけど、ほんとうに、いろいろなひとに発見されてしまった。

店の外まで聞こえる大声で人生語りをする女性11人の集団と居合わせたときは、あの中の何人がコロナっちに罹患するのじゃろうと心配に思ったし、先日は「奥さんになんて言ってきたの?」「え? 今日は事務所に泊まりで仕事するっていってきた」なんていう妙齢のカップル(妙齢なんですよ! ほんとに! え、まだそんなことやってんの?というお年なんですよ!)が隣の隣の席にいたときには「あのぅ女口説くには随分と庶民的な店じゃないすか、ここ?」とツッコミ入れたくなったし、若い男女の微妙な内容のサブカルトークが店内に虚しく響いているときは「あー、これは彼女はこの辺の地元ガールで、彼氏が上京してきた人で、幼少期からの文化享受の格差が露骨に見え隠れしているんだけど、まぁそれはさておき、若い男女のデートコースにしては微妙すぎないか、このお店?」と心配になった。いまになって思うと、あのカップル、まんま「花束みたいな恋をして」の二人みたいだったな、「こんな小汚い店で熱く語れちゃってる僕ら最高!」というオーラがでていて微笑ましかった。

そうやっていろいろな人に見つかった結果、昔からの客が食事に集中できなくなったことは残念だけど、とても残念だけど、お店の発展そのこと自体はとても喜ばしいことなので受け入れるとして、受け入れるとして!

緊急事態宣言下で客に甘くなったお店が、とうとう喫煙許しちゃった。食事中の喫煙オッケーにしちゃった。あぁぁーそれまでは都の条例守って灰皿を取り除いていたのに、喫煙中華に戻っちゃった。中年男性客が「ママ、タバコいい?」と灰皿出させるのを見たことはあるけど、それも「あーあ」と思いながら見ていたけれど、久しぶりに行ったら常時灰皿店舗になっていた。そういう常連からの圧力に屈する店だったのかよ、KYO・ZA・MEだよ!

そういうわけで、小汚いけど、採算度外視に香辛料たっぷり入れたうまい中華を算数苦手な価格帯で出してくれる店を失ったわたしは、自力でうまい中華を作れるようにならなくてはならぬと陳建一先生のレシピを参考に20cmのフライパンでちょうどいい量の中華を作る毎日でございます。

ユウキの豆板醤・豆チ醤・甜麺醤と鶏ガラスープの素は常備してるざます! 「きょうの料理」の陳建一先生のレシピ最高です。みなさまもぜひ!!!

ユウキ 豆チ醤 1kg

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