出張!ツール・ド・フランス第22ステージ東京オリンピック版!/東京五輪反省会その1

スケール感が規模にあっておらず全てがちぐはぐで継ぎ接ぎだらけのズタボロの開会式、そこに至るまでの経緯を明らかにした文春砲、濫費に次ぐ濫費、関わった政治家のダメさ加減、西洋だめおじさんイマジン、東洋だめおじさん「女性はわきまえろ」、ダメだ、おじさんはダメだ、金は出すけどニコニコしたまま口を出さない存在にならないとおじさんは、ダメだ。だめだよ!?

しかしながら素晴らしい点もあるのでメモしておきたい。

東北の花を使ったビクトリーブーケ

オリンピックのブーケには、トルコギキョウ(福島県産)、ヒマワリ(宮城県産)、リンドウ(岩手県産)、ナルコラン(福島県産)、ハラン(東京都産)が使用される予定です。これらの花が選ばれたことには、それぞれ理由があります。
さわやかで凛々しい、日本の夏らしい素敵な色合わせだと思います。リンドウの藍色がエンブレムと同じ色という点もよいいですよね。ロンドン五輪ではバラを使ったブーケでしたが(リンク先参照)、こんなところでもお国柄を演出できるというのが憎い演出です。

都市鉱山から生み出されたメダル

2017年4月1日から始まったこの活動は、2年間で全国1621の自治体で約7万8985トンの小型家電を回収、またNTTドコモでは2300店舗にて約621万代の携帯電話を回収しました。集まった金属量は、金が32Kg、銀が3500Kg、銅が2200Kgとなり、五輪・パラリンピックを合わせて約5000個のメダルを、この集めた金属ですべて制作していきます。

この都市鉱山プロジェクトは当時もすごく注目していて、私も携帯電話を放出した記憶があります。「相当ボロッボロになるまでデバイス使うんだな、わたし」と当時の写真をみて若干引いております。

結果、金が32kg集まったと! 32kgって今日の金価格(1g7099円)で227,168,000 円ですよ、2億! 人類がいままで採掘してきた金の送料が18万トン、競技用プール約4杯分というなかで、年に32kgも金が眠っているなんて! 金の精錬は田中貴金属がやったんですね、今年のお正月に銀座の田中貴金属冷やかしに行ったとき(冷やかすな)、「最近は都市鉱山から採掘してるんですよ」といってましたが、ほんとうに採掘できちゃんだ。夢がある、楽しい、素晴らしい、鉱山のSDGs、いいぞもっとやれ。

数年前、裏庭に埋めて隠しておいた金のインゴットが見つかって追徴課税たんまり払わされた人がいたけど、そのひと50kg持ってたっつってましたね。あれ、32kgって多いような少ないような。あれ? 

日本の木を使ったメダルケース

詳細はこちらの記事を読んでいただきまして。デザインは千葉のデザイナーの吉田真也さん、作ったのは北海道網走の山上木工さん。素材を生かした美しいデザイン、メダルケースという本来の目的を果たすために技工を凝らした設計、素晴らしい。これはほんとうに美しい。木曽漆器のメダルも悪くなかったけど、2021年、五輪のメダルデザインがみごとにアップデートされたと思います。

こういうところの精度はすごく高いし、センスもいいのに、なんであんなに開会式はグダグダに・・・。メダルケースはデザイナーさんも木工会社社長も三十代で、ほらー、そういうひとたちに任せておけば全然問題なかったのに・・・。

ところで、山上木工さんの品物は、津別町のふるさと納税で手に入るよ、美しいね!

ロードレースの撮影はツール・ド・フランスチーム!

げんなりした開会式翌日の目玉は、244kmにも及ぶ男子ロードレース。

自転車競技好きのわたくしですが、実はここ数年、スカパーでの放送がおやすみになっていたこともあり距離が離れておりました。ネットでの配信も見たのですが、絵が汚く、あの美しいイタリアの、フランスの、スペインの風景がまったく目に入ってこない。選手の視認も難しい。
それが今年からJ-Sportsで放映が再開し、ジロ・デ・イタリア第一ステージからじっくりと見ておりました、ツール・ド・フランスも毎晩みました。パリのシャンゼリゼを走る最終ステージは7月18日の日曜日、1998年生まれの若く飄々とした「逆境大好き!」なポガチャルが総合優勝を果たしましたが、勝ち気そうな顔が悪くないぜ・ベルギー生まれのワウト・ファン・アールト、華麗なる復活!36歳のマーク・カヴェンディッシュ、どっこいまだまだ現役だぜ、ヴィンチェンツォ・ニバリ! ほんとうに華やかで素晴らしい(ちょっと落車多かったけど)(五輪に出るからここでリタイヤするわな選手もいたけど)(日本人は今回は出なかったけど)(でも新城はジロ完走したもんね!)21ステージだったのです。つまり、私の体は自転車鑑賞向きに相当温まっていた状態で、五輪ロードレースの日を迎えたのです!

