大河ドラマ「青天を衝け」、面白いですよね。嫁をおいてとっとと自分探しの旅にでていくところなんざどうかと思いましたが、でていかないと話が始まらないですしね。昨夜の笑っていはいけない「月代ばっさり、我らは日の本に帰ります!」断髪事件など最高でしたね。民部公子さまがあまりに民部公子さまで毎回なんて素晴らしいキャスティングと唸っております。勝海舟も坂本龍馬もでてこない宮廷政治としての幕末ドラマ、あたいこういうのが見たかった!
さて、幕末ものといえば薩長中心史観が過ぎていて「でもそれってほぼテロリズムですよね?」といいにくいものだったり、それに対する義憤の新選組や会津の悲劇が中心で、ではほんとうのところ将軍家はどう向かい合っていたのか、そのあたりを丁寧に表現してくれる作品になかなか巡り合うことができなかった。だいたい徳川慶喜ってば、尻まくって京都から逃げ出した自分勝手で権力欲が大きく頭はいいかもしれないけど無能な将軍だったという表現でしたから、よしながふみさんの「大奥」でもそうだった。
1998年に放映された本木雅弘主演の「徳川慶喜」は架空の人物の登場が多すぎて、当時からしてもなんだか真剣に作ってないドラマの印象を受けた。でもこの話は、原作は司馬遼太郎が1960年代に執筆した中編小説『最後の将軍 徳川慶喜』(文春文庫ほか)。司馬の原作が短いので、本作では他に、渋沢栄一らが編んだ基礎史料たる『徳川慶喜公伝』(平凡社東洋文庫[1] 全4巻)を参考に、随所で原作以上に用いた。とのこと。そうだったの? 昔の大河ドラマって、結構雑に作ってたよねーって改めて思うわ、黄金の日日。
そんなタイミングで読んだのが原田伊織さんの「明治維新という過ち」なのですが、どうしたってこのマンガの表紙絵を思い出さずにはいられませんでした。二本松藩の悲劇などは詳しく知らなかったのですが、これから起こるであろう争いはドラマでどう描かれていくのでしょう。
しかし、草なぎさんの徳川慶喜は大河ドラマ史に残っちゃいますねー。素晴らしい。