膨らみて真夏の夜のぐりとぐら/カステラを作った話/ハンドミキサーと労働力の解放について思うこと

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

カステラの制作にあたり

卵がたくさん余っていた。

森の中で大きなたまごをみつけてカステラにするお話はぐりとぐらでしたっけ。ぐりとぐらが見つけるまで卵をあたためていたお母さんの気持ちを思うと、こどもごころにも切なくなった記憶がありますが、それはさておき問題は目の前の賞味期限切れ直後の卵たちです。てんで、カステラを作ってみました。

いろいろ調べてみましたが、カステラの材料が卵5個とか10個とかしれっと書いてある。また卵10個の場合は、新聞紙で型を作るのもデフォルトのよう。え、新聞紙で。大きい。世の中には親切にも普及している18cmのパウンドケーキ型で作るレシピもご用意されている。それでは、おいしそうなレシピと、パウンドケーキ型のメソッドを融合させて作ることにしましょう。「素人が勝手にアレンジするな!!」という声がちらりと聞こえましたが、そこはほれ。

COTTA 18cm型のパウンドケーキで作るレシピ
型に新聞紙を敷いて、熱の当たりをやわらげるように書いてある。

オレンジページ 基本のでかカステラ
新聞紙で作る特大カステラ。ぐりとぐらサイズですね。

新聞紙で作る特大カステラのレシピに、18cmの型のノウハウをはめ込んでみようと思ったのですが、実際に作ってみたら、どうみてもパウンドケーキ型からあふれる種ができあがり、結局ナガ姉さんがくれた円形のケーキ型を使うことにしました。なので丸いカステラが出来上がりました。

アンテノア ふっ素加工デコレーションケーキ焼型18㎝(底取れ式)

カステラのレシピ

1.卵白のメレンゲを作る、砂糖を分けて入れながらメレンゲる
2.メレンゲに溶いた卵黄を分けながら入れて混ぜる
3.次に強力粉を分けていれて混ぜる
4.クッキングペーパーを敷いた型にザラメを敷く
5.型に種を流し込み、気泡を取る
6.予熱しておいたオーブンで80分160℃で焼く
7-a.焼きあがったら粗熱を取り、ラップで巻いて冷やし1日寝かす
7-b.焼きあがったらすぐラップで巻き、すぐ冷蔵庫に入れ2日寝かす

ハンドミキサーがないと作れない

というか、作りたくない。卵白と卵黄にわけて卵を5個割り、卵白はメレンゲにするのです。ハンドミキサーがなければ到底たどり着けない硬いメレンゲという境地! なのにわずか二千円くらいの電化製品を使って90秒間ハンドルを握り続け砂糖を足すという作業を4回繰り返すだけで、硬いメレンゲのできあがりですよ。労働力の解放って素晴らしい。

しかし、ハンドミキサーの普及っていつくらいからあったの?
ハンドミキサーがなさそうなぐりとぐらはどうやってメレンゲを作ったの!? 
泡立て器ガシガシやるだけじゃ絶対無理!
もしかしたら、ぐりとぐらは、筋骨隆々の野ネズミなのかもしれない。
おそろしや、ぐりとぐら。

ハンドミキサーを握り締めながらぼーっとそんなことを考えておりました。だってダウントン・アビーとかも、下女のみなさんが広いキッチンでかなりの力仕事をやってるじゃないすか。早く機械化してあげて、あのひとたちの労力を軽くしてあげてとドラマを見ながら思ったものですよ。

さて、オーブンの中で、ぐりとぐらの絵本みたいに膨らんでいくカステラをみて「あの絵本の描写は正確!!」と感心しました。

ハンドミキサーの歴史

ぐりとぐらは野ネズミなので文明の道具は使わなかったと思いますが、この絵本が出たときの家庭の台所にハンドミキサーはあったのでしょうか。JB Press の「食の研究所」というコラムでハンドミキサーの普及の歴史が紹介されていました。

JB Press 食の研究所 / 日本と世界の食事情 / ヘラ、お玉、菜箸・・・、古来かき混ぜてきた日本の料理

 19世紀後半のアメリカでは、2本の泡立てが付いた手動の回転式泡立て器が発売された。その最もよく知られるのが、「ドーバーエッグビーター」と呼ばれる製品だ。
 さらに20世紀になると、電動式のジューサーやブレンダーが発売される。日本では、1948(昭和23)年に東京芝浦電気(現・東芝)が初めてミキサーを発売。1969(昭和44)年には、同じく東芝から泡立てる、混ぜる、つぶす、砕くなどの多機能を備えたミキサーが登場している。より手軽に使えるハンドタイプのミキサーは、1958(昭和33)年頃から出回り始めたが、最初のうちは乾電池式だった。

しっ、失礼しました! 19世紀後半にもうこの世に出ていたのですね、このタイプのハンドミキサーのご先祖様が。ヤフオクにフランスのものが出品されてました、え、この作りで女性の労働力が軽減されたの? まじで?

パナソニック ハンドミキサー 速度3段切り替え機能搭載 ホワイト MK-H4-W

日本では昭和33年にハンドミキサーが出回っていたようですが、それならば、ぐりとぐらもこっそりとハンドミキサーを使っていたのかもしれません。なにしろ、森中の動物が集まって食べられるくらいの大きなたまごだったのですから。

さて、カステラはお月さまのようにきれいにやけました。これをラップに包んでしばらく寝かします。食べるのは明日です。なんと遠いカステラの道よ。

 

それにつけても福砂屋のレシピほしぇぇぇーー、ヨックモックはシガールのレシピを本にして出してるざますよ(1本のシガールを焼き上げるまで大変な工数が発生しているということがよく理解できます)、さぁ福砂屋さんも早く、ヨックモックさんに続いて!!!、と月に吠えた夜。

 

ヨックモックが教えるクッキーレシピ 誰もがおいしい! と大絶賛する

 

福砂屋 カステラ0.6号2本

スタバのご当地フラペチーノ、長崎はてっきり枇杷かと思っていたんですが、カステラでした。カステラ愛~! 長野のりんごバター、おいしそうですね。富山のスイカも! 毎年やってほしい、一生かけて全部回って食べてみたい!

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