7月18日にツール・ド・フランスの最終ステージを走り、それに参加した選手たちの多くが7月24日土曜日には武蔵野の森総合スポーツプラザから富士スピードウェイのゴールまでの244kmを走ったのです! 夢かな? ツール・ド・フランス第22ステージかな?

長距離ロードレースというなんというか箱根駅伝的なスポーツ、日本人の感性にハマらないはずがありません。しかも今回は、映像が美しすぎる。画面から感じられる「日本の撮影クルーの仕事に見えない」という違和感。訝しく思いながらレースを見ていると、ツイッター上に様々な情報があがってくる。

・今回の撮影は、ツール・ド・フランス撮影チーム 。空撮もお手のもの! ていうか、日本ってこんなに美しかったでしたっけ? フランスからやってきた2機の中継機が東邦航空のヘリと連携し、あの映像を世界配信できたとのこと。セスナ機みたいなサイズのこの「アイランダー」という飛行機は、フランスを出発し、ラトビアのリガ、ロシアの西・カザフスタンの北のチュメニ、ロシア中央、ウランバートルの北のイルクーツク、そしてハバロフスクを経て、日本へと5日かけてやってきたそうです。なんと、中継機のツール・ド・ユーラシアではありませんか! 

・そんな中継機を経由して日本の町並みを余すこと無く映し出していく。きけば五輪開会式の次の日は長距離ロードレースを必ずやることになっているとのこと。「開催国はこんな土地なんですよー」と紹介する意味合いもあるとか。そらあなた、ちょっと一週間前までパリのシャンゼリゼをゴリゴリ走っていた選手の背景に、真っ黄色の「タンメン」という看板が写り込んだらそのシュールさに目を奪われるでしょ? 私は目を奪われた、本当にあの選手たちが、いま、日本の国道走ってるんだ、って心を打たれた。

・神社の参道ズジャーって走っていく、こんなレースメイク、誰がした!(いいぞもっとやれ)。日本の住宅街を抜けていく。その土地の人しか知らないような二級河川沿いの県道を走っていく。山中湖のスワンボートをが映れば「COOOOOOOOL!」と実況が入り、富士山の姿を捉えれば「あれが富士山です。美しい」と紹介してくれる。なんじゃこのコース、最高すぎる!

沿道の観衆がちょっと多すぎたのが心配ですが、それはそれは素晴らしい、愛に満ちたロードレースの中継だったのですよ! 

二日目の女子ロードレースは、数学の博士号持ってるオーストリアのキーセンホーファーがロング逃げ切りを果たして優勝、「権威あるものを過度に信じるべきではなく、自分で全てを管理していた。私はペダルを踏むだけの選手ではなく、自分を支える参謀でもある。それが結果に現れて誇りに思う。」ですよ、格好良すぎますよ、キーセンホーファーさん!!

新しいスポーツでの日本人メダリスト誕生

スケボー男女で日本人金メダリストが出て、サーフィンでも男女のメダリストが。子どもたちがやりたいと選んだスポーツを全力で応援できる親がいる、そういう一家族ごとの話も麗しいし素晴らしいものだと思いますが、五輪競技的にはマイナーといっていいスポーツで輝かしすぎる結果を残せたということは、やはりこれはこれで日本の豊かさの一面を表しているのではないかと思います。
自国開催とはいえ、ほとんどの競技に日本人選手が参加できる素地というか経済的余裕というか。もっと裾野を広げていえば、五輪で採用されるようなあらゆる競技に、挑戦しようと思えばどんなひとでも挑戦できる国って、そんなにないんじゃないかなー。女の子というだけで自転車に乗れない国もあるくらいだし。

8月3日に行われるスポーツクライミングで楢崎選手や原田選手の活躍を刮目してみてね。楢崎さんも女子の野口啓代さんも「なんでそんなことできるの?」っていう速さでひょいひょい壁登っていきますから。

 

というわけで、細部は美しいのに、全体がグダグダ(コロナのせいもあるから半分は同情したい、でもそもそも東京でやる必要があったのかとは思う、とはいえ、セブンイレブンの品揃えにはしゃぐ外国人プレスやセブンイレブンのおにぎりのセロファンをきちんと開けられて喜ぶカナダ人選手をみるとちょっとうれしくも思う、うん、でも三兆円の明細は必ず見させていただきますからね)なのが、美しき国ジャパンってことなのかしらどうかしら。まぁおじさんがダメにするってのは、ちょっと肝に銘じて覚えておきたいものですね。

 

